インフルエンザの流行は、気候変動などにより毎年違うようです。が、流行は、前もってお一人おひとりが普段からしっかりと予防を心掛けることで拡大を防ぐことが出来ます。

2019年を例に挙げて、知っておきたいことをまとめています。普段から知っておきたいことが様々ありましたので、ご参考にしていただけると幸いです。

 

インフルエンザの患者数、1週間で200万人超え

全国で警戒レベルに!

 

2019.01.25

 

2019年1月25日(金)に厚生労働省から発表された1月14日~1月20日までのインフルエンザ発生状況によると、ついに200万人を越えました。
年齢別では、0~4歳が約25.4 万人、5~9歳が約35.4万人、10~14歳が約26.0万人、15~19歳が約13.6万人、20代が約18.9万人、30代が約21.0万人、40代が約24.1万人、50代が約18.1 万人60 代が約14.2 万人、70代以上が約16.2 万人となっています。

 

まだまだ続く乾燥、さらなる感染拡大に警戒

 

年明け以降、太平洋側を中心に空気が乾燥している状態が続いています。
東京では、1月に入って乾燥注意報が発表されていない日は6日間のみで、降水量もわずか0.5ミリ。その他の太平洋側でも空気の乾燥状態が続いてます。
この先もしばらくは、空気をしっかり潤してくれるほどの雨は期待できそうにありません。
マスクや手洗いなどのインフルエンザ対策もしっかりと行うようにしましょう。

インフルエンザ予防対策 2019年冬 

 

 冬場に大流行するインフルエンザ。特に冬は空気が乾燥するので、インフルエンザが増殖しやすい環境になります。

インフルエンザはとても感染力が強く、重篤な症状を引き起こすこともるため、毎年流行期を迎える前の10~11月頃には予防接種が始まります。ですが、インフルエンザは予防接種に加え、日々の生活習慣が予防につながることもあるのです。

2019年8月時点の厚生労働省の発表では、今シーズンは、平成28年度以降、最も多い供給をする予定で、昨年の使用量や昨今の平均使用量を上回る量を製造しているため、適切に使用していけば、今シーズン不足は生じないと発表されています。

 

症状が疑わしいとき 

 風邪は発症後の経過がゆっくり進行し、喉の痛みや鼻水くしゃみ軽い発熱等の症状が出ます。

対してインフルエンザは急激に体調が悪くなり、高熱を伴う傾向です。

関節痛、頭痛、筋肉痛や全身倦怠感等の全身症状もインフルエンザのほうが、顕著に現れることが多いといわれています。

とはいえ、諸症状が風邪の引き始めに似ているからといって「これは風邪だな」と自分で判断するのは禁物

症状が疑わしいときは医療機関での受診、検査をおすすめします。

気になる症状がある場合や、インフルエンザが疑われるような場合には、医療機関を受診し、検査してもらうことをおすすめします

 

≪インフルエンザ予防の基本4つ!≫

1. 外出後の手洗い・うがいは徹底

 帰宅したらまず手洗い、うがいをするという習慣を身に付けることが重要です。

これはインフルエンザに限らず、その他の病気予防にも非常に効果的です。万全を期すのであれば、手洗いとうがいをした後に入浴し、全身を洗い流すことでさらなる予防効果が期待できます。

2.部屋の温度、湿度設定はしっかり!

 インフルエンザウイルスは乾燥している空気が大好きです。ウイルスの活動を活発化させないように加湿器などを使って室内温度や湿度を調整するようにしてください。また、1~2時間おきくらいを目安に部屋の換気をするようにしてください。

3.ウイルスに負けない免疫力・体力をつける

 栄養バランスのよい食事を摂り、十分な睡眠時間を確保し、適度に運動をすることが大事。インフルエンザウイルスに負けない体を維持、増進するように心がけることが大切です。

4.混雑する場所はできるだけ避ける

インフルエンザは空気感染、飛沫感染するので、できるだけ人混みは避けるようにしたいところです。外出時にはマスクを付ける等の処置をして少しでも感染を予防できるようにしてください。

 

まとめ

インフルエンザウイルスはとても早く増殖するので、症状も急速に進みます。急な高熱や体調不良を感じたら、「風邪かな?」と軽視せずに医療機関を受診するようにしてください。自分の体を守り、周囲への感染を防ぐためにも、早期の治療が望まれます。



 

 

インフルエンザの感染予防策について

政府広報オンラインより抜粋

 

1.インフルエンザはどうやってうつるの?

インフルエンザの感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染があります。

飛沫感染は、感染した人が咳をすることで飛んだ、飛沫に含まれるウイルスを、別の人が口や鼻から吸い込んでしまい、ウイルスが体内に入り込むことです。また、感染した人が咳を手で押さえた後や、鼻水を手でぬぐった後に、ドアノブ、スイッチなどに触れると、その触れた場所にウイルスを含んだ飛沫が付着することがあります。その場所に別の人が手で触れ、さらにその手で鼻、口に再び触れることにより、粘膜などを通じてウイルスが体内に入り感染します。これを接触感染といいます。

 

2.インフルエンザを予防するためにはどうすればいいの?

【インフルエンザにかからないために】

1)手洗いの実施

 手洗いは手指など体に付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず感染予防の基本です。また、外出後の手洗い、うがいは一般的な感染症の予防のためにもおすすめします。

2)流行前のワクチン接種

 インフルエンザワクチンは、かかった場合の重症化防止に有効と報告されており、わが国でも年々ワクチン接種をする方が増加しています。

3)適度な湿度の保持

 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

4)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

5)人混みや繁華街への外出を控える

 インフルエンザが流行してきたら、特にご高齢の方や基礎疾患のある方、疲労気味、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度の飛沫等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することはひとつの防御策と考えられます。ただし、人混みに入る時間は極力短時間にしましょう。

*不織布製マスクとは

不織布とは「織っていない布」という意味です。繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させて布にしたもので、さまざまな用途で用いられています。市販されている家庭用マスクの約97%が不織布製マスクです。

 

【インフルエンザを広げないために】

1)咳エチケットの実施

 周囲の人に感染を広げるのを防ぐため、咳エチケットを日ごろから実施しましょう。

咳エチケットとは、「咳やくしゃみをするときは、飛沫に病原体を含んでいるかもしれないので、気をつけましょう」ということです。

 ・せきやくしゃみをするときは他の人から顔をそらせましょう。

 ・せきやくしゃみをするときはティッシュなどで口と鼻を覆いましょう。

 ・せき、くしゃみが出ている間はマスクを着用しましょう。

2)インフルエンザにかかったときに気をつけること

 「他の人にうつさない」ことが大事です。

同居する他の家族、特に重症になりやすいお年寄りなどにはなるべく接触しないように心がけ、できるだけ他の家族と離れ静養しましょう。

 ・  感染予防のため、部屋の換気を心がけましょう

 ・  咳がでるときは、患者さんはマスクをつけましょう

 ・  家族が患者さんと接するときには念のためマスクを着用し、

    お世話の後は、こまめに手を洗いましょう。

 ・  熱が下がった後も、2日程度は他の人にうつす可能性があります。

    熱が下がって症状が治まっても、2日ほど学校にいかないようにし、

    自宅療養することが望ましいでしょう。

 

(参考資料)

・厚生労働省結核感染症課作成リーフレット

「インフルエンザ一問一答 みんなで知って、みんなで注意!」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/leaflet20110208_01.pdf

・厚生労働省HP 「インフルエンザQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

 

 

インフルエンザの感染を防ぐポイント
「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」

厚生労働省 平成29年11月20日

 

 毎年秋から冬にかけては、インフルエンザの流行シーズンです。高熱や関節の痛みなどを伴い、人によっては重症化するおそれもあります。流行を防ぐためには、原因となるウイルスを体内に侵入させないことや周囲にうつさないようにすることが重要です。

インフルエンザの感染を広げないために、一人一人が 「かからない」、「うつさない」対策を実践しましょう。

 

1.インフルエンザの恐ろしさとは?

