自宅療養「水飲んで 酸素測って 栄養も」大阪4波教訓

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年8月10日 17時00分

    

 大阪府や兵庫県では新型コロナウイルスの「第4波」で、自宅療養者の死亡が相次いだ。自宅療養者は全国で約4万5千人(4日時点)と、1週間前の2倍以上に急増している。自分や家族が自宅療養になったら、命を守るため何に注意すればよいのか。第4波の大阪などでの自宅療養者の死亡を受け、訪問診療のマニュアルを作った在宅医らの社団法人「日本在宅ケアアライアンス」理事長の新田國夫医師に聞いた。

 第4波の大阪では、病床が逼迫(ひっぱく)して入院が難しくなり、ピーク時で約1万5千人が自宅療養をした。保健所の連絡が滞るなどして、事実上の「自宅放置」状態で亡くなったり、病状が悪化したりする患者も出た。大阪府でも再び自宅療養者が急増し、厚生労働省によると3800人超(4日時点)と1週間前の2倍以上になっている。

 日本在宅ケアアライアンスは第4波の大阪などで自宅療養者の死亡が相次いだことを受け、コロナ患者を訪問診療するマニュアルを5月に作成し、訪問診療医らに周知を図っている。理事長の新田医師は「第4波のような『医療の空白』を絶対にうんではいけない」と強調する。

 マニュアルには「心・腎疾患がなければ1日1500ミリリットル程度の水分摂取を目標とする」「パルスオキシメーターを貸与し、1日3回以上、酸素飽和度を測定してもらう」などと盛り込んだ。

 水分について、新田医師は「新型コロナウイルスは血栓ができやすい病気のため、心臓や腎臓に疾患がなければ1日1・5リットルを目安にしっかり取ることが必要だ」とアドバイスする。

 

発熱が長引くことも多いため、解熱剤をしっかり服用して栄養をとり、体力の消耗を防ぐと良いという。

 

 新田医師はまた、「新型コロナは本人の自覚症状がないまま、悪化することもある」と指摘。このため、血液中に酸素がどれぐらいあるかを指に挟んで測る機器「パルスオキシメーター」が自治体から貸与された場合などは、1日3回を目安に測定測定時はマニキュアはとっておく。指の皮膚の上から光を当てて測定するが、マニキュアが光を反射して数値が不正確になる恐れがある。96%以上が正常値とされ、低い場合は保健所やかかりつけの訪問診療医に相談する。喫煙者は正常値にばらつきがある

 

新型コロナは発症の4~5日後に急速に悪化するケースが多く、この時期も特に注意が必要という。

 

 厚生労働省も、自宅療養中の緊急性が高い症状として、唇が紫色になっている▽胸の痛みがある▽少し動くと息苦しい▽ぼんやりしているなど13項目を公表し、該当する場合は保健所などの自治体窓口にすぐに連絡するよう求めている。

 

 さらに、自宅に家族がいれば、家庭内感染を防ぐ必要もある

新田医師によると、患者と家族の部屋を分ける▽食事は別にとる▽家の窓を開けてしっかり換気する▽風呂は患者が最後に入る▽家の中でもマスクをする、といった注意も必要という。

 

 一方、自宅療養者の命を守るには患者側の注意だけではなく、訪問診療などで医療を届ける態勢の整備も必要となる。新田医師は「現在は全国的に保健所だけで自宅療養者に対応している地域が多いが、自宅療養者の健康観察や訪問診療、オンライン診療に地元医療機関をもっと活用すべきだ」と訴える。(長富由希子)

 

 

コロナ自宅療養急増 注意点は 酸素濃度正しく測定を

産経新聞より抜粋

2021年8月11日 21時31分 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、自宅療養者の数が増え続けている。

 都内では7月1日時点で1006人だった自宅療養者は約1カ月後の同31日に1万人を突破。今月11日現在で1万9千人を超えた。全国でも4万5千人(4日時点)を上回っている。コロナ感染者は軽症でも容体が急変するケースがあり、とりわけ自宅療養では、患者本人や同居する家族らが重症化の前兆などを正しく理解しておく必要がある。

保健所の負担軽減のため、自宅療養者の経過観察を行う東京都の「自宅療養者フォローアップセンター」。1日あたりの経過観察件数は、4回目の緊急事態宣言が適用された先月12日は890人だったが、今月上旬には4千人近くに。4倍を上回る件数に膨れ上がっている。民間委託で保健所を補助する役割のセンターだが、感染拡大により対応が逼迫し「ピークが見えず人手が追いつかない」(担当者)。100人体制で健康観察などにあたっているが、返信が翌日以降になることも多いという。

厚生労働省によると、自宅療養は医師による感染の診断後、医療機関が管轄の保健所と患者情報を共有し、保健所が家族構成や重症化の恐れなどを検討した上で決定される。このため、感染者は保健所から電話があった場合は症状や家族構成を正確に伝える必要がある。

自宅での療養が始まると保健所などから定期的に経過観察の連絡があり、自身の体調を報告する。中でも症状を客観的に判断するために重要なのは、保健所などから配布されるパルスオキシメーターで測定した血中酸素飽和度の数値だ。日本呼吸器学会によると、標準値は96~99% とされ、90% を下回ると呼吸不全の状態となっている可能性がある

保健所の担当者は93%を下回ったら トイレに行くのも苦しくなってくる。無理をせず救急車を呼んでほしい」と呼びかける。

神奈川県の担当者はパルスオキシメーターについて「正しく使用しなければ異常値が出ることもある」と指摘。「座った状態で指を机に置き、動かさずに測定してほしい。手足が冷えている状態やむくみ、爪の変色があれば正しく測定できない場合がある」と注意を促す。

一方、厚生労働省は重症化の前兆となる緊急性の高い症状を自分でチェックできるリストを公表している。「顔色が明らかに悪い」「唇が紫色になっている」など13項目あり、1つでも該当する場合には「定期的な連絡を待たず、各自治体が設ける窓口へただちに連絡してほしい」(厚労省の担当者)としている。

このほか家庭内感染を防ぐために役立つのは、東京都がホームページ上で公開している「自宅療養者向けハンドブック」だ。感染者と部屋を分けるといった基本的な対策のほか、汚れた感染者の衣類やシーツは80度のお湯に10分以上つけてから通常の洗濯を行う▽感染者の体を拭いたり体液に触れたりする可能性がある際は、使い捨てのエプロンや大きめのごみ袋を身につける▽感染者が使用したティッシュや看護に使用したものは密閉して捨てる-など、同居人が取るべき対策も細かく列挙している。

 

 

 全国で新たに6277人が感染 前週比マイナス41%、減少傾向続く 

医療サイト 朝日新聞アピタルより抜粋

2021年9月14日 23時38分

  出典:「国内で判明した感染者 9月14日午後8時現在」朝日新聞

 

 新型コロナウイルスの国内感染者は14日、午後8時現在で新たに6277人が確認された。前週の同じ火曜日と比べて41%減り、全国的に減少傾向が続いている。

 東京都の感染者は1004人で、前週の火曜日から625人減少。前の週の同じ曜日を23日連続で下回った。

大阪府では942人の感染が確認され、2日連続で1千人を下回った。

 また、都は14日、宿泊療養中だった60代男性が死亡したと発表した。都内では新型コロナの感染が広まった昨春以降、約6万6千人の宿泊療養者を受け入れたが、亡くなったのは初めてという。

 都によると、男性は13日夕方にホテルに入所。倦怠(けんたい)感があったものの体温は36・5度で血中酸素飽和度は99%だったことから、軽症と判断された。14日午前中に、ふらつく症状が出たため、医師によるリモート診断で入院する方針が決まったが、同日昼過ぎに部屋で倒れているのを看護師が発見し、搬送先の病院で死亡が確認された。基礎疾患はなかったとみられている。

 埼玉県は14日、自宅療養中だった県内在住の40代の女性が死亡したと発表した。県の宿泊・自宅療養者支援センターの看護師が毎日、健康観察の電話を入れていたが、8月30日に容体が急変。家族が119番通報したが、救急車が到着した時には心肺停止状態だったという。県によると、自宅療養者の死亡は8人となった。

 

 

 ノーベル賞の本庶さんらコロナ対策提言 PCR検査の拡大など求める 

医療サイト 朝日新聞アピタルより抜粋

2021年9月3日 22時28分

オンラインで会見する本所佑・京都大特別教授 2021.9.3 午後3時2分、

霞が関、市野塊撮影

 

 2018年にノーベル医学生理学賞を受けた本所佑(たすく)・京都大特別教授らが3日、厚生労働省で記者会見し、新型コロナウイルス対策について提言した。オンラインで参加した本庶さんは「政府の総力を挙げた取り組みでも、残念ながら収束という光が見えていない」と指摘した。

 提言をまとめたのは、本庶さんが委員長を務め、医療問題の解決策を提言する「21世紀医療フォーラム」。横倉義武・前日本医師会長や幸田正孝・元厚労事務次官らが名を連ねた。自宅療養の解消やさらなるPCR検査の拡大、新しい治療薬の活用などを求めた。

 本庶さんは、自宅療養者について「十分な治療がないまま放置されている状況がある。この中から悲しいことに死亡者が出ている、ゆゆしき問題だ」と指摘。特にデルタ株では家庭内感染や外出による感染の広がりを招くとして、宿泊施設の借り上げなどで臨時の医療機関をつくって対応するべきだとした。

 また、感染対策の基本は「感染者の発見、隔離、治療」だとし、民間検査なども活用して、空港や駅、公共施設などでPCR検査をできるようにすることも提案。「これが抜けていれば感染者のクラスター追跡も破綻(はたん)する」と話した。(市野塊)

 

 

 20歳未満の感染者、1ヵ月弱で8割増  新型コロナ「第5波」で 

医療サイト 朝日新聞アピタルより抜粋

2021年9月1日 22時00分

 新型コロナウイルスの「第5波」では20歳未満の感染が急増している。感染増加が顕著となってきた7月28日と4週間後の8月25日の累計感染者数を比べると、全体では51%増だったのに対し、20歳未満は約8割増えていた。

 厚生労働省の資料をもとに朝日新聞が集計した。

各年代の増加率をみると、10歳未満が87%増と最も多く、次いで10代の79%増、20代の64%増など。ワクチン接種の進む高齢者は60代が24%増、70代以上は10%台にとどまる。

