「 ゆっくり 」副交感神経アップ

   朝食、腹八分目・・・なぜいいの?

 

 良い血液を十分に

「『健康って何ですか』と聞かれることがある。

難しい質問ですが、細胞の一つ一つに、

どれだけ質の良い血液を流すことができるかが全てです」。 小林教授はこう話す。

血流をコントロールしているのは自律神経。

興奮時に高まる交感神経と、リラックス時に高まる副交感神経からなる。

小林教授によると、両者が高いレベルで働くのが理想。

一方が優位になりすぎると病気になりやすいという。

交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は弛緩(しかん)させる。

交感神経が過剰に優位になると細胞に通う血液が不足。

また、血圧が上がり過ぎると血管の内皮細胞を傷付け、血栓を作る。

血液の質の鍵となるのは腸内環境。腸の働きが悪いと、

肝臓へ栄養を運ぶ血液も汚れたものになる。

腸の蠕動(ぜんどう)収縮運動が活発になるのは副交感神経が優位なときだ。

副交感神経を高めるためには・・・

「一番重要なのは朝食です。寝てから起きたときは、交感神経が優位になっている。

副交感神経を朝のうちにどこまで上げておくかが勝負です」(小林教授)。
 

栄養補給より、物を食べることで腸が刺激され、

副交感神経が活発になることに注目する。

食事中は交感神経が優位だ。

しかし、食前にコップ一杯の水を飲んで

「胃結腸反射(蠕動運動を促す反応)」を起こし、ゆっくり食べることで

副交感神経を上げることができ、食後の眠気の防止にもつながる。



 寝起きの朝練は…

一方、自律神経の観点から、誤った習慣が、寝起きでのスポーツの「朝練」だという。

起きたばかりの体は交感神経が優位で末端に血液が通っておらず、

けがをしやすいという。

準備運動の方法が大事だ。

小林教授はティッシュを丸めた形にたとえ、

「朝の体はこのように丸まっている状態。 

アキレス腱(けん)や太ももなど体の一部を伸ばす運動をしてもバランスが悪く、

けがにつながる。

手の先など体の末端を引っ張ることで体全体を伸ばすことができる」と話す。

局所的なストレッチは運動後には有効だが、運動前は危険だそうだ。

また、ジョギングは運動能力を高める効果はあるが、

一方で呼吸が早く浅くなり、副交感神経のレベルを下げてしまう傾向があるという。

副交感神経の観点からすれば、

ゆっくりとした深い呼吸のできるウォーキングが有効だという。



【用語解説】蠕動運動

消化管などの臓器の収縮運動のことで、内容物を移動させる役割をする。

自律神経の働きによって行われるため、意識的に行うことはできない。

水や食べ物をとることや運動などによって刺激を与えることによって活発になる。

加齢とともに蠕動運動は低下し、便秘の原因となる。

 

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