高齢者や幼児、持病のある人などは重症化することも

インフルエンザと風邪は、のどの痛みや咳(せき)などよく似た症状がありますが、風邪とインフルエンザは、症状も流行の時期も違います。

 

インフルエンザ

風邪

症状

38度以上の発熱

発熱

 

全身症状

(頭痛、関節痛、筋肉痛など)

 

 

局所症状

(喉の痛み、鼻水、くしゃみ、咳など)

局所症状

(のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳、など)

 

急激に発症

比較的ゆっくり発症

流行の時期

12~3月(1月~2月がピーク)
※4月、5月まで散発的に続くことも

年間を通じて。特に季節の変わり目や

疲れているときなど

 

・インフルエンザは、インフルエンザウイルスが体内に入り込むことによって起こります。

・インフルエンザのウイルスにはA型、B型、C型と呼ばれる3つの型があり、その年によって流行するウイルスが違います。

・これらのウイルスうち、A型とB型の感染力はとても強く、日本では毎年約1千万人、およそ10人に1人が感染しています。
・インフルエンザにかかっても、軽症で回復する人もいますが、中には、肺炎や脳症などを併発して重症化してしまう人もいます。

重症化する危険性が高い人

・高齢者
・幼児
・妊娠中の女性
・持病のある方
・喘息のある人
・慢性呼吸器疾患(COPD)
・慢性心疾患のある人
・糖尿病など代謝性疾患のある人 など

 

2.どうやって感染するの?

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染

 

インフルエンザがどのようにして感染するのかを知っておきましょう。インフルエンザウイルスの感染経路は、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つがあります。

飛沫感染

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出
別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染

*主な感染場所:

 学校や劇場、満員電車などの人が多く集まる場所

接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえる
その手で周りの物に触れて、ウイルスが付く
別の人がその物に触ってウイルスが手に付着
その手で口や鼻を触って粘膜から感染

*主な感染場所:

 電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

インフルエンザを予防するためには、こうした飛沫感染、接触感染といった感染経路を絶つことが重要です。

 

3.インフルエンザから身を守るためには?

 正しい手洗いやふだんの健康管理、予防接種で感染を防ぐ

 (1)正しい手洗い

 私たちは毎日、様々なものに触れていますが、それらに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。

ウイルスの体内侵入を防ぐため以下のことを心がけましょう。

外出先から帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗う。

ウイルスは石けんに弱いため、次の正しい方法で石けんを使う。

(2)ふだんの健康管理

 インフルエンザは免疫力が弱っていると、感染しやすくなりますし、感染したときに症状が重くなってしまうおそれがあります。ふだんから、十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めておきましょう。

(3)予防接種を受ける

 インフルエンザを発病した後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、重症化してしまう方もいます。インフルエンザワクチンを打つことで、発病の可能性を減らすことができ、また最も大きな効果として、重症化を予防することが期待できます(※)

なお、接種回数は、13歳以上は原則1回、13歳未満の方は2回となります。
ワクチンを打っていてもインフルエンザにかかる場合があります。

(4)適度な湿度を保つ

 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50%~60%)を保つことも効果的です。

(5)人混みや繁華街への外出を控える

 インフルエンザが流行してきたら、不要不急のときはなるべく、人混みや繁華街への外出を控えましょう。

 

4.「インフルエンザかな?」と思ったら

早めに医療機関で受診し、安静に

(1)早めに医療機関へ

 もし、急に38度以上の発熱が出て、咳やのどの痛み、全身の倦怠感を伴うなどインフルエンザが疑われる症状が出た場合には、早めに医療機関(内科や小児科など)を受診しましょう。(※)
特に、幼児や高齢者、持病のある方、妊娠中の女性は、肺炎や脳症などの合併症が現れるなど、重症化する可能性があります。
(※)発熱12時間未満の場合、検査の結果が陽性にならないことがあります。(検査は発熱後12時間以上経過してから受けることをおすすめします)

こんな症状があったらすぐに医療機関で受診してください

・けいれんしたり、呼びかけにこたえない
・呼吸が速い、または息切れがある
・呼吸困難、苦しそう ・顔色が悪い(青白)
・おう吐や下痢が続いている
・症状が長引いて悪化してきた
・胸の痛みが続いている

(2)安静にする

 睡眠を十分にとるなど安静にしましょう。

(3)水分補給

 高熱による発汗での脱水症状を予防するために、特に症状がある間は、こまめに水分の補給が必要です。

(4)薬は医師の指示に従って正しく服用

 医師が必要と認めた場合には、抗インフルエンザウイルス薬が処方されます。抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。なお症状が出てから48時間以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できませんが、医師の指示(用法や用量、服用する日数など)を守って服用してください。

 

5.ほかの人にうつさないためには?

「咳エチケット」で他の人にうつさない

 熱が下がっても、インフルエンザウイルスは体内に残っています。周囲の人への感染を防ぐため、熱が下がった後も、インフルエンザウイルスは体外へ排出されるので、数日は学校や職場などに行かないようにし、自宅療養することが望ましいでしょう。また、次のようなことにも気をつけてください。

 

咳エチケット

 くしゃみや咳が出るときは、飛沫にウイルスを含んでいるかもしれませんので、次のような咳エチケットを心がけましょう。

マスクを着用する

 くしゃみや咳が出ている間はマスクを着用し、使用後のマスクは放置せず、ごみ箱に捨てましょう。
 マスクを着用していても、鼻の部分に隙間があったり、あごの部分が出たりしていると、効果がありません。鼻と口の両方を確実に覆い、正しい方法で着用しましょう。

<正しいマスクの着用>

口と鼻を覆う

 くしゃみや咳をするときは、ティッシュなどで口と鼻を覆う。

すぐに捨てる

 口と鼻を覆ったティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう。

顔をそらす

 くしゃみや咳の飛沫は、1~2メートル飛ぶと言われています。
くしゃみや咳をするときは、他の人にかからないようにしましょう。

こまめに手洗い

 くしゃみや咳などを押さえた手から、ドアノブなど周囲の物にウイルスを付着させたりしないために、インフルエンザに感染した人もこまめな手洗いを心がけましょう。

 

 

大谷クリニック院長 大谷義夫(おおたに よしお)先生のお話より抜粋

東京医科歯科大学 第一内科、呼吸器内科、睡眠制御学講座で21年間、内科疾患・呼吸器疾患・アレルギー疾患・睡眠医療に携わる。『肺炎にならないためののどの鍛え方(扶桑社ムック)』『長生きしたければのどを鍛えなさい(SB新書)』などの著書やテレビ出演も多数。

 

知っているようで知らない風邪・インフルエンザの正体

 

風邪(普通感冒)とインフルエンザはどう違うの? 