 感染者の増加数は20代が約13万人と最多、30代(約8万人)、40代(約7万2千人)と続き、10代が約5万4千人と50代の約5万2千人を上回った。10歳未満は約2万7千人。一方、20歳未満の死亡者はおらず、重症者は10代の1人。

 子どもはコロナに感染しにくいとされてきたが、感染力の強い変異株「デルタ株」に置き換わったことが影響しているとみられる。学校や家庭内、保育所などでのクラスター(感染者集団)の報告も増えている。

 ワクチン接種も進んでいない。20代未満(ワクチン対象の12歳以上)で2回接種を終えた割合は、都内では渋谷区のように3割を超えるところもあるが、1桁のところが目立つ。

 子どもの感染増について、厚労省の専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「親やきょうだいからの家庭内感染が多い」と話す。「教職員から子どもへの感染も多いので、教職員の感染予防への理解が重要になる。ワクチン接種は教職員だけでなく、打てる世代(の子ども)はしっかり進めて欲しい」と述べた。(石塚広志)

 

 

自宅療養中に容体急変で死亡、基礎疾患あった70代男性

2021年8月25日 22時01分

 埼玉県は25日、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中だった県内の70代男性が死亡したと発表した。県によると、8月中旬に陽性が判明し、軽症と判断されたため、自宅療養をしていた。23日に容体が急変し、同日、搬送先の病院で死亡が確認された。男性には基礎疾患があったという。

 県によると、県が外部委託している「宿泊・自宅療養者支援センター」が17~23日に1日4回の自動架電で健康観察をしていたが、男性から応答はなかったという。23日に容体が急変したため、同居家族が119番通報した。県は、病院で死亡が確認されていることから「自宅療養死」としてみていない。

 支援センターは、自動架電に丸1日応答がなかった場合、翌日に感染者に直接電話をかけ、それでも応答がない場合は保健所に連絡して確認をしてもらうことになっている。ただ、センターは直接電話をしておらず、保健所への電話もなかったという。

 県は「感染の急増でセンターの手が回っていなかった」としている。22日までは同居家族が生存を確認しており、容体は悪化していなかったという。今後、新規の自宅療養者の健康観察については、一時的に保健所に委ねるという。(贄川俊)


 

 

子どもを脅かすデルタ株 2学期目前、もし症状出たら?

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年8月21日 7時00分

 出典:「全国の1週間ごとの新規感染者数の推移(年代別)」厚生労働省

 

 強い感染力を持つ変異株「デルタ株」の波はとうとう子どもたちを脅かすようになった。多くの地域で夏休み明けは目前だ。感染対策をどうすればよいのか、症例を間近にみてきた専門家に聞いた。

 子どもは家庭内感染がほとんどで、その傾向は変わっていない。ただ、聖マリアンナ医科大の勝田友博准教授(小児科)は「様相が変わってきている印象だ」と指摘する。「これまでは父親が家庭に感染を持ち込むのが典型的だったが、10代の子どもから家族全員に広がったケースも複数回あった」

 日本小児科学会のデータベースに寄せられた事例を解析すると、保育所での感染が6月までは全体の6%ほどだったのが、7月以降は9%ほどに高まったという。夏休みが明ければ、学校での感染も起こりやすくなる可能性がある。

 新潟大の斎藤昭彦教授(小児感染症学)は、「子どもの心身の健全な発達のために学校生活は止まることがないようにしてほしい」としたうえで、改めて感染対策の徹底を訴える。

 具体的には、不織布マスクの適切な着用「ウレタンや布製などでは不織布に比べ感染リスクが高い。鼻が出てしまっている場面も見かける」。手指衛生の徹底の呼びかけも改めて必要で、周囲の大人が感染源にならないように、家族や教職員のワクチン接種も完了させてほしいという。

 「新しい症状やいつもと違う様子に気づいたら、無理して学校に行かないようにしてほしい」とも話す。子どもの場合、感染しても無症状かごく軽症の例が多く、それがきっかけで学校や保育所・幼稚園で感染が広がる事例がこれまで各地で見られている。

 また、「個人的な意見」として、「課外活動は一定期間、活動を見直す必要がある」という。

人同士が接触するスポーツや、合唱や吹奏楽など飛沫(ひまつ)が飛ぶ場面がある課外活動で集団感染が報告されている。

「感染の波を可能な限り下げるために、これまでと同じ活動をあきらめなくてはいけない場面もある」

 日本小児科医会の神川晃会長は、夏休み明けには中学校や高校で爆発的にクラスターが発生するのではないかと懸念する。「子どもから親への感染によって、家族全員が感染するケースも見られる。これまでは少なかった子ども同士の感染がデルタ株によって起こりうるようになり、熱を出す子や肺炎を起こす子が増えているとの報告がある」

 子どもは、新型コロナ以外の感染症にもかかりやすく、せきや発熱などの症状が出ることも多い。

 こうした症状が出たら、まずは、かかりつけ医や近所の小児科に電話して、対応を確認する。すべての小児科が検査に対応しているわけではない。検査ができなくても、医師が検査を必要と判断すれば、医師を通じて住まいの近くのPCRセンターの予約ができる。かかりつけ医がいなければ、自治体のコールセンターで、検査ができる医療機関を紹介してもらえる。(熊井洋美、後藤一也、編集委員・田村建二)

 



 

中等症、医師「人生で一番苦しい」 一般認識とギャップ

朝日新聞アピタルより抜粋

2021年8月5日 17時30分

 

 軽症は「かぜ」、中等症は「息苦しさは出そう」、重症なら「入院は必要だろう」。新型コロナウイルス感染症の症状に、こんなイメージを抱いていないだろうか。だが、実際にはこんなに甘くない。それを端的に描いた一枚のスライドが反響を呼んでいる。スライドをつくった米ジョージタウン大学内科助教の安川康介さんに作成の意図を聞いた。

      コロナの病状について、一般の人と医者との認識のギャップを描いた安川康介さんのスライド

 

――このスライドをなぜつくろうと思ったのですか。

 重症者や死者の人数は毎日のように報道されますが、中等症は、数字として見えづらい。でも、30~40代の感染者ではそれなりの割合になり、病状もつらい。私も肺炎になって苦しんでいる30~40代の患者さんをたくさん診てきました。

 このあたりが、一般の人に正確に理解されていないのではないかと思いました。

 新型コロナウイルスの正確な情報を届ける「こびナビ(CoV-Navi)」という団体で、幹事をしています。そこで、「日本では重症者が少ないから、ワクチンはいらないんじゃないか」というコメントをいただきます。

 東京都の重症者は4日時点で115人と報道されています。人口規模から考えたら、確かに、たいしたことはなさそうですよね。

 でも、東京都の重症者の基準は、米国では重症より重い「重篤(クリティカル)」にあてはまります。

 米国の重症に近いのは、日本でいう「中等症2」です。

「ワクチンの重症化を防ぐ効果」という際の「重症」も、日本の「中等症2」と「重症」を含めたものに近い定義です。

 

  中等症2 は、血中の酸素飽和度が93%以下になり、酸素投与が必要です

それより軽い「 中等症1 」は、酸素飽和度が96%未満で、肺炎があり、つらい状態です

 

健康な人の酸素飽和度はだいたい96%以上です。

 

――7月20日にツイートし、10日間で1400万超の人が目にしました。

 みなさんが知っていることなら、これだけの反響はないと思います。

 ただ、反響があったこと自体に問題意識を持ちました。新型コロナと1年半以上つきあってきて、医者にとって当たり前のことが、伝わっていなかったわけですから。

 

――想定外でしたか。

 スライドは数十分ほどでつくりましたが、こんなに反響があるとは思いませんでした。

 

苦しさがなくても要注意

 

――医者がイメージする中等症は「人工呼吸器はいらない・肺炎は広がっている・多くの人にとって人生で一番苦しい」と書いています。

 新型コロナでは、せき、発熱だけでなく、嘔吐(おうと)や下痢などの消化器症状、味覚障害、嗅覚(きゅうかく)障害など、色々な症状があります。しかも、インフルエンザなどと比べ、長く続くことが多い。

 症状が苦しい、重いというだけでなく、それが続くということがあるので、そう書きました。

 ただ、問題があります。

 血中の酸素飽和度が下がっているのに苦しさを感じない「サイレント・ハイポキシア(サイレント低酸素血症)」の人もいます。苦しくはなくても、放っておけば、亡くなってしまいます。

 症状ばかりに焦点が当たると、このことが抜け落ちてしまい、伝え方は難しいと感じています。

 サイレント・ハイポキシアは、パルスオキシメーターで、酸素飽和度を測らないとわかりません。酸素飽和度が下がっていたことに気付かず、亡くなった人もいると思います。

 基本的に酸素飽和度は90%以上ないと、重要な臓器に酸素が十分届きません。90%以下が続けば、亡くなってしまう危険があります。

 さらに、新型コロナは、症状の進みが速いことがあり、いつどうなるかわからない不安がある厄介な病気です。いま中等症でも、次の日には、肺炎が進んで重症になっていることがあります。

 

中等症2 40~50代で1割

 

――感染した人のうちのどのくらいが、中等症になるのでしょうか。

 全国データはないようですが、大分県では、中等症2以上になった30代は25人に1人、40代、50代では10人に1人です。

 高知県でも、30代で中等症4%、40代で中等症11%、重症1%という、だいたい同じようなデータがでています。

 

――和歌山県のデータをみると、春に変異株(アルファ株)に感染し、肺炎になった人は20代で28%、30代で47%でした。かなり高いと感じました。

 新型コロナは、すごく肺炎を起こしやすい。ある程度、息苦しさがある人では、CTを撮れば、だいたい肺炎があると思います。

 もちろん、肺炎になっても、せきがでるぐらいですむ人もいます。一方で、肺炎にならず、本当に無症状ですむ人もいます。全員が全員、苦しくなるというわけではありません。

 ただ、「自分は大丈夫」と思っていても、つらい軽症、かなり苦しい中等症になる人は、確実にいます。この点を伝えていかないといけないと思います。

 中等症になった俳優の石井正則さんがコロナの中等症になった体験をユーチューブで詳細に話しています(https://youtu.be/aAP2WiugZvk)。とても参考になると思います。

 