 インフルエンザウイルスは大きく分けてA、B、Cの3種類あります。

A型はH1N1、H3N2(香港型)など、A型だけで144種類ありますが、人命にかかわるほど重症化する可能性があるのはA型の2種類と、B型の2種類だけです。

C型は風邪症状のみで改善しますので問題ありません。

 

風邪のウイルスは約200種ありますが、通常は軽症のことが多く、人命にかかわるほど重症化しません。

 

なぜ冬はインフルエンザが大流行するの? 

インフルエンザが流行するのは12~3月です。

 

2017年は10人に1人がインフルエンザにかかりました。

ピーク時期には学校から家庭、さらに会社へと伝わって、流行が拡大化しがちです。

ウイルスが口に入ると、のどの粘膜に張り巡らされた「線毛(せんもう)」が防御しますが、湿度が低い冬は線毛の動きが低下するので感染しやすくなります。
また、インフルエンザウイルスは気温や湿度が低いと活性化するといわれています。

これは1961年にハーパー博士が発表した論文に由来しますが、沖縄や東南アジアでは高温・高湿度な時期にインフルエンザが流行することがあり、東京でも夏にインフルエンザになる人がまれにいます。

                                               

2018年には米国の大学で、湿度が高くなってもインフルエンザウイルスの活性が落ちなかったという論文が発表されました。

湿度が高くてもインフルエンザの活性が低下しないことが、沖縄だけでなく、最近では日本各地で夏や秋に散発するインフルエンザによる学級閉鎖が生じる理由にもなりえます。

 

ただし、夏~秋の湿度の高い時期は、冬ほど大流行しません。

湿度が高いと、のどの線毛の動きを活発にして、ウイルスなどの異物を排除する、のどの免疫が高まるからだと考えられます。

 

高熱が出ない「隠れインフルエンザ」に気を付けて! 

 インフルエンザはA型でもB型でも高熱が出ます。

しかし、体温が38℃未満の微熱や平熱でも、インフルエンザの場合があり、これは「隠れインフルエンザ」(医学用語ではありません)とメディア発信されています。

高齢者がインフルエンザB型にかかっても60%の方が38℃未満、20%の方が37.5℃以下であったと報告されています。

若い人でもワクチンを接種していると高熱が出ないことがあるのです。

 

もし高熱ではないのに異様にだるかったり、強い関節痛を感じるときは、インフルエンザの可能性があります。

「普通の風邪と違う」と感じたら、医療機関を受診しましょう。

ただし、発症後6~12時間未満ですと、インフルエンザの検査で陽性に判定されないことが多いので、数時間してから医療機関に問い合わせましょう。

 

のどから風邪・インフルエンザウイルスをシャットアウト! 

 風邪やインフルエンザのウイルスは飛沫感染が多く、最大の侵入経路は鼻と口です。

 

口に入ったウイルスを最初に防いでくれるのは、のど

のどの線毛は、ウイルスなどの異物を捕えると、タンと一緒に体外に排出してくれますが、すべて除去できるとは限りません。

ウイルスがのどから侵入する前に、水際で防ぐことが大切です。

 

ポイント1 

使い捨てマスクが必須!マスクの外し方に要注意! 

 インフルエンザウイルスはサイズが小さいため、マスクの繊維を通過します。

しかし、インフルエンザウイルスは、唾液と一緒になった飛沫として飛散するので、マスクを着用することで飛沫を防いだり、のどの湿気を保つのに役立ちます。

ただし、人ごみの中で使用したマスクにはウイルスが付いている可能性があるので、屋内に入る際にマスクを捨て、新しいマスクに取り換えるのが鉄則。

通勤時に使ったマスクをポケットに入れておいて、帰りに同じマスクを着けるのはNGです。

マスクを外すときも、表面に触れると、手から接触感染するリスクがあります。

まずマスクのゴム紐を持ち、表面に触れないようにしてごみ箱にすぐ捨てましょう。

大谷先生は、診療日は1日に20枚、

休日も1日に4枚はマスクを取り換えるそうです。

ポイント2 

緑茶をこまめに飲んで、殺菌&潤い補給 

 風邪の予防には水うがいがおすすめですが、インフルエンザウイルスは比較的早期に気道に侵入するので、水うがいでは洗い流せない可能性があります。

近年、静岡県立大学薬学部・山田浩教授らが緑茶うがいでインフルエンザ予防効果が期待できるという研究報告を発表して話題になりました。

緑茶はカテキンの殺菌作用のほか、のどを潤すのにも役立ちます。

インフルエンザ予防のためには、水うがいの効果が否定されたことを考えると、1日3回の緑茶うがいではインフルエンザウイルスの侵入を防げない可能性があるので、大谷先生は患者さんの診察が終わる度に、約10分間隔で緑茶を飲んでいるそう。

緑茶うがいの大谷式変法だそうです。試す価値はあるかもしれません。

ポイント3 

歯磨きで口腔内を清潔にすることも大切! 

 歯磨きが不十分で口の中が不衛生だと、口腔内細菌がインフルエンザウイルスの気道への侵入と増殖を手助けする酵素であるプロテアーゼとノイラミニダーゼを作り出してしまいます。

食後や就寝前はフロスや歯間ブラシなども使用した丁寧な口腔ケアを心掛けて、インフルエンザウイルスが増殖しにくい環境を保つようにしましょう。

ポイント4 

唾液はのどの守護神!唾液が出にくいときは「のど飴」をなめて潤いキープ 

 風邪やインフルエンザを防ぐには、のどを潤す唾液が不可欠です。

唾液は加齢に伴い出にくくなりますが、唾液の分泌を促すには、ガムを噛んだり、トローチや飴をなめたりするのがおすすめです。

ただし、薬用トローチをなめた後にすぐ飲食すると有効成分が流れてしまうのでご注意を。

薬用ではないのど飴は処方量に制限がないので、普段から持ち歩き、こまめになめてのどの潤いをキープしましょう。

ポイント5 

加湿器や濡れタオルを干して室内の湿度を常に50~60%に 

 のどを乾燥させないためには、室内の湿度を保つことも大切です。

冬はエアコンで室内が乾燥しがちなので、加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干したりして、湿度が常に50~60%に保たれるようにしましょう。

ポイント6 

看病するときは2m離れ、背中越しに会話して飛沫感染を防ぐ! 