――ただ、数で見れば、無症状やかぜのような症状ですむ人は多いわけですね。

 そうした人から感染が広がる可能性がある点が、本当に怖いところです。ここまで感染が広がっている理由の一つでもあります。そして自分は軽い症状で済んだとしても、うつしてしまった相手が亡くなってしまうこともあります。

 また、症状が多彩であることが、医療現場では悩ましいところです。米国で感染者が多かったとき、下痢だけで受診した人が検査をしたらコロナ陽性、せきが全くないけれども脳梗塞(こうそく)で運ばれてきた人がコロナ陽性、血栓ができて検査したらコロナ陽性ということがありました。

 

基本的な感染対策の徹底を

 

――日本では、東京を中心にかつてないペースで感染者が増えています。現状をどう見ていますか。

 検査の陽性率が東京では20%に達し、検査で捉え切れていない感染者がかなりいると思います。感染者の数だけでなく、年齢層、陽性率などを見て、全体を考える必要があります。

 このまま増え、入院できない人が出てくると、年代が若くても亡くなる人は増えてきます。

 ただ、幸いなことに高齢者では、ワクチン接種が進んでいます。今はワクチン接種をできる限り進め、一人ひとりができる基本的な感染対策を徹底するしかありません。

 

 マスク、手洗い、3密回避。少しでも症状があったら外出しない。

 すごく不安になると思いますが、基本的な感染予防対策で、確実に効果はでてくると思います。(聞き手・阿部彰芳)

米ジョージタウン大学医学部内科助教の安川康介さん

 

入院制限、広がる波紋 都内の自宅療養者はすでに最多

朝日新聞アピタルより抜粋

2021年8月4日 21時00分

 政府が打ち出した新型コロナウイルス感染者の急増地域での「入院制限」の新方針をめぐり、波紋が広がっている。国会では批判が相次ぎ、与党議員からも撤回を求める声が上がった。自治体も対応に追われている。

 4日午後、自民党本部で開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部とワクチン対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議。

 「聞いていない!」。出席議員からは政府の新方針への不満が噴き出し、撤回を求めることが決まった。

 会合後、ワクチンPTの古川俊治事務局長は「(方針を)出すまで一切党の方にも相談はなかった。自治体、医師会にも全く相談なく、官邸で決めたことだ」と批判。「大きな間違いで混乱を招いた。政調会長から撤回を申し入れる」と記者団に語った。

 この日は午前の衆院厚生労働委員会で開かれた閉会中審査でも、公明党の高木美智代氏が「酸素吸入が必要な中等症の患者を自宅でみることはありえない。撤回も含めて検討していただきたい」と田村憲久厚生労働相に迫った。

 

都の幹部「いまの体制ではフォローできない」

 田村氏は「中等症もいろんな方がいる。呼吸管理されている方が入院しない、自宅に戻すということはありえない」と説明。別の質問者にも「医療資源は短期間に急に増えない。緊急事態に入りつつあるなか、先手先手を打って対応している」と理解を求めた。

 厚労委では、感染拡大に歯止めがかからないなか、政府のコロナ対応が後手に回ってきたことへの批判も相次いだ。

 知っ健民主党の長妻昭氏は、デルタ株の感染力の強さは以前からわかっていたとして、「人災だ」と批判。「まず、国民の皆さんに対する謝罪から始めるべきだったのではないか」と田村氏に迫った。

 政府の新方針について、政府対策分科会の尾身茂会長は厚労委で問われ、「政府とは毎日いろんなことで協議しているが、この件に関してはとくに相談、議論をしたことはない」と答弁した。

 その上で、尾身氏は「入院か在宅か、という議論になりつつあるが、今の感染状況の中で国民のニーズに応えるためには一本足打法は駄目だ」と苦言を呈した。病院だけでなく、開業医や訪問看護など地域全体の医療体制を強化することや、宿泊療養施設の強化などを挙げ、「総合的にやることが必要だ」と訴えた。(吉川真布、笹井継夫)

 

 

「在宅で酸素吸入ありえる」 コロナ入院制限で厚労相

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年8月3日 15時51分

 

 田村憲久厚生労働相は3日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの感染拡大地域で入院できるのは重症者や重症化するリスクの高い患者に限定するとの政府方針について、中等症でも「比較的(症状が)軽い方は在宅(療養)をお願いしていく」と説明し、「場合によっては在宅で酸素吸入することもありえる」との認識を示した。

 政府は2日、これまで入院の対象だった中等症と軽症の患者について、重症になるリスクが高い場合をのぞき、原則として自宅療養とするとの方針を発表した。

 

 方針を見直した理由について田村氏は、感染力がより強いとされるデルタ株への置き換わりで感染状況の「フェーズが変わった」と説明。急速な感染拡大で病床ひっぱくが懸念される中、病床の「余力を持つ(ための)対応をしていかなければならない」とし、「症状が軽く、リスクがそれほど高くないという方は、在宅も含めて対応せざるを得ない」と述べ、理解を求めた。

 感染が急拡大した都市部では、自宅療養中に容体が急変しても、入院に向けた対応に遅れが出る例が相次いだ。田村氏は今後、自宅療養中の患者の健康観察を強化するため、自治体が運営する保健所の人員増強のほか、健康観察の入力業務などの民間企業への委託を支援していく考えも示した。

 全国知事会がロックダウン(都市封鎖)のような強い措置の検討を求めている点については、田村氏は「今般の感染拡大という意味では法律をつくる対応は間に合わない」としつつ、今後の感染症対応を想定して「時間がかかってでも国会で議論していただく話だろう」と語った。(石川友恵)

 

 

政府の方針急転、命に直結する問題 自宅療養どこまで

朝日新聞アピタルより抜粋

2021年8月4日 6時00分

 

 政府は新型コロナウイルス患者の「入院制限」を打ち出した。インドで見つかった変異株(デルタ株)の猛威で医療が逼迫(ひっぱく)するためだが、一部の中等症患者も自宅療養としており、方針転換といえる。容体の急変に十分な対応ができるのか。与野党や医療現場から懸念の声が相次いだ。

 「必要なのは、重症化された方々が入院できる病床を常に確保しておくことだ」。田村憲久厚生労働相は3日の閣議後会見で、入院制限の必要性を訴えた。欧米でも感染拡大期は「病床は全然足りなくなり、在宅中心になる」と述べた。

 東京都を中心に医療の状況は深刻だ。都内の入院患者数はすでに3351人(3日時点)まで増え、過去最多だった1月12日の3427人に迫りつつある。都で感染拡大時に最大で確保できる病床6406床に対する病床の使用率は2日時点で50%と、最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階)に達した。

 一方で、新規感染者数(1週間平均)は3337人(3日時点)と過去最多を更新し続けており、入院者数が急増する懸念が生じている。全体の療養者数も2万7千人を超え、自宅療養者数は1万千人を上回っていた

 政府高官は「このまま感染拡大が続けば、病床が確保できなくなる」と懸念。厚労省幹部は、「今までは感染制御という目的があったけれど、命を救うための入院に変えた」という。神奈川県は昨年12月に「入院優先度判断スコア」を導入しており、そうした事例も参考にした。別の幹部は重症者らに入院を特化することを「インフルエンザと同じ対応をするということ」と説明する。

 

具体的な線引きは都道府県任せ

 これまで軽症者は原則、宿泊療養としてきた。だが、過去の感染拡大期に軽症患者が入院し、重症患者が入院できなかったケースもあり、そうしたことを防ぐ狙いもある。ワクチン接種が進んで重症化する高齢者が減り、相対的に中等症の患者が増えてきたことも、判断の背景にある。都幹部からは「重症化しやすい高齢者の感染が急減した一方、感染者数が高止まりする現状を考えれば、自宅療養をさらに活用することを考えるべきだ」との意見も出ていた。政府と都は水面下で調整してきた。

 しかし、従来は入院対象だった中等症の一部患者も自宅療養を基本とすることには、大きな懸念がある。朝日新聞の調べでは、今春の「第4波」で緊急事態宣言が出た10都道府県で、少なくとも51人が自宅や宿泊療養施設で亡くなった

政府はオンライン診療を推進し、血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを配ることなどで健康観察を強化するとしているが、患者の急変に十分な対応ができないと「命」に直結する問題となる。

 政府は入院できるのは「重症患者や重症化リスクの高い患者」と限定したが、中等症や軽症患者の入院の具体的な線引きは都道府県任せだ。地域によって医療資源も異なるためで、東京都はすでに指標づくりに入っているという。ただ、指標があいまいだと入院を判断する保健所や医療機関の負担は増す。

 与野党からは注文がついた。3日昼、公明党の山口那津男代表は菅義偉首相と面会して「中等症の方々についても対応できる病床を増やすことも含めて、丁寧な対応をお願いしたい」と要請。立憲民主党の枝野幸男代表は「自宅療養というのは言葉だけで、『自宅放棄』としか言いようがない」と切り捨てた。(永田大、田伏潤、池上桃子)

 

医師「客観的な判断できるか心配だ」

 政府の方針転換を現場の医師らはどうみるか。

 軽症から中等症の新型コロナ患者を受け入れる東京曳舟病院(墨田区)の三浦邦久副院長は「これだけ患者が増えてくればやむを得ない措置だ」と話す。一方で、「入院判断は呼吸苦など、患者本人の申告に頼っている面もあり、客観的な判断をできるのか心配だ」とも訴える。

 新型コロナの重症度は、厚生労働省の「診療の手引き」によると軽症、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症の四つに分類される。

 

 軽症 は、呼吸困難や肺炎はないが、急速に症状が進行することもある。

 

  中等症Ⅰ は、血中酸素飽和度(血液中の酸素の量)が93%超~96%未満で、呼吸困難や肺炎がある「入院のうえで慎重に観察。患者の不安に対処することも重要」と記述されている。

また、酸素飽和度が下がっても患者が苦しさを訴えないことがあるので、注意が必要だ。

 

 酸素吸入が必要になる中等症Ⅱ は、血中酸素飽和度が93%以下

1~2分息を止めた後の苦しい状態が続くようなものという。

保健所にも「呼吸が苦しい」という訴えが相次ぐ。

 

 東京都北区保健所の前田秀雄所長は「新型コロナ感染症の特徴は、いつ重症化するかわからないこと。それなのに、中等症患者の自宅療養のフォローまで保健所の負荷になるのは、とても耐えられない」と話す。

 

保健所長、中等症の人が「置き去り」

 都内の自宅療養者は、3日時点で1万4千人を超えた。方針転換により、さらなる増加が見込まれる。

 北区保健所では、その日に発生届があった100人前後の陽性者と、区内に200人以上いる自宅療養者に1日1回の健康観察の連絡をとることで精いっぱい。クラスター(感染者集団)対策や濃厚接触者の調査など本来の業務すら十分できていないという。これ以上自宅療養者が増えると、1日1回の連絡もとれなくなる可能性もある。

 

 前田所長は「重症の人と重症化リスクのある人しか入院できないなら、中等症の人が置き去りになる。中等症の人はすでに濃厚な治療が必要なために入院しているのに、病床が足りないから中等症の人を入院させないというのは、論理的にはありえない」と話す。

 

 在宅ケアにかかわる団体でつくる日本在宅ケアアライアンスの新田國夫理事長は、

同じ重症度ならば「(7月に特例承認された)中和抗体薬を含め、入院と在宅で使える薬、治療法に差がないようにしてほしい」と望む。

 そのうえで、自宅療養者に健康観察をし、悪化すれば速やかな入院体制をとるには、「保健所と地域の医療者の連携が不可欠だ。だが地域ごとに対応は異なり、できていないところもある。医療の空白をつくらないよう速やかな連携が求められる」と言う。

「地域を知る開業医が保健所に入り、どの患者を入院させるかを判断、県などのコントロールセンターに伝えるしくみが望ましい」(後藤一也、市野塊、編集委員・辻外記子)

 

 

東京の自宅療養、1週間で倍増 待機施設に中等症が次々

朝日新聞アピタルより抜粋

2021年7月31日 22時38分

 新型コロナウイルス感染症の全国の新規感染者数が過去最多を更新するなか、自宅療養者が7月28日時点で1万8933人と、1週間前の21日の1万717人の1・8倍に増えた。首都圏で顕著で、東京都では、31日に初めて1万人を超し、1週間で約2倍に増えた。各地で必要な人の入院が難しくなり始めている。

 28日時点の都道府県のデータは厚生労働省が30日に公表した。最多は東京の7348人。神奈川3160人、埼玉2080人、大阪1623人、千葉1589人、沖縄498人と続く。

 都の発表によると、その後も都内では29日に8477人、30日9793人、31日1万392人と増加。今年1月ピーク時の9442人を超した。

 平成立石病院(東京都葛飾区)に都が設置した「TOKYO入院待機ステーション」。

酸素投与が必要だが入院先がすぐに見つからない患者を最大で2泊程度受け入れる

。22日から本格運用が始まり、すでにフル稼働している。

 人員配置や使用済みベッドの消毒などが必要で、現時点で受け入れは1日5~6人が限界。

30日は、前日にきた5人の入院先が決まり、新たに別の5人が入所した。

 担当者によると、ワクチン接種が進んで高齢の感染者が減っているため、当初は、少し苦しくなった若い人が一晩酸素投与を受け、入院に至らず帰る場合が多いと見込んでいたという。実際は、症状が重い中等症の患者が次々と入る。

 「酸素ステーションで済むと思っていたが、本当に『入院待機』の場になっている」。ここに入った患者は優先的に入院先を探してもらえるが、その調整も難しくなってきているという。

 都からの要請もあり、受け入れ人数を増やすことを検討中だ。同院には、ステーション以外に中等症までのコロナの患者を受けるベッドが45床ある。それも9割が埋まっている。担当者は「もう逼迫(ひっぱく)している」と話す。

 一方、入院患者の年齢層は今年初めの「第3波」の高齢者中心から、中高年や若い世代が多くなってきている。これに伴って重症化する人は減っているという。

 31日時点で、都が確保する入院ベッド(5967床)の54%、宿泊療養施設(3060室)の57%が使われている。単純計算で、合計約4千人分の空きがあるが、実態はすでに厳しい。入院や療養先の調整中が7960人に上り、自宅療養する1万人超の中からも悪化して入院が必要になる人がいるためだ。

 「第5波」は東京の外にも波及する。緊急事態宣言が出されることが決まった神奈川県の自宅療養者は、県によると30日時点で5505人。1月のピークの5088人を上回った。新型コロナの患者は、病状が進んでも息苦しさなどを感じず、対応が遅れるケースもある。県は自宅療養者の悪化を早く察知しようと地域医師会に事業を委託する。

 対象は、入院待機者や血中酸素飽和度が95%以下の人ら。看護師が電話やオンラインで状態を聞き、必要に応じて輪番で訪問。医師も輪番で主に電話で診療をし、入院が必要と判断すれば県の搬送調整班に入院先を探してもらう。

 約4カ月前に始めた藤沢市では、感染者の増加とともに対象者が急増。6月初旬に10人未満だった1日あたり人数は7月27日に32人。30日には倍以上の66人になった。

健康観察や訪問をするソフィアメディの看護師、真栄(しんえ)和紘さんによると悪化する人の中心は40、50代だが、最近は20代以下の世代でも呼吸状態の悪化や血中酸素飽和度の低下が目立つという。

数の増加だけでなく、手厚いケアが必要な人が増えている。看護師の体制を強化し、乗り切りたい」と語る。

 

 こうしたしくみはどの自治体にもあるわけではない。今後、自宅や宿泊施設にいる人向けの医療支援がさらに重要になる。

 東京都医師会の猪口正孝副会長は「宿泊と自宅療養を含んだトータルで医療提供体制をデザインする必要がある」と29日の都のモニタリング会議で話した。

 政府分科会の尾身茂会長は30日、重症者の基準に必ずしもあてはまらないが、高流量の酸素療法を必要とする呼吸困難の人が40~50代に多く、入院調整を待つ人や自宅療養の人も増えていると指摘。「重症者だけを焦点にした医療逼迫(ひっぱく)ということでは、もう対処できない」と述べた。医療体制についても「ベッド数を2倍にすることは話の上ではできても、実際には難しい。今ある医療のリソース(資源)は訪問看護、在宅医療、あるいは一般のクリニック。今まで以上に関与してほしい」と自宅療養者らへのケアを促した。菅義偉首相に、宿泊療養で一定程度のケアができる施設の準備を求めたという。(姫野直行、阿部彰芳、編集委員・辻外記子)

 

 

千葉で767人感染、過去2番目の多さ クラスター3件

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年8月1日 18時39分

 千葉県内では1日、新型コロナウイルスの新規感染者が767人確認された。過去最多となった7月31日の792人に次いで、過去2番目の多さとなった。死者はいなかった。

 新規クラスター(感染者集団)は3件。匝瑳市の事業所「山崎工業」で計7人、柏市の県立柏陵高校で運動部の部員計9人、同市の民間バスケットボールチームでいずれも10代の選手15人の感染が判明した。

 7月26日に県が発表した新規感染者509人のうち、市原市の10代女性について、その後の検査で陰性だったことが判明した。

 また県は、国が特例承認した新型コロナの軽症と中等症向けの治療薬「中和抗体薬」について、国に外来患者への優先使用などを要望した。治療薬は基礎疾患など重症化リスクがある入院患者が対象。県は感染者が多い地域への重点配分も求めている。

 

 

大阪で新たに890人感染 1週間前の2倍近くに

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年8月1日 18時27分

 大阪府は1日、新たに府内で890人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1週間前の日曜(7月25日、471人)と比べ、2倍近く増えた。

 府内の感染者は延べ11万5091人になった。同日に新たに確認された死者はいなかった。府内の死者は計2721人。

 感染者数を年代別にみると、20代が282人と最多で、次いで30代が151人と多かった。一方、60代以上は52人で、全体の約6%だった。

 入院中の重症患者は前日より1人増えて、77人になった。府が確保する重症病床(587床)の使用率は13・1%だった。

 

 

 東京で過去最多の2848人感染 半年ぶりの2千人超 

朝日新聞アピタルより抜粋

2021年7月27日 21時44

    出典:「国内で判明した感染者 7月27日 午後8時現在」朝日新聞

 東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者を新たに2848人確認したと発表した。

第3波の1月7日の2520人を超えて過去最多となった。

2千人を超えるのは1月15日(2044人)以来約半年ぶりで、8日連続で1千人を超えた。

 

埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県でも感染は急拡大し、千葉県の熊谷俊人知事は28日にも政府に緊急事態宣言を要請する考えを示した。埼玉、神奈川両県も要請する方針。

 

 東京都の27日までの1週間平均の新規感染者数は1762・6人で前週の149・4%。

感染者数の急増は4連休中に医療機関が休診した影響もあるとみられるが、4度目の緊急事態宣言が12日に出てから2週間経っても、感染急拡大はいまだ収まっていない。

 

 27日の感染者2848人の年代別では20代951人、30代610人で半数以上を占める。40代466人、50代301人、10代275人と続き、若年層に感染者が集中している。65歳以上の高齢者は78人だった。

 

 都内では、感染力の強い変異株(デルタ株)が広がり、市中感染の広がりを示す検査の陽性率(週平均)は26日時点で15・7%に達し、過去最高だった1月7日を上回った。

 

 感染者の急増に伴い、病床逼迫(ひっぱく)の懸念も強まる。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用とする都基準の重症者数は27日時点で82人に上り、1カ月前の37人を大きく上回る。重症化しやすい高齢者のワクチン接種が進み、ピークだった1月20日の160人と比べると抑えられているが、増加傾向が続いている。都の吉村憲彦・福祉保健局長は27日夜、高齢者の感染が減っている点などを挙げ、「第3波のピークとは、医療に与える圧迫は違う」と強調した。ただ、入院患者数は27日時点で2864人に達し、1カ月前より1415人増えた。自宅療養者数も6277人に上り、1カ月前の6倍強に急増している。

 

 まん延防止等重点措置を適用中の首都圏3県でも感染は急拡大。26日に過去最多の509人、27日にも405人の感染を確認した千葉県の熊谷知事は同日夕、「直近の足元の感染状況を見ると、政府との協議が仮に整わなかったとしても要請に向けて手続きに入りたい」と述べた。

 埼玉県でも27日、過去最多の593人の感染を確認。大野元裕知事は同日、「宣言も含めてすべての可能性がテーブルの上にある」と述べた。神奈川県内でも27日、758人の感染が確認された。第3波の1月18日(957人)以降で最多で、約半年ぶりに700人を超えた。黒岩祐治知事は21日、「千葉、埼玉でも、いよいよ国に緊急事態宣言を要請するレベルにきたら、3県で一体となって国に要請していきたい」と発言していた。