 家族が風邪やインフルエンザに感染したら、セキをしている家族にはできるだけ別室にこもってもらいましょう。

食事や会話をするときも、飛沫が飛んで来るのを避けるために2mは離れ、正面から向き合わず、肩越しや背中越しに話すようにしましょう。

ドアノブやスマホなども接触感染のリスクを高めます。

海外での実験データでは、インフルエンザウイルスは衣服だと15分ほどで活性が落ちましたが、金属は24時間以上、高い活性が維持されました。

ポイント7 

セキが出るときは「はちみつコーヒー」がおすすめ

風邪やインフルエンザのウイルスがのどから気道に入ってしまうと、異物を吐き出そうとセキが出ます。

セキが続いて辛いときは、コーヒーにはちみつを入れた

「はちみつコーヒー」がおすすめです。

コーヒーに含まれるカフェインには気管支拡張作用や抗炎症作用があり、1988年にイタリアで行われた調査ではコーヒーを1日3杯以上飲む人は、まったく飲まない人より喘息発症リスクが28%も低いという結果が出たそうです。

はちみつにも抗炎症作用や抗酸化作用があり、セキ止め薬よりも効果が高いという研究論文もあります。

ポイント8 

1日20分の日光浴で免疫力UP&風邪のひきはじめにプチ運動を!

 風邪やインフルエンザ予防のためには、免疫力も不可欠です。

日光浴をすると、UVB(紫外線B波)によってビタミンDが体内で合成されます。ビタミンDはキノコ類や魚介類にも多く含まれていますが、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症に役立つという論文発表が複数報告されています。

 

日本のほとんどの窓ガラスはUVBをカットするので、1日20分だけ屋外で日光浴してください。紫外線が気になる方は、通勤や買い物の際に手袋なしで外を歩くだけでOKです。

また、風邪のひきはじめに軽い運動をすると、幾つかの免疫細胞が活性化するといわれています。

高熱のときはNGですが、のどの軽い痛みや寒気、鼻水程度の初期症状のときなら20分ほど軽くウォーキングするのがおすすめ。

大谷先生は風邪のひきはじめに5分ほどプールで泳ぐそうです。

 

 

医師が指南。インフルエンザ予防は「乾燥対策」にあり!

 

【乾燥対策は必須! こまめな加湿でウイルス活性を予防】

 風邪やインフルエンザのウイルスは、気温が低く乾燥している環境では特に活発に増殖します。

一方、高温多湿の環境ではウイルスの生存率は一気に下がるので、インフルエンザが流行する時期には、暖房の温度を上げて加湿するとよいように考えがちです。

しかし、外気との温度差は大きくないほうがよいので、加湿を重視して、きちんと対策を取りましょう。

また、ウイルスは体の粘膜などいろいろな部分に侵入するので、特に侵入しやすい部分をこまめに潤して、乾燥を防ぐことがポイントです。

 

●加湿器で湿度50%を保って

 インフルエンザウイルスを同じ温度で、違う湿度に6時間置いたときの生存率を比較したデータによると、温度21~24℃で湿度20%の場合のウイルス生存率は60%、湿度50%の場合の生存率は3~5%でした。

この結果から、湿度が高いほうがウイルスの活性が落ちることが分かります。加湿器で加湿したり、なければぬらしたタオルを掛けるなどして、室内の加湿を心がけましょう。

(参考:「Suggestion to School Pharmacists to Utilize Absolute Humidity Parameter for Maintaining Air-Conditioning」)

 

●こまめに水分補給を

 気道粘膜の表面には、ウイルスなどの異物を排出する働きのある線毛があります。

のどの粘膜が乾燥気味だと、その線毛の動きが悪くなるため、ウイルスが侵入しやすくなります。30分置き、1時間置きなど時間を決めて水分をとるようにして、いつものどを潤しておくようにしましょう。

 

 

冬の必需品「加湿器」

カビを発生させるキケンな使い方はこの3つ!

 

 乾燥に悩まされるこれからの季節。加湿器は風邪やインフルエンザ予防に効果的なお役立ちアイテムだ。しかし間違った使い方をすると逆に病気につながりかねないという。11月27日放送の『教えてもらう前と後』では、間違った使い方をすると肺炎を招くきっかけにもなってしまうという3つのリスクを紹介。加湿器の正しい知識を身につけて、風邪やインフルエンザを予防しよう。

 

加湿器のカビで肺炎のリスク

 
 池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は「間違った加湿器の使い方をすると、蒸気の中に大量のカビが含まれてしまい、少量ずつ吸入することでアレルギー性の肺炎を発症する可能性があります」と警鐘を鳴らす。もしかしたらあなたも、カビが発生しやすい間違った使い方をしているかもしれない。大谷先生が教えてくれたNGポイントは3つ。

 

【その① 加湿器には浄水器を通した水はNG

 
 浄水器を通した水を使うと、タンクの水にカビが発生しやすいそうです。

でも、水道水には塩素が含まれているため、カビの繁殖を防ぐのに効果的。

これは取り扱い説明書にもしっかりと書かれているで、加湿器には水道水を使いましょう。

 

【その② 加湿器のタンクに水を継ぎ足すのはNG

 これも取扱説明書に書かれています。

水道水の塩素の殺菌力はどんどん弱まっていくので、カビの繁殖を防ぐためには1日1回新しい水道水を入れることが重要です。

水を取り替える時は、振り洗いを忘れずに!

これをしないとぬめりや水垢が付着し、カビが繁殖する原因になります。

 

【その③ 就寝時、加湿器をつけたままはNG

 
 喉のために加湿器をつけっぱなしにしている人。それは、肺炎を引き起こすカビを部屋中に増やすキケンな行為!とくに冬場の暖房は室温25℃前後で加湿器をつけっぱなしにすると、カビにとって繁殖しやすいベストな環境になってしまうそう。

そうならないためには、寝る時に加湿器とエアコンを両方オフに。これである程度の湿度が保て、カビの繁殖も防げる。

どうしても加湿器をつけて寝たい場合は、暖房もつけたままに。

空気を循環させれば、加湿しすぎるのを防げます。

 

実は不調の原因になる、やってはいけない「風邪対策」

 

 働く女性にとって、体調不良ほどやっかいなものはありません。

特にこの時季、気を付けたいのが「風邪」。

オフィスで"コホン"と咳をしようものなら「自己管理が行き届いていない」なんて白い目で見られてしまうことも。

本格的な風邪・インフルエンザのシーズンを迎えた今、対策としてすべきことは何なのでしょう。

熱っぽい、のどが痛む――。

そんなとき、すぐに疑うのが「風邪」です。

 

風邪対策とは、ウイルスや細菌を体内に入れないこと 

 風邪(風邪症候群)をひくと、せきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、微熱、頭痛、だるさといった症状があらわれるのは、みなさんもよくご存じだと思います。

感染の原因としては、80~90%が数百種類にも及ぶウイルスによるもの。

そして残りの10~20%が、細菌によるものとされています。

 

ウイルスや細菌が体内に侵入しようとするとき、トラップしてくれるのが鼻の「鼻毛」と喉の「扁桃腺」。さらに大切なのが咽頭の「線毛(せんもう)」です。

 

細かなひだは、ウイルスや細菌を押し出す最後の砦。この線毛の働きが悪いと、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎に代表される気管支炎や肺炎に感染してしまいます。

つまり風邪対策で大切なのは、ウイルスや細菌の体内への侵入を防ぐこと。大谷先生によれば、有効なのは以下の5つ。

 