 

 

沖縄県、米軍に変異株検査要請 感染4日連続100人超

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年7月23日 18時46分

 

 沖縄県は23日、新たに100人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染確認者は延べ2万2430人。1日あたりの新規感染者は、4日連続で100人以上となった。

 県の集計では、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は50・59人で、東京に次いで全国2番目。病床占有率は、60・2%となった。

 また新たに69人が、インドで確認された「デルタ株」が疑われる「L452R」に感染したと明らかにした。専門家などからは在沖米軍内で変異株の感染が広がっているとの指摘があり、県は21日、米軍側にデルタ株の検査をするよう申し入れをしたという。

 米軍からは「検体を米国に送り、デルタ株の検査を行う予定。結果については沖縄県とも共有する」と回答があったという。

 在沖米軍からは、嘉手納基地(嘉手納町など)の5人など計9人の感染が確認されたと県に報告があった。県のまとめでは、在沖米軍関連の感染者は計1581人。

 

神奈川で652人が感染 前週比206人増、急増続く

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年7月23日 18時36分

 神奈川県内では23日、新型コロナウイルスの感染者652人が発表された。前週の同じ曜日(16日)に比べて206人多く、急増が続いている。県内で発表された感染者は延べ7万5763人(朝日新聞集計)となった。死者の発表は無かった。

 感染者の居住地別内訳は横浜市285人、川崎市125人、相模原市61人、茅ケ崎市31人、藤沢市28人、鎌倉市19人、横須賀市17人、平塚、厚木、大和市各7人、座間市6人、小田原市4人、海老名市と寒川、二宮、湯河原町各3人、綾瀬市と開成町と清川村各2人、逗子、三浦、秦野市と葉山、大井町各1人、東京都9人、熊本県1人、海外から入国した東京五輪・パラリンピック関係者1人、自治体非公表21人。

 

「最も厚顔でお金目当て」 批判相次ぐ五輪、世界の目線

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年7月24日 6時00分

 

 コロナ禍の下で始まった東京五輪に注がれる世界からの視線には、不安や批判、逆境で開催されることへの期待が入り交じる。

 「日本人が望まない五輪」――。仏紙ルモンドが、東京特派員が五輪を迎える日本の様子を語ったポッドキャストのタイトルだ。特派員は「五輪のポスターやパネルは見かけるが、人々は熱狂していない。私の友人も(開催は)『ムリムリ』と言っている」と紹介。「日本国民は五輪変異株を恐れており、経済や五輪開催を優先する政府の感染対策に反対している」と説明した。ただ、中止を判断する権限は国際オリンピック委員会(IOC)にあることから、「日本はIOCの囚人になっている」と伝えた。

 また、イタリア紙ラ・スタンパは9日付で関係者を除き無観客で行われる開会式について「人気(ひとけ)の無い通りを仮装した人たちが行進する、紙吹雪のないカーニバルのよう」と評した。

 韓国でも否定的な報道が目立つ。ニュース専門チャンネルYTNは「菅義偉首相は日本の(東日本大震災からの)復興を全世界に伝えると強調したが、国民の支持を得ることにも失敗した」と強調。コロナの影響などから開会式に「(2016年のリオ五輪閉会式で)スーパーマリオに扮して五輪に尽力してきた安倍晋三前首相まで出席を取りやめた」と報じた。

 世論調査機関、韓国ギャラップが23日に発表した東京五輪への関心度調査によると、「関心がある」と回答したのは32%にとどまり、「関心がない」が66%に達した。2012年のロンドン五輪、16年のリオ五輪ではともに6割が関心を示していたのとは対照的な結果に。調査の記録が残る1992年以降、韓国人が最も関心のない五輪となった。

 五輪開催中の感染対策への関心も高い。

 豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドは21日付の朝刊で、東京に入った記者が感染対策の課題や現状を報告。「選手村は安全だ」とする主催者側の説明を紹介したうえで、高層の宿泊施設で感染が広がる心配を「デルタ株の流行を止めるのが難しいのは、隔離ホテルで感染を抑え込むのが難しいのと似ている」と書いた。豪州では帰国者が滞在を義務づけられる隔離先のホテルで、館内を循環した空気によるとみられる感染例が相次いで報告されていることを踏まえた懸念だ。

 日本通として知られるマレーシアのマハティール前首相は21日のオンライン記者会見で、「今回のウイルスは非常に感染しやすい」とし、今回の五輪について「やらない方がいいだろう」と語った。

 一方、シンガポールの中国語紙「聯合早報」は19日付で「東京五輪 尋常ではない意義」と題した社説を掲載。東京五輪は各国のコロナ対策の参考になると意義付け、「日本社会の規律と文明精神が、ウイルスを拡散させずに大会を成功させるとみられる」と期待を示した。

 

「金銭欲の銅メダルは日本の大会関係者」。金、銀は…

 開幕に向けて強気の姿勢を貫くのは、米テレビ局NBCを傘下に持ち、米国内で独占放映権を持つNBCユニバーサルだ。

 五輪責任者のモリー・ソロモン氏は13日にあったイベントで、「我々の生涯において、最も意義のある五輪になると信じている」と強調。コロナ禍を経て「人々は共通の体験に飢えている」とし、「何が可能かを示してくれる選手たちの物語以上に、一体となる良い方法はあるだろうか」と期待を込めた。

 NBCでは、ジェフ・シェル最高経営責任者(CEO)が6月に「視聴率の状況によっては、我が社史上最高収益の五輪になる可能性がある。広告主はいる」と発言。16年のリオ大会では直前までジカ熱が心配されたことに触れ「いったん開会式が始まれば、皆がそれを忘れて楽しむ」と話していた。

 NBCの姿勢に対し、ワシントン・ポストの元コラムニストで、過去の五輪を多く取材したマイク・ワイズ氏は7月11日、同紙への寄稿で「現代スポーツ史上、最も厚顔で、人類より傲慢(ごうまん)さを重視した、お金目当て」の大会が始まろうとしていると批判。「金銭欲の金メダルはIOC、銀メダルはNBCユニバーサル、銅メダルは日本の大会組織関係者だ」と揶揄(やゆ)した。

 来年2月に北京冬季五輪の開幕を控える中国は、一貫して東京五輪に対して前向きなメッセージを発している。20日の会見で、中国外務省の趙立堅副報道局長は「力の限り東京五輪の支持を続ける。東京五輪の成功を我々も引き継ぎたい」と語った。国営新華社通信によると、北京五輪大会組織委員会は約30人のスタッフを東京に派遣し、視察する予定だ。

 一方で、中国メディアの関係者には戸惑いも。国営メディアは19日、「これまでの五輪であればすでにお祭り騒ぎだったが、東京は依然として沈黙している」と伝えた。

 今月10日までサッカー南米選手権が開かれていたブラジルで、サッカークラブ「クルゼイロ」のマーケティング部門などを統括した経験のあるヘネ・サルビアノさん(45)は朝日新聞の取材に「安全に実施できれば、こうした状況でも運営できるという、日本の優秀さを世界にアピールする機会になる」と話した。

 アルゼンチンとコロンビアが開催を返上し、急きょ大会を受け入れたブラジル政府には、「こうした大きなイベントをコロナ禍でも運営できると国際社会に示す意図があっただろう」とみる。

 五輪は世界中から選手や関係者が集まるため、より複雑になるとしながらも、「うまくできれば全世界に、日本には問題を克服する能力があると見せることができる」と話した。

 

 

埋まる東京の重症病床 変異株「急速な重症化の要因?」

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年7月21日 20時48分

 新型コロナウイルスの感染が急拡大している東京都で、重症病床の使用率が20日時点で52%に達し、最も深刻な「ステージ4」(感染爆発段階、50%以上)となった。今後も感染者は増えるとみられており、五輪期間中に病床が逼迫(ひっぱく)する恐れも出てきた。

 

 コロナ患者のために38病床を用意している昭和大学病院(東京都品川区)。重症用は8床で、うち2床に患者がいたが、21日にはさらに2人の受け入れ要請が都から入った。

 都内では感染が急拡大し、1日あたりの新規感染者が近く2千人を超えるという予測もある。相良博典院長は「療養先の自宅やホテルで重症化する患者が増え、病床がいっぱいになりかねない」と危機感を募らせる。

 気をもむのがインドなどで見つかった変異株(デルタ株)の広がりだ。「感染力が強いだけでなく、急速な重症化も引き起こしているのではないか」

 

患者激増に備え入院待機ステーション

 中等症用の30床も患者が徐々に増え、18床が埋まっている。

 東京都では重症病床の使用率だけでなく、新規陽性者数や療養者数、陽性率もステージ4となっている。

 21日にあった厚生省の専門家組織の会合では、京都大の西浦博教授が今後の見通しについて、試算を示した。1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数が現状の1・2から10%しか減らなかった場合、現在約2400人の入院患者は8月中旬に3千人を超え、重症患者も増えるとした。ともにワクチン接種を済ませていない40~50代が急増する恐れがあるという。

 医療が崩壊状態になった1月の「第3波」ピーク時、重症病床の使用率は100%を超えた。試算通りになれば、再び深刻な事態に陥る。

 専門家組織は、このまま感染者数が増えれば、入院先や療養先を調整する作業が遅れることが懸念されると指摘。都は患者が激増し、入院先が見つからない場合に備え、「TOKYO入院待機ステーション」を葛飾区の平成立石病院内に設置し、22日から本格的な運用を開始する。今後、別の地域にも開設する予定という。

 ステーションでは酸素や薬の投与ができるほか、血中酸素飽和度や心電図などを看護師らが一覧できる。大澤秀一院長は「少しでも医療が逼迫した際のクッションになれれば」と話した。(枝松佑樹、姫野直行)

 

 

要請撤回の政府混迷 与党も「国民は本当に怒っている」

2021年7月14日 19時44分

 

 新型コロナウイルス対応で、政府が打ち出した飲食店への酒類提供自粛に関する方針が相次いで撤回されたことなどをめぐり、衆院内閣委員会の閉会中審査が14日開かれた。野党側は菅義偉首相が事前に要請の内容を知っていたとみて、政権の責任を追及。担当する西村康稔経済再生相の辞任も求めた。首相は続投させる意向だが、政府の混迷ぶりには与党からも厳しい意見が出ている。