1. 手洗いうがいは基本の「き」

2. 睡眠や食事など生活習慣に留意

3. インフルエンザワクチンの接種

4. のど飴などで喉を潤す

5. 加湿器を使って湿度を維持する

 

 

インフルエンザワクチンの接種により、発症率は半減し、重症化の可能性が8~9割軽減します。のど飴や加湿器で喉を潤すのは、適度な湿度は「線毛」のコンディションを整えてくれるからです。

 

線毛は、乾燥するとぺちゃんこになって機能しにくくなるのだそう。

ウイルスや細菌から守ってくれる最後の砦、いたわってあげたいですね。

 

ウイルスの繁殖をおさえる理想の環境は 「湿度50~60%」  

 ところで、どうして冬は風邪をひきやすいのでしょうか。それには、温度と湿度が大きく関わっているようです。

一般的にウイルスは、低温度・低湿度で繁殖するといわれています。

つまり、高温多湿の夏よりも冬のほうがウイルスが心地よいということ。

 

インフルエンザウイルスについて言えば、気温26℃以上、湿度50%以上で活性が著しく低下するという医学データがあります。

 

大谷先生は、風邪の予防にはとにかく加湿と強調します。

加湿器で50~60%の湿度を保てば、インフルエンザウイルスなどは元気をなくし、線毛のコンディションを保つダブルの効果が期待できるというわけです。

 

「ただし、加湿器にはメリット・デメリットがあります」と大谷先生。

メリットとは、もちろん加湿をしてくれること。

そして、問題視しなければいけないのが意外と知られていない「デメリット」です。

 

<知られていない加湿器のデメリット>

1.適正な湿度を維持するのが難しい加湿器の周りしか潤わない、もしくは湿度が高くなりすぎてカビが繁殖しやすくなってしまうことがあります。

2.部屋の湿度にムラができる加湿器の周りだけが潤い、部屋の隅はカラカラ。

部屋のあちこちに加湿器を置ければいいのですが、あまり現実的ではありません。

3.衛生面において不安がある水が残っているのにタンクに注ぎ足したり、タンクやフィルターの手入れを怠ったまま使ったりしていませんか?

 

 医師として、声高に言いたいのが加湿器の水は怖いということなんです。

加湿器内や使用する水が清潔でなければ、蒸気とともにバクテリアなどの細菌をまき散らしているのと同じ。

それを吸い込むことで、気管支炎や肺炎を引き起こす症例があとを絶ちません。

加湿器によるアレルギー性肺炎は、通称「加湿器肺(加湿器病)」と呼ばれるほど呼吸器科では常識だそうですが、一般的にはまだまだ知られていないのが現状。

大谷先生もそれを危惧しています。

 

風邪対策や美容、子供のぜんそくのために良かれと思って加湿器を使い続けることが、身体に悪影響を及ぼしていたなんてショックですね。

「そういえば、咳や微熱が続くなぁ」と感じることがあれば、それは風邪ではなく加湿器による不調ということもあり得るのです。

 

 

医療

中日新聞より 2018年3月27日

 

インフルで花粉症悪化も… のど粘膜ケアを

 

加湿器 水分補給 マスク あめ

 この冬は記録的な寒さとなり、インフルエンザが大流行した。ウイルス感染や乾燥でのどの粘膜が荒れてしまった人は、異物を排出しにくく、アレルギー症状が強く出たり、「せきぜんそく」や肺炎につながったりする恐れがある。専門家は「粘膜の荒れを鎮めるケアや、のどを鍛えるトレーニングを取り入れて」と呼び掛けている。(小中寿美)

 

 2月にインフルエンザB型にかかった東京都内の女性(22)は、初めて花粉症になった。鼻水や目のかゆみに加え、せきが続いて夜中に目が覚めるようになり、医療機関を受診。気管支ぜんそくの前段階とされる、せきぜんそくを併発していた。

 

 呼吸器内科が専門で池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さん(54)は「インフルにかかった影響で花粉症が顕在化した可能性もある」と推測する。インフルエンザの今シーズンの累積推計患者数は2000万人を突破。インフルと花粉のダブルパンチを受けている人は少なくないとみられる。

粘膜には、空気とともに吸い込んだ細菌などの異物を排出する役割がある。咽頭から気管支にかけての気道の内壁には、線毛と呼ばれる細かい毛がびっしり生え、表面は粘液で覆われている。気道に入った異物は粘液に捉えられ、線毛の波打つ動きに乗って外に押し戻されるが、空気の乾燥やインフルのダメージを受けると、この働きは低下する。

 

 「インフルエンザの影響で、アレルギー症状がひどくなる患者は多い」と大谷さん。風邪をひきやすくなったり、鼻水がのどの奥へ流れ落ちる「後鼻漏」を併発したりすることもある。

 粘膜の荒れを鎮めるには「のどを潤すことが大切」と大谷さん。対策としては加湿器を使い、湿度を50~60%に保つ。こまめな水分補給のほかマスクものどの保湿に役立つ。のどに痛みがある時はあめをなめる。唾液の分泌を促し、線毛の働きを高める効果がある。

 ほかに大谷さんが勧めるのがコーヒーにハチミツを入れて飲む方法。ハチミツは抗炎症作用、カフェインは気管支拡張作用が証明されており、せきの改善が期待できる。ただ「せきが2週間続く場合は、ぜんそくや肺炎が疑われるため医療機関を受診すべきだ」と話している。

 

誤嚥性肺炎 トレーニングで予防

 線毛の働きが低下し、異物を排出しにくくなって発症するリスクが高まるのが誤嚥(ごえん)性肺炎だ。食べ物を誤嚥して起こすイメージが強いが「雑菌の増えた唾液を就寝中に誤嚥することを繰り返す『隠れ誤嚥』も原因。このケースが実は多い」と大谷さんは指摘する。

 

空気の通り道と食べ物の通り道はのどで交差している。食べ物などをのみ込む時は「喉頭蓋(がい)」が気管にふたをするが、加齢でのどの筋力が衰えてくると、隙間ができて気管、肺へと進んでしまうことがある。40代以降にむせやすくなるのはこの衰えのためという。

 

 誤嚥性肺炎の予防には、「肺炎球菌ワクチンや口腔ケアが大切だが、『のどトレ』も加えて」と大谷さん。まず、のみ込む力が低下していないかチェックしてみよう。のど仏のやや上に人さし指を当てて、30秒間に唾を何回のみ込めるか数える。8回できれば問題ないが2回以下なら低下、3~7回でも注意が必要だ。

のど仏を動かす筋肉を鍛える「イィー体操」と「あごもちあげ体操」を同時にすると効果的=図。発声もほぼ同じ筋肉を使うためおしゃべりやカラオケもお勧め。

のど仏が上がりやすい高いキーの曲を歌うとより強化できる

 

 

「朝つけたマスクを帰りも…」は絶対ダメ!

インフルエンザ対策のカン違い

 

マスクの着け方と取り扱いが、予防効果を大きく分ける
―インフルエンザの予防は、よく「うがい、手洗い、マスク」といわれますが、これは正しいでしょうか?

大谷義夫医師(以下、大谷)「インフルエンザは飛沫感染と接触感染が主な感染ルートなので、
手洗いやマスクは有効です

 基本は手洗い。しっかり泡立てた石鹸で30秒ほどかけて手を洗ってください。タオルは各自に用意して、家族であっても共有しないでくださいね。使い捨て出来るペーパータオルもおすすめです。マスクも正しく装着していれば効果的なのですが、間違っていると予防効果は薄れてしまいます」

「正しいマスクの着け方」を教えてください。

マスクの着け方は、間違っている人がかなり多いそう!

大谷「まず、上辺のワイヤーを鼻にぴったりとフィットさせてください。次に、ワイヤー部を指で抑えたままヒモを両耳にかけ、マスクのヒダを広げてアゴの下まで覆います。

四辺すべてが肌に密着するように調整し、すき間がなければきちんと着けられています

 
 

マスクが大きければ、広い部分を覆えるので良いと思っていました。これは間違いですか?
大谷「インフルエンザウィルスは0.1マイクロととても微小。

マスクが顔のサイズに合っていないとすき間ができて、ウィルスが侵入しやすくなるので、『大きいほどいい』ということはありません。

きちんとフィットするサイズを選んでください」
 

そんなに小さいなら、マスクの繊維を通り抜けてしまわないのでしょうか?
大谷「その可能性は十分あります。ただ、
インフルエンザは空気感染しないので、例えマスクを通り抜けても感染にはつながりません。

咳やくしゃみによる飛沫には感染リスクがありますが、マスクをきちんと装着できていれば表面でカットできるので大丈夫です。
 とはいえ、マスク表面に着いたウィルスから接触感染を起こす可能性があるので、
マスクの表面に触れないように気をつけてください」

 

マスクの種類でおすすめのタイプなどはありますか?
大谷「最強は羽生結弦さんのマスク(※)です。

ただ、2万円近くするので現実的ではないですよね(笑)。

一般的に考えると、こまめに交換できる使い捨てタイプがおすすめです。

なお、紐を小指で引っ掛けて耳から外し、そのままゴミ箱へ捨てれば、マスクの表面に触れることなく処分できます。
 たまに『もったいないから』と、長時間使用したり、一度外したマスクを再び使ったりするかたがいますが、汚染されたマスクを着けることになるし、接触感染のリスクも高まるので、長時間の使用や再使用は避けてくださいね」

 

うがいはいかがですか?
大谷
水うがいに関しては、ここ数年で『インフルエンザウィルスに効果的ではない』とされましたインフルエンザウィルスは早期に気道内に侵入するため、20~30分おきにうがいできる環境でない限り、意味をなさないというのが理由です」

 

ヨード成分の入った「うがい薬」などを用いたらどうでしょうか?
大谷「喉に違和感があるなど症状の出ている時は効果がありますが、
予防として使うと、正常な菌まで殺してしまって逆効果になることがあります」

では、うがいをしても意味がないのでしょうか?
大谷「風邪に対してですが、『ヨード液うがい、水うがい、何もしない』でそれぞれ予防効果を比較したところ、水うがいがもっとも効果的だったとの研究データが公表されています。
水うがいはインフルエンザ予防には効果がありませんが、風邪予防には効果的なので、したほうがいいです。

 

インフルエンザ予防に効果的なうがい方法はありませんか?
大谷
お茶に含まれるカテキンの殺菌作用がインフルエンザウィルスに有効との研究結果が出ているため、お茶でのうがいは効果があるという説もあります。

とはいえ、こまめにうがいをするのはなかなか難しいので、私は10分おきくらいにお茶を飲むようにしています。

 カテキンの作用ももちろんですが、喉が潤うことで繊毛の活動がスムーズになってウィルスを排出しやすくなったり、ウィルスがお茶と一緒に胃に入って胃酸で死んだりと、発症を防ぐメリットも得られますよ」

 

家庭内感染のリスクを下げるポイントは「2メートル」

 

家族にインフルエンザ患者がいる場合、どうすれば感染を防げますか?
 

2メートル離れていればこんなことには…

 

大谷「いちばんは患者を隔離することですが、なかなかそうはいきませんよね。そのため、患者も家族もマスクを着用し、不必要に近づかないようにしましょう。

2メートルほど距離を取っていれば、咳やくしゃみからの飛沫感染をかなり防げます

 あとは前述の通り、こまめに手を洗い、タオルやマスクなどからの接触感染にも気をつけてくださいね。アルコールは接触感染のリスクを下げてくれるので、手荒れの心配がないかたなら、こまめに消毒するのもいいでしょう」

日常的にできるインフルエンザ予防法はありますか?
大谷「インフルエンザ
ウィルスは乾燥すると活発になるので、湿度は常に50~60%に保っておきましょう。また、こまめに水分補給をしたり、飴やガムなどで唾液を出したりして喉の乾燥を防ぐと、喉の免疫力が高まります。
 ビタミンDはインフルエンザに対する免疫力を高めてくれるので、
毎日30分ほど日光を浴びたり、マイタケや魚、ヨーグルトなどを意識的に摂取するのもおすすめです。
 あと、口腔内細菌が出すたんぱくが、気道に入ったインフルエンザウィルスの増殖を助けるため、
口腔ケアをしっかり行って、口腔内細菌を減らすことも大切です」

 いかがでしたか? インフルエンザ対策、意外とカン違いしていた人も多かったのではないでしょうか。インフルエンザの流行期間は4月までと言われています。正しい予防方法で、この時期を乗り切りましょう。

 

うがいは効果なし!?

家族を守るインフルエンザ予防・新5大習慣!

 

 予防接種以外に、家庭でできるインフルエンザ予防というと“手洗い、うがい”を思い浮かべるママ、パパは多いと思います。しかし近年、インフルエンザ予防にうがいが推奨されなくなったのをご存じですか。“正しい!”と思って、家族でしていた予防法が実は効果がないことも!

 

ドクターも実践!インフルエンザ予防5つの新習慣

 

1  手洗いは30秒以上、しっかりと! 拭くときはペーパータオルで  

 インフルエンザ予防の基本は、手洗いです。手を洗うときは、腕時計などははずして、手のひら、手の甲、指の間、爪の先、手首までしっかり洗いましょう。手を洗う時間は、30秒以上が目安です。

家族で手拭きタオルを共有しない!

また、インフルエンザは接触感染するので、インフルエンザの流行期は、家族で手拭タオルなどを共有するのはNG。手を拭くときは、使い捨てのペーパータオルが安心です。

2 うがいは効果なし! 