 「こんなこと、いったい誰が思いついたのか」

 14日の衆院内閣委員会の閉会中審査。立憲民主党の今井雅人氏は、政府が出した2種類の依頼文書について西村氏にただした。

 酒類の提供自粛要請に応じない店に対し、金融機関を通じて融資先の飲食店に働きかけるよう依頼。さらに、酒類の販売業者には提供自粛に応じない飲食店との取引を停止するよう依頼した。いずれも与野党や業界団体から抗議を受け、撤回に追い込まれた。

 

 西村氏は「ご協力いただけず夜遅くまで酒を提供してにぎわうお店がいくつもある。これを抑えなきゃいけないという中、いろんな提案がなされ、調整された」「コロナ室を中心に、都道府県とも意見交換している」などと釈明した。

 

 今井氏はさらに、依頼の文書を出す前日に開かれた関係閣僚会議で、要請や働きかけの説明があったことに着目。「首相がいる会議で説明され、了承された。首相が責任をもって発出したということで良いか」と問いただした。

 

 西村氏は「酒類の提供の停止に関連して、金融機関や卸売業者への働きかけについても触れられていた」と述べ、閣僚会議で説明があったことを認めた。

 

 一方で、閣僚会議では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間や対象地域、飲食店への支援策などに議論が集中したと強調。「要請の具体的な内容については(関係閣僚会議で)議論していない」と述べた。その上で西村氏は「具体的な内容は私の責任で、新型コロナ対策室と関係省庁の調整で決め、協力依頼を行った」と説明した。

 

 今井氏は「個人的な問題ではない。政府が責任をもって出したのだから、首相の責任は非常に重い」と指摘したが、西村氏は「私の責任」と重ねて釈明した。

 これに先立ち、野党4党は14日、西村氏の辞任を求めることで一致した。立憲の安住淳国会対策委員長が自民党の森山裕国対委員長に伝えた。

 しかし、首相は14日午前、首相官邸で記者団に「西村大臣は感染防止のために朝から夜まで頭がいっぱいで、いろんな対策を練ってきている。丁寧に説明していくことが大事かなと思う」と述べ、続投させる意向を示した。西村氏自身も内閣委で「感染対策を抑え、機動的な経済対策を打たなきゃいけない。全力をあげることで責任を果たしていきたい」と続投への意欲を語った。

 

 この日の衆院内閣委では、東京都に緊急事態宣言を出すことが決まった8日に、西村氏が記者会見で、「メディアや広告で(飲食店を)扱う際に、順守状況に留意していただくよう依頼を検討している」と語ったことも取り上げられた。

 

 休業要請に応じない店を報道しないよう求めるような内容で、立憲の後藤祐一氏は「報道するかどうかはマスコミの自由。撤回すべきだ」と求めた。西村氏は「報道の自由に介入する趣旨ではない」としつつも「選択肢の一つとして考えた。何ができるのかできないのか、考えていきたい」と述べるにとどめ、撤回には触れなかった。

 

 政府の対応に与党からも厳しい意見が出た。自民党の中谷元・元防衛相は所属するグループ会合で「上から圧力をかけて指示を徹底しようとした。日本の政治手法として、全く異質で、異常な状態をとってしまった」と批判。

 

公明党の浜村進氏は内閣委で「国民は本当に怒っている。なぜ酒を出しちゃいけないのか。法律に基づいて適切なのか。納得感がない」と述べた。

 

 内閣委ではこのほか、ワクチンの供給不足から自治体接種に混乱が生じている問題も議論された。ワクチン接種の調整を担う河野太郎行政改革相は「具体的な供給計画を示す必要があった。それができなかったことは誠に申し訳ない」と陳謝。職域接種についても「大変強い要望があった。見誤ったのは私の失敗」だとした。

 

 

東京で830人感染 前週超え24日連続 30代死者も

2021年7月13日 17時03分

 東京都は13日、新型コロナウイルスの感染者を新たに830確認したと発表した。前週の火曜日(7月6日)と比べ237人の増加で、24日連続で前週の同じ曜日を上回った。13日までの1週間平均の感染者数は790・6人で前週の131・3%だった。行政検査の件数(12日までの3日間平均)は6633・3件だった。

 新規感染者830人を年代別で見ると、20代が257人で最多。30代175人40代144人50代113人と続いた。65歳以上の高齢者は43人だった。

 

都はまた、30代男性を含む2人が死亡したことを明らかにした。

30代男性は亡くなる前に倦怠(けんたい)感や頭痛を訴えており、

6日に自宅で倒れているのを妻が発見。

基礎疾患はなく、死因は新型コロナだという。

都内で30代の感染者が亡くなったのは6人目。

 

人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用とする都基準の重症者数は、前日より3人増えて58だった。

 

 

 

五輪を最優先、崩れた方程式 楽観論に流された菅首相

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年7月9日 5時00分

 菅義偉首相が、東京都に4度目の緊急事態宣言を出すことを発表した。前回の宣言解除から3週間もたたない中、東京は新型コロナの感染「第5波」に見舞われつつある。東京五輪の開催を最優先した菅政権の対応に、不備はなかったのか。首相の政治責任が大きく問われている。

 

 「前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、大変申し訳ない思いであります」。8日夜、4度目の宣言を決めた対策本部後の記者会見で首相は陳謝した。また、自身が最優先課題として準備してきた五輪について「緊急事態宣言の下で異例の開催となった」との認識を示した。

 9月に自民党総裁としての、10月にいまの衆院議員の任期を迎える首相は、この夏、コロナの感染拡大を抑え込んで、安心・安全な五輪を実現して衆院解散・総選挙になだれ込み、勝利したい考えだった。

 だが、その方程式は崩れつつある。東京に押し寄せる感染「第5波」を防げず、かねてこだわってきた「東京の有観客」は断念に追い込まれた。政府のコロナ対応や現状での五輪開催に、否定的な世論は根強いままだ。その声を反映するように、先の東京都議選は、自民党が事前の予測を大きく下回る「大惨敗」(閣僚の一人)に終わった。

 「五輪を最優先にした結果、感染状況も有観客もこの有り様」(自民党衆院中堅)といういまの光景は、3週間前に宣言を解除した時から、政権与党内で予見されていた。

 オリパラ対応にあたる政府関係者は先の宣言解除にあたり「首相は感染状況がどうあっても、五輪をやることを決めたということ。政権は厳しい状況に追い込まれる」と語っていた。自民党幹部も「感染者は増えるだろう。首相はその責任をとることになる」と述べていた。

 当の首相は宣言解除を決めた6月17日の会見で「何よりも警戒すべきことは、大きなリバウンドを起こさないことだ」と述べていた。この時、すでに東京の新規感染者数は下げ止まり、専門家は再拡大の予兆と警鐘を鳴らしていた。

 それでも首相は、約1カ月後の五輪開催を念頭に宣言解除を選んだ。背景にあったのは、ワクチン接種の加速がもたらした自信と、感染者数が抑制される「楽観シナリオ」だった。

 

閣僚「梅雨になればウイルスの活動にぶる」

 このころ、首相は周囲に「ワクチンのおかげで重症化しやすい高齢者の感染者は減っている。病床の逼迫(ひっぱく)は抑えられる」との見立てや、6月には感染者数が減るとの予測を披露していた。首相の周辺には、五輪の無観客を打ち出すことで、感染防止対策に国民の協力を仰ぐべきだとの声もあったが、首相は受け入れなかった。閣僚の一人は「首相は自信がある。扱いが容易なモデルナ製のワクチンが行き渡れば、感染が抑えられる。梅雨になれば、ウイルスの活動がにぶり感染者数も減る」などと、首相の自信の根拠を説明した。

 だが、その思惑は外れた。ワクチン接種は首相が掲げた「1日100万回」を達成したが、供給が追いつかなくなる「弾切れ」が起きた。モデルナ製のワクチンは、6月末の時点で当初予定の3分の1程度しか確保できていない。宣言解除後に東京の感染者数も増加し、40~50代の重症者が目立つようになった。

 自民党内には「首相の言葉が国民に届いていない。楽観論ばかりに流されている」(衆院中堅)といった批判が拡大する。8日夜の会見で、感染を抑えるという「約束」を実現できない責任を問われた首相は、宣言が一定の効果を上げているとの認識を示し、こう述べた。「ワクチンを接種することで、かつての日常を取り戻すことができるというふうに思っている」(西村圭史、石井潤一郎)

 

再三の「お願い」と乏しい言葉 分科会メンバーは懸念

 「放っておくと、医療が逼迫(ひっぱく)する蓋然(がいぜん)性がかなり高い」。8日夜、菅義偉首相の会見に同席した基本的対処方針分科会長の尾身茂氏はそう述べ、「この1、2カ月が最も重要な山場の一つだ」と強調した。

 厚生労働省の専門家組織のメンバーは「どのみち感染者は増える。それなら早くたたいた方が、傷が小さくなるということは医療側の総意だ」と指摘した。

 東京都の7日時点の感染状況は、宣言の検討が必要なステージ4に入りかかった段階だ。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は32人。ステージ4の「25人以上」を上回るが、病床使用率や検査の陽性率はステージ3だ。

 

 足元では深刻さが増している。インドで見つかったデルタ株がこれまでになく感染力が強く、都内でも広がり出した。海外では入院リスクが高いことを示唆するデータもある。7月中には、今春の「第4波」を引き起こしたアルファ株の感染者を上回るとみられる。

 

 デルタ株などの影響で、中年や若い人の重症者も増えている。人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使う重症者は7日時点で62人。このうち50代以下が半数の31人を占め、6月末から1・5倍になった。重症者の総数が最も多かった1月でも、50代以下が30人を上回ることはなかった。

 

 4連休、お盆、そして東京五輪・パラリンピック。人の移動や交流が盛んになりうる今夏は、感染爆発と隣り合わせだ。

「強く早い対策を」。今回の宣言は、こうした専門家らの意向をくんだ。

 ただ、分科会メンバーの1人は「宣言を出せばうまくいくものではない」と釘を刺す。日本の感染症対策は基本的には「お願いベース」。「人々の意識、気持ち」(尾身氏)が対策の効果を大きく左右する

 昨冬の「第3波」では、宣言前から人々は行動を変え、流行は下降に向かいはじめていた。年末から感染者が急増し、医療逼迫が差し迫ったためだ。

 