 インフルエンザ予防のために帰宅後、うがいをする方は少なくありませんが、うがいはインフルエンザにはあまり効果がないことがわかっています。理由は、帰宅してうがいをしても、喉の粘膜についたインフルエンザウイルスは、わずか数分で体内に侵入するからです。

こまめに緑茶でのどを潤す

うがいよりも効果的なのは、こまめに緑茶を飲むこと。緑茶に含まれるカテキンには、抗ウイルス作用があるので、10分おきを目安に1口、2口でよいので緑茶を飲んで喉を潤す習慣をつけましょう。

3 使い捨てマスクは、はずすたびに捨てる 

 マスクは、使い捨てマスクにしてください。インフルエンザウイルスは、接触感染するのでマスクは、一度はずしたら捨てるのがキホンです。マスクの表面には、ウイルスが付着しているので、はずしたり、捨てたりする際は、マスクの表面には触れずに、ゴムの部分を持ちましょう。その後は、手洗いを忘れずに。

またマスクは、鼻までしっかり覆うようにつけます。

つけたときに隙間ができるのは、サイズが合っていない証拠。インフルエンザの感染経路は接触感染と飛沫感染が重要ですが、最近では空気感染を示唆する報告もあります。マスクに隙間があるとウイルスが入り込み、感染することもあります。

4 インフルエンザ流行期の歯磨きは、14回が目安 

 インフルエンザ予防には、デンタルケアも効果的です。理由は、口腔内の細菌が出す酵素(ノイラミニダーゼ、プロテアーゼ)が多いと、細胞内に侵入したインフルエンザウイルスが増殖しやすくなるからです。そのためインフルエンザ流行期は、1日4回の歯磨きとデンタルフロスをするのがベター。

ある介護福祉施設で行われた研究では、こまめに口腔ケアをすると、インフルエンザの発症率は1/10に低減する報告もあります。

5 手を触れる場所は、こまめに消毒する 

 インフルエンザは、ものに触れる接触感染でうつりますが、とくに注意が必要なのが表面に凹凸が少ない金属類やプラスチック製のものです。

 

咳が2週間以上続いたらキケン!

長引く咳の対処法

 

 咳が続くと、体力を消耗し眠れないこともあるため、心身ともに疲弊し、とてもつらく感じます。重大な病気の可能性もあるため、長引く咳を放っておくのはとても危険です。

 

咳が出るメカニズムと咳の種類

 咳は、大きく分けて「風邪による咳」と「それ以外の病気による咳」の2種類あり、原因も対処法も異なります。ここではそれぞれどのような特徴があるのか紹介します。

 

咳が出る理由 

 咳とは、体内に入った異物に対する防御反応です。人は鼻や口から空気を取り込んで呼吸をしていますが、その中にはホコリや花粉、タバコの煙、ウイルス、細菌、真菌(カビ)など、さまざまな異物が混ざっています。鼻や口から体内に入った異物を排出するために咳が出るのです。
 
ただのホコリであれば咳をすることで体外に出ていきますが、ウイルスや細菌などの場合、咳をしても体外に出ていかず、体内に残る場合もあります。すると、のどに張り付いたウイルスや細菌が炎症を起こして、さらに咳が悪化してしまいます。

 

「風邪による咳」と「それ以外の病気による咳」の見分け方 

 咳の原因には大きく分けて、風邪と風邪以外の場合の2種類があります。それぞれの特徴と見分け方について解説します。

風邪の場合 

 ウイルスや細菌によって起こる風邪が原因となる咳は、ウイルスや細菌が消滅するとおさまるため、通常2週間以内に治ります

風邪以外が原因の場合 

 2週間以上咳が続く場合、「風邪ではない」と疑う必要があるでしょう。
 風邪とは原因や患部が異なり、重大な病気の可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。

 

長引く咳から考えられる4つの病気 

 咳が2週間以上長引く場合、風邪以外の病気の可能性があります。ここでは可能性が高い4つの病気について解説します。

1咳ぜんそく 

 咳ぜんそくとは、気道(下気道)が刺激に対して敏感になり、2週間以上、慢性的に咳が続く病気です。気道に炎症が起こると粘膜が敏感になり、温度差や湯気、香りなど、普段は反応しないようなちょっとした刺激にも反応して咳が出てしまいます。
 
風邪がきっかけで、咳ぜんそくに移行するケースが多いといわれています。特に、花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー素因を持っている人に多く起こります。ストレスを感じたり、お酒を飲んだ時に症状が強く表れることもあります。胸の深いところから起こる咳が特徴です。
 
咳ぜんそくを放置した場合およそ3割の人が気管支ぜんそくに移行するといわれています。咳がいつもより長引いていると感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

2気管支ぜんそく 

 気管支ぜんそくは、咳ぜんそくのように気道が刺激に敏感になって咳が出るだけでなく、炎症状態が慢性化し、気道の狭窄(きょうさく)を引き起こしてしまう病気のことです。呼吸をする際に、「ゼーゼーヒューヒュー」という異音がします。
 
咳ぜんそくと同様、アレルギーやウイルスによる気道の炎症が原因ですが、咳が悪化するとともに気道の内壁がむくんで厚くなり、空気の通り道がだんだん細くなっていきます。すると、呼吸がスムーズにできなくなり、咳が出たときに呼吸困難を引き起こすこともあります。
 
命に係わることも多いため、早めに受診する必要があります。 

3後鼻漏(こうびろう) 

 後鼻漏は、通常は鼻から出ていくはずの鼻水が、のどに流れ込んでしまう状態のことを指します。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(ふくびくうえん)などによって大量に鼻水が発生すると、鼻腔の構造や鼻水の発生位置などによって鼻水がのどの方へ流れ込んでしまいます。

大量の鼻水が痰と勘違いされやすく、鼻水がのどに引っかかることで咳きこみます。夜、寝るために布団に横になった時に激しい咳が起こることが特徴です。
 
口臭の原因になったり、味覚障害を引き起こしたりする場合もあり、重症になると食事や睡眠などの日常生活だけでなく対人関係にまで影響を及ぼすことがあります。

4逆流性食道炎 

 健康な人の場合、胃液が食道に逆流しないように食道と胃のつなぎ目にある筋肉「下部食道括約筋」が働いています。

しかし、加齢などで筋力が低下すると、下部食道括約筋がゆるんで胃液や胃の内容物が逆流します。これにより食道粘膜が胃酸にさらされて炎症を起こし、逆流性食道炎になってしまいます。

上がってきた胃液がのどや気管支を刺激し、炎症を起こして咳を誘発するほか、胃液が口まで上がってきてゲップがでる「呑酸(どんさん)」という症状が現れることもあります。咳やゲップが頻繁に続くことで、吐いてしまうこともあります。

 

咳が重症化すると発症する可能性がある危険な病気 

 2週間以上咳が続く場合は風邪以外の病気の可能性があります。なかでも重症化すると危険とされているのが、日本人の死因で3番目に多いともいわれる「肺炎」です。

肺炎は風邪とは異なり“咳とともに38.5度以上の高熱が出る”という症状を見分ける目安があります。しかし、免疫システムが低下している高齢者の場合は、身体の防御反応が弱く、熱が出たとしても38.5度以上には到達しないため、肺炎と気づかないケースも少なくありません

2週間以上咳が止まらず、身体の不調を感じるようであれば、肺炎を疑って病院へ行きましょう。

 

肺炎とは 

肺炎とは、ウイルスや細菌の感染、あるいはアレルギーが肺にまで及び炎症を起こす病気のことを指します。

風邪のように上気道までの炎症であれば、免疫システムによって2週間ほどでウイルスが消滅して治りますが、炎症が気管や肺などの下気道まで及んでしまうと、病原体を外に排出する力が弱まり、治りにくくなってしまいます。

主な症状は、咳や熱などですが、処置を怠り、ただの風邪だと思って放っておくと、肺炎が進行して最悪の場合は死に至るケースもある恐ろしい病気です。

 

特にシニア世代がかかりやすいといわれる肺炎には、次の2つのタイプがあります。

 

誤嚥(ごえん)性肺炎 

「誤嚥」とは、食べ物や飲み物、唾液などが気管に入ってしまうことです。また、「誤嚥性肺炎」は誤嚥に混じっていたウイルスや細菌によって気管を通して肺が炎症を引き起こす病気のことを指します。

誤嚥性肺炎は、高齢者に最も多い肺炎で、65歳以上の肺炎の7割以上を占めています。

細菌やウイルスによる肺炎 

 高齢者は、免疫システムが低下しているため、風邪やインフルエンザにかかりやすく、重症化しやすいという特徴があります。特にインフルエンザウイルスは強力で、下気道や肺にまで達すると、肺炎に直結してしまうことも少なくありません。
  また、
空気中に普通に存在し、肺炎の原因菌として最ももいわれる肺炎球菌にも注意が必要です。通常はあまり強力な細菌ではありませんが、高齢者の場合は免疫システムの低下により気管支や肺への侵入を許し、炎症を悪化させてしまうことがあります。

 

咳の一時的な対処法と予防法 

 

 咳の症状が続いて睡眠や日常生活に支障をきたすような場合は、できるだけ早く医療機関で受診し、治療を受けましょう。ここでは病院に行くまでの一時的な対処法や、咳を引き起こす前にできる予防法について紹介します。

 

咳の一時的な対処法 

 一般的に、1回咳をすると、2kcalのエネルギーを消費するとされています。つまり、100回咳をすれば200kcal、運動で換算すると軽いジョギングを30分行った時と同等のエネルギーを消費することになります。こうしたつらい咳を少しでも鎮めたいときの対処法を紹介します。 

のど飴をなめる

 咳のしすぎでのどがイガイガするときや、痛みを感じるときに有効なのがのど飴です。唾液の分泌を促すことで気道にある繊毛の働きを高め、咳を引き起こしているウイルスや細菌を体外に排出するのを助けてくれます。

「コーヒー+はちみつ」ドリンクを飲む

 コーヒーに含まれるカフェインには、気管支を拡張する作用や抗炎症作用があります。1980年代にイタリアで行われた調査では、コーヒーを1日3杯以上飲む人は、全く飲まない人に比べてぜんそくの発症リスクが28%も低いという結果が出たとのこと。また、はちみつにも抗炎症作用が期待できるため、コーヒーにプラスしてもよいでしょう。

 

咳の予防法 

 咳の症状の発症をおさえるために、普段からできる簡単な予防法をご紹介します。

手洗い+水うがいをする

 風邪の原因となる病原体を気道に入れないようにするために、手洗い・うがいを習慣化しましょう。

風邪をひいているときにはうがい薬を処方されることがありますが、風邪をひいていないときの、普段のうがいは水で行うようにしましょう。うがい薬は殺菌力が強すぎて、身体にとって必要な細菌まで殺してしまい、身体の免疫機能が低下してしまう可能性があります。

こまめに部屋を掃除する

 咳の原因となるアレルギー対策のためには、こまめな掃除が必要です。ハウスダストやホコリにはさまざまなアレルゲンが混ざっているからです。また、空気中に舞い上がったハウスダストは掃除機で除去できないので、空気清浄機を活用するとよいでしょう。

部屋を加湿する

 ウイルスは乾燥していると活性化する性質があります、そのため、加湿器などを利用して部屋の湿度を保つことが有効になります。

睡眠は最低7時間以上とる

 睡眠不足が続くと体力や免疫システムが低下し、風邪のウイルスを防ぎにくくなるため、咳の原因となる病気を引き起こしやすくなります。

また疲労が蓄積することで、一度起こった気道の炎症がなかなか治らず、咳が長期化する可能性もあります。

 

咳と睡眠の関係について

 2007年から2011年にかけてアメリカのカリフォルニア大学が実施した研究によると、1日の睡眠時間が7時間以上ある場合に比べ、6時間未満の場合は風邪にかかるリスクが4.2倍に、5時間未満の場合は4.5倍になることが分かっています。

睡眠時間は7時間以上確保するのが理想的です

 

軽めの運動を習慣づける

 咳ぜんそくやアレルギー性の咳が出る人は、急に激しい運動をすると咳発作のきっかけになってしまう場合があります。普段から軽めの運動を行うことを習慣づけましょう。

特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、身体の中の免疫細胞を活性化させるという研究データもあるので、風邪や咳の予防にも効果的です。

 

咳で病院を受診するときの注意点

「ただの咳」と思っていても、実は重大な病気が潜んでいる可能性もあります。ここでは受診すべきかどうかの判断基準とかかるべき医療機関、問診時に伝えたほうがよいことをご紹介します。

 

医療機関にかかるかどうかの判断基準 

 いつもより咳が長引くなど、咳の症状に違和感を覚えたら、早めに医療機関で受診してください。

 

2週間以上咳が続くとき

 通常の風邪であれば、ウイルスは2週間以内に消滅し咳も治まります。そのため、2週間以上にわたって咳が続く場合は、風邪以外の原因が考えられます。

咳ぜんそくの場合、気づかずに処置しないまま過ごしていると悪化して気管支ぜんそくに移行し、命に係わる場合もあるため、早期の受診が必要です。

眠れないほど激しい咳のとき

 普段の風邪のパターンに比べて、咳き込み方や頻度に異変を感じたら受診すべきといえるでしょう。特に眠れないほどひどい咳であれば、一般的な風邪とは考えにくいので、診察を受けましょう。

 

何科へ行くべきか? 

 「咳といえば風邪」と真っ先に内科に行きがちですが、内科とひと口にいってもさまざまな専門分野があり、症状を適切に見極めるのが難しいケースがあります。

咳の症状で悩んだときは、可能であれば、呼吸器内科を選ぶようにしてください。咳の症状を多角的に診察できます。

 

問診時に伝えること

病院へ行く前に、自分自身で症状をあらかじめチェックしておくとスムーズに診察が進みます。医療機関にかかる際は、下記の項目を押さえておくとよいでしょう。

 

・咳はいつから出るようになったか

・どういうときに咳が出るか

・痰は出るか

・胸焼け、むせる感じはあるか

・鼻水はあるか、鼻水に色がついているか

・アレルギーはあるか

 

大谷先生によると、近年、風邪以外の咳症状を訴える人は増えているそうです。放置すると症状が悪化したり、さまざまな病気を併発したりすることもあります。

「いつもの咳と違う」と違和感を覚えたら、早めに医療機関にかかるようにしましょう。

花粉症の季節がやってきました。今年は、雨が少なく、乾燥しているため、花粉が予想以上に飛散するかもしれません。花粉症のある方は、インフルエンザと共に注意が必要です。