 今春からの「第4波」では、関西でアルファ株が感染爆発を起こし、感染拡大を止めなければ「関西のような状況になる」という危機感が都民の行動に強く影響したとみられる

 今は医療がまだ逼迫しておらず、再三の「お願い」で不満が社会に充満している。こうした状況で、宣言に強い効果を持たせるには、納得できる政治家の説明が欠かせない。ただ、菅首相が8日の会見で時間を割いたのはワクチンだった。「接種が進み、効果が表れるまで、全国的な感染爆発を防ぐための措置として、ご理解をいただきたい」と述べた。

 

 分科会メンバーは今回の宣言について「協力金の前渡しや、要請にしたがわない店への厳しい措置で、一定の効果はあるだろう」とみる。別のメンバーは「政府は取り締まりに力を入れると言うが、逆に対策できているところは緩めるほうが、効果が出るのではないか」と話す。

 

五輪は開くのになぜお酒は禁止なのか。人々にこうした思いが強まることを最も懸念する。「五輪も相まって、協力してもらえない状態に近づいている気がする」(下司佳代子、市野塊、枝松佑樹)

 

 

入国した五輪関係者、新たな感染判明 4カ国からの4人

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年6月28日 16時50分

 

 東京五輪・パラリンピック関連で入国した関係者のうち、新型コロナウイルスの感染を確認したのは、ウガンダの2人のほかに、フランスやエジプトなど、4人いたことがわかった。内閣官房が28日、野党合同ヒアリングで明らかにした。4人は一定期間の隔離後、活動を再開している。

 内閣官房によると、4人のうちの3人は空港検疫で感染を確認した。2月12日にフランス人の大会関係者、4月28日に水泳飛び込みのテストイベントに参加予定だったエジプト人コーチ、6月2日にサッカーの国際親善試合に参加予定だったガーナ人選手の感染がわかったという。

 また、空港検疫では判明しなかったが、入国後4日目となる5月5日の検査で、ボートの大会予選に参加予定だったスリランカ人スタッフ1人の感染もわかった。4人はいずれも無症状だったという。

 濃厚接触者は、スリランカ人のケースで2人を確認した。エジプトとガーナは接触者なしとされ、フランスは内閣官房として確認できていないという。(市野塊)

 

 

五輪会場の酒類販売、見送りへ 批判的な反応相次ぎ一転

朝日新聞デジタルより抜粋

2021年6月22日 23時25分

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会が、競技会場での酒類の提供・販売を見送る方向で検討していることが22日、大会関係者への取材でわかった。21日の記者会見では組織委の橋本聖子会長が「検討中」と説明していたが、批判的な反応が相次いでいた。

 大会関係者によると、組織委内では、時間を限定して酒類を販売したり、アルコール度数の低い飲料に限って販売したりする案が出ていたという。

 自民党の二階俊博幹事長は22日の記者会見で橋本会長の発言などを受け、「都民の皆さんにも注意喚起する意味で、アルコール禁止ぐらいはしっかりしておくことは大事だ」と述べて酒類提供の禁止を求めた。

 東京都医師会の尾崎治夫会長はこの日の会見で、「五輪だけ特例がどんどん出て、一般社会は厳しい状態が続く。五輪は別物という話になれば、盛り上げていこうとする機運がますます薄れてしまうのでは」と指摘した。

 丸川珠代五輪相は22日にあった閣議後の記者会見で、「大声を出さない、拍手だけで応援する観戦スタイルがしっかり貫かれるような形で検討してもらいたい」と話した。

 大会スポンサーのアサヒグループホールディングス広報部の担当者は「組織委の動向を注視し、正式な発表に沿って大会に協力できることを考える」としている。

 緊急事態宣言は21日に9都道府県で解除され、東京では約2カ月ぶりに飲食店での酒類提供が解禁されたが、あくまでも条件付き。SNSなどでは「なぜ五輪だけ優遇されるのか」との声も根強く出ていた。

 

酒解禁、五輪は優遇?「販売検討中」の組織委に批判の声

2021年6月22日 19時10分

 コロナ下の五輪会場でのアルコール提供は是か非か――。東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会が、会場での酒類販売を「検討中」としていることに、批判的な反応が多く上がっている。21日に新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9都道府県で解除され、東京では約2カ月ぶりに飲食店での酒類提供が解禁されたが、あくまでも条件付き。「なぜ五輪だけ優遇されるの」との声も根強い。

 「観客への酒類販売・提供は、大声の抑止、安全な誘導の実現の観点や現在の一般的ルールを鑑み、検討中であります」。東京五輪の観客上限に関する21日の記者会見で、組織委の橋本聖子会長は自ら切り出し、現状をそう説明した。

 この発言や「組織委が種類販売容認へ」との一部報道を受け、SNSでは「五輪だけ特別なの」「ダブルスタンダードだ」などと反対の意見が相次いだ。22日には関係者からも発言が相次いだ。

 自民党の二階俊博幹事長は記者会見で、「都民の皆さんにも注意喚起をするという意味では、アルコール禁止ぐらいはしっかりしておくことは大事だ」と述べ、酒類提供の禁止を求めた。

 丸川珠代五輪相は閣議後の記者会見で、「大会の性質上、ステークホルダー(利害関係者)の存在がどうしてもあるので、組織委員会としてはそのことを念頭に検討すると思う」と述べ、「大声を出さない、あるいは拍手だけで応援をする観戦スタイルがしっかり貫かれるような形で検討してもらいたい」と語った。

 東京都の小池百合子知事は記者団に対し、「組織委が担当として調整していると聞いている。観客のガイドラインをこれから作っていくということですが、販売するかの大元のところは調整をするということ」と述べるにとどめた。

 もともとスポーツ観戦とアルコールの関係は深い。約250万人を動員した2015年のラグビー・ワールドカップイングランド大会では、1人平均1・7リットルのビールを飲んだというデータがある。

 組織委も競技会場で酒類を販売する方向で準備を進めていた。15年にアサヒビールとスポンサー契約を締結。同社はビール、ノンアルコールビール、酎ハイ、ワインの4種について、競技会場などで独占的に提供・販売できる。だが、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が出たことを受け、酒類販売を取りやめることも含めて両にらみの検討を進めてきた。

 大会関係者によると、21日に緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行し、都内の飲食店でも条件付きで午前11時~午後7時に酒類を提供できるようになったため、時間を限定して販売することなどが検討されている。アルコール度数の少ない飲み物に限って販売する案もあるという。

 アサヒグループホールディングス広報部の担当者は「決定までのプロセスなどは、いち、スポンサーとして答える立場にはない。組織委の動向を注視しつつ、正式な発表に沿って大会に協力できることを考える」としている。

 

「日本人が金メダルとろうものなら…」

 プロ野球やJリーグに感染対策を助言してきた三鴨広繁・愛知医科大教授(感染症学)は「プロ野球でも各球団に販売は控えるように推奨している。五輪でも基本的に売らない方がいい」と指摘した。「飲んで応援すると、興奮してマスクを外してしまう。日本人が金メダルを取ろうものなら、観客は日本人しかいないのだから、とても盛り上がってしまう」と懸念を示した。

 東京都医師会の尾崎治夫会長も22日の記者会見で「五輪だけ特例的なものがどんどん出てきて、一般社会では感染予防に対して厳しい状態が続く。五輪は別物という話になってしまうと、しっかり応援して盛り上げていこうとする機運がますます薄れてしまうのではないかと危惧している」と述べた。

 スポーツ界の現状はどうか。

 プロ野球は、球団で対応が異なる。日本野球機構(NPB)は感染防止ガイドラインに、アルコール飲料について「販売を控えることを推奨する」と記載している。一方で、地元自治体の判断に基づく球団ごとの運用を認めており、販売する場合は、国や自治体が飲食店に求めている時間制限などに準じて運用する。

 仙台市の「楽天生命パーク宮城」を本拠とする楽天は、飲食店に対する自治体の時短要請などに沿う形で販売時間を限定。要請の緩和を受け、8日からは開場から試合終了まで提供する例年通りの運用に戻した。

兵庫県西宮市の甲子園が本拠の阪神は、平日はアルコール類を販売するが、土日祝日は販売を見合わせている。マツダスタジアム(広島市)が本拠の広島は、ナイターは午後7時まで、デーゲームは八回裏終了時までの制限を設けている。

 一方、巨人やDeNA、ロッテ、中日などは販売を自粛してきた。緊急事態宣言がまん延防止等重点措置に切り替わり、中日は22日の阪神戦から、午後7時までに限ってアルコール類の販売を再開。東京ドーム(東京都文京区)がホームの巨人は、切り替わってから最初の本拠戦となる29日以降について、都の判断を元にアルコール類の販売の可否を決めるという。

 Jリーグも感染症対応ガイドラインを作成し、各クラブはこれに従って試合を開催する。緊急事態宣言下の地域で開催される試合では、アルコール提供について禁止し、持ち込みも不可としている。まん延防止等重点措置の対象自治体は午後7時まで提供可能としているが、スタジアムのある自治体の要請に従うとしている。

 一方、12日にあったラグビー日本代表の強化試合では、会場がある静岡県袋井市が緊急事態宣言や重点措置の対象ではなかったが、アルコール類の販売や持ち込みを禁じていた。

 

 

コロナ感染、高まる子どもの割合 数週間後重症化の例も

朝日新聞アピタルより抜粋

熊井洋美、編集委員・田村建二

2021年6月6日 19時00分

 

 「子どもは感染しにくい」とされてきた新型コロナウイルスだが、感染者全体に占める20歳未満の割合が約1割にまで高まってきた。感染後、わずかながら重い症状に陥る例も報告されている。感染力が強い変異株の流行を踏まえ、専門家は家庭での対策を改めて徹底するよう訴えている。

 

感染から2カ月後に高熱や下痢で入院

 各地の学校や保育施設でクラスター(感染者集団)が発生している。

新潟県の保育園では2月、変異株のウイルスによって園児13人、保育士ら4人が感染。さらに家族にも広がり、計42人の大規模クラスターになった。「変異株の感染力の強さを物語る事例だ」と日本小児科学会で感染症対策を担う斎藤昭彦・新潟大教授は話す。

 厚生労働省の6月2日時点のまとめによると、10代以下の感染者はこれまでに7万8952人。全体(73万7086人)の約10・7%を占める。

 変異株が広がってきた2月3日時点の感染者数からは約2・2倍となった。一方、20代以上の各年代の伸びは約1・9倍だった。ただ、その理由ははっきりしていない。

 斎藤さんは「変異株が特に子どもに感染しやすいのではなく、感染力の強さで患者全体が増える中で、子どもの患者も増えている」とみる。もともと家族からうつされることが多かった子どもが、家庭内感染が増えた影響を一層受けているともみられている。

 子どもの場合、ほとんどが軽症で済むが、極めてまれに、感染から数週間後に重症化する例がある。

 心機能や肺機能が低下したり、下痢や腹痛など消化器の症状が出たりする「小児多系統炎症性(しょうにたけいとうえんしょうせい)症候群(MIS(ミス)―C(シー))」で、国内でも複数報告されている。

 日本川崎病学会が確認した4例のうち、10代の男児は家庭内感染の約2カ月後、高熱や下痢で入院した。首のリンパ節が腫れ、体に発疹もあり、目が充血したり唇が赤くなったりするなど、川崎病に共通した症状がみられた。血液製剤を投与したが、高熱が続き、肺に水がたまったり、心不全を起こしたりした。症状には川崎病特有ではない腹痛の訴えもあった。男児は約4週間入院し、快復。後遺症の報告はないという。

 米国では、5月6日までに385万人以上の小児が新型コロナに感染した。米疾病対策センター(CDC)の5月3日までのまとめではMIS―Cの患者が約3700人、うち35人の死亡が報告されている。

 日本川崎病学会副会長の鮎沢衛・日本大准教授は「子どもへの感染が広がって、国内でもMIS―Cの患者が増える可能性がある。感染後1~2カ月間は、特に消化器の症状や胸の痛み、顔色に注意し、異常があれば小児診療の態勢が整う病院で診察を受けてほしい」と話す。

 

感染しても発熱は4分の1

 日本小児科学会による10代以下の小児の分析では、およそ半数が感染しても無症状で、37・5度以上の発熱も25%にとどまる。健康チェックで発熱だけに注目しても感染が見逃される恐れがあり、自覚症状が薄いままウイルスが広がってしまう懸念がある。

 2歳未満の子どもには、窒息や熱中症のリスクがあるため、日本小児科医会はマスクを着けないように呼びかけており、保育の現場では感染対策が課題になっている。

 小児科学会で分析を担当する聖マリアンナ医科大の勝田友博准教授は、「子どもどうしの感染にも注意は必要」としつつ、推定される感染経路の7割以上は家庭内だと指摘。「大人が家庭内にウイルスを持ち込まないように考えることがまず大切だ」と強調する。

 ファイザー社製のワクチンは日本でも12~15歳が公費接種の対象に加わった。高齢者や基礎疾患がある人への接種にめどがつけば、子どもへの接種も検討課題になる。新潟大の斎藤教授は「これまでの報告では重篤な副反応はまれだが、まだ十分なデータがそろっていない。今後、海外からのデータなどを慎重に見ていく必要がある」としつつ、「学校生活を維持し、社会全体の感染者を減らすことができ、また重篤な合併症のMIS―Cを予防できるという観点では接種を進めるべきだと考える」と話す。(熊井洋美、編集委員・田村建二)

 

 

10代集団接種に抗議殺到 子どもとワクチン、専門医は

朝日新聞アピタルより抜粋

聞き手・後藤一也

2021年6月11日 6時00分

    川崎医大の中の貴司教授(小児科)=2019年1月

 

 電話100件、メール1千通――。岡山県総社市が小中学生を対象に、学校での新型コロナワクチン集団接種を検討すると発表すると、抗議が殺到した京都府伊根町でも「殺すぞ」など脅迫に近い内容の電話があり、集団接種から個別接種にする方針を決めた。

子どもへのワクチン接種をどう考えればいいのか。厚生労働省の予防接種基本方針部会の部会長代理で、川崎医科大の中野貴司教授(小児科)に聞いた。

 

子どもの重症例、非常に少ない

 

 ――ファイザーワクチンは6月1日から12~15歳も接種の対象になりました。

一方で、子どもの重症者は多くありません。子どもには打たない、という選択肢もあるのでしょうか。

 社会全体でいま、若い人が接種することにポジティブになっています。若い人が打たないと経済活動もままならないし、子どもたちにとっても集団生活、対面授業、修学旅行など、成長や発達に必要な生活を送れていないわけです。社会活動が元に戻れば、子どもたちにとってもメリットはあります。

 しかし、子どもが重症化する頻度は大人より低いわけです。変異株によって40代、50代でも重症化する人が増えていると言われていても、子どもで重症化する例は非常に少ない状況です。積極的に打つことをすすめるのかどうか、どう表現すればいいか、難しい問題です。

 

 ――専門家でもスパッと言えないのですね。

 「冷静に」というときれいですが、難しい問題だと思います。

 日本のワクチン接種はずっと、諸外国での効果や安全性をみて、「大丈夫そうだな、やってみようかな」と判断してきたわけです。日本が、全体的に新型コロナワクチン接種が遅れているのは、歴史が繰り返されているだけです。

 

 ――15歳までは副反応がわからないという理由で、16歳から積極的に勧めることもあるのでしょうか。

 小児科からみれば、15歳で区切るのは非常にわかりやすいわけです。では16歳は? 19歳は? 10代、20代の若年者への副反応がまだはっきりとしていない中で、16歳以上は社会のために接種し、社会の盾になれというのか、という問題もあるでしょう。その世代には少なくとも政府や社会が「ワクチンを打った方がいい」という良心的な声を出そうとしています。じゃあ、15歳までの子どもとはどこが違うのか、打たない集団にするための理論付けはわからないわけです。若年者特有の副反応がわかってきたら別ですが。

 社会的関心が高いワクチンであり、ワクチン接種後に多様な症状が起こりうるというのはあり得ます。何か物事が突き進んだときに、何か問題が起こったら反動も大きくなります。その点については危惧しています。

 

集団接種、反対意見にも理解できる

 

 ――抗議の内容は、集団接種に否定的なものも多いようです。今では予防接種は個別接種が原則となっています。なぜでしょうか。

 1994年の予防接種法の改正で集団接種から個別接種へ、という流れになりました。これは、ワクチンの副反応が起こりうる体調なのに打ったという、予防接種による副反応被害の司法判断をふまえた改正です。

 体調や基礎疾患の状態を予診してから、接種をします。ただ、接種会場で初めて出会った医師は、かかりつけ医よりはその人の体調がわかりにくく、集団接種では予診を尽くしにくい、個人の体調を見極めにくいという側面があります。

 

 ――どちらもメリット・デメリットがあるのですね。

 集団接種に反対意見を言いたい人の気持ちもわかります。小児科医も個別接種がいいと思っている人は多いと思います。

 ただ、人口が少ない地域では、医療機関や医師の数が不足しているところもあり、小児科医が一人もいないところもあります。個別接種にしたくても難しい地域もあるので、良い、悪いの判断は、慎重なほうがいいと思います。

 ただし、学校での接種は強制力がはたらくという問題もあります。誰が接種して、誰が接種していないかもわかってしまいます。接種するかどうかは個人情報なので、そこが明らかになることは好ましくありません。また、保護者がその場にいないことも問題です。たとえ文章で丁寧に同意をとったとしても、その場にいれば、そのときの体調面の判断もできます。

 

 ――ほかに課題はありますか。

 原則、個別接種にして、本当に円滑に進むのかという課題はあります。ワクチンの輸送や保管には低温管理が必要で、どこでもすぐに打てるわけではありません。また、ワクチン接種に手を挙げる小児科医がどれだけいるかということもまだわかりません。

 また、長期的な安全性など、わかっていないことがたくさんあることは確かです。海外では接種後に、若い人で血栓や心筋炎が確認されたと報告されていますが、たくさんの人に打っていないので、高齢者と比べてどれくらい起きやすいのかなど、低年齢特有の副反応があるかどうかもまだわかりません。

 

 ――社会的な議論が必要ですね。

 ワクチンがなかった間に、いくつかの流行の波があって、対策がうまくいかなかったことは事実です。大人の生活も、子どもの健やかな毎日のくらしも影響を受けています。

 

今後、子どもたちに接種し、接種後の様々な症状が報告されるかもしれませんが、本当に子どもでワクチンのリスクがより高いのかどうか、リスクとベネフィット(利益)を評価する議論が必要になるかもしれません。

(聞き手・後藤一也)

 

 

 

口の細胞、コロナに直接感染 唾液から他人に広がる恐れ

朝日デジタルより抜粋

2021年6月8日 19時00分

 

新型コロナウイルス感染者から採取した唾液を顕微鏡で詳しく調べると、口内から剥がれ落ちた細胞内に、

ウイルス由来のたんぱく質が含まれていた=三上優・ノースカロライナ大研究員提供

 舌や唾液(だえき)腺など、人間の口内の細胞にも新型コロナウイルスが直接感染していることを、米ノースカロライナ大などの研究チームが突き止めた。口内でウイルスが増え、唾液を通じて感染を広げる可能性があるという。専門家は会食など飲食の場での感染対策に一層の注意を呼びかける。

 新型コロナのウイルスは肺やのどの細胞に感染し、肺炎を起こして呼吸困難による重症化を起こす。PCR検査に使う唾液の中にもウイルスが存在することはわかっていたが、口内の細胞に直接感染しているのかは不明だった。

 そこで同大チャペルヒル校や米国立保健研究所(NIH)などの研究チームは、様々な方法で口内での感染の可能性を調べた。

 まず健康な人の舌や歯肉、唾液腺などの細胞をくわしく調べ、肺などと同様に、ウイルスが細胞に侵入するのに使うたんぱく質「ACE2」や、「TMPRSS2」が存在していることを特定した。

 次に、新型コロナで亡くなった患者から提供された唾液腺や軽症患者の唾液を調べ、ウイルスが口内の細胞に感染し、増殖している様子を確認できたという。

 また、ウイルス量の多い患者の唾液を、体外で培養したサル由来の細胞にふりかける実験で、ウイルスが細胞に感染、増殖したことを確認した。唾液が感染を広げることを証明できた。

 無症状の新型コロナ患者でも、唾液からは3週間以上ウイルスが検出された例もあった。味覚や嗅覚(きゅうかく)がなくなった患者の唾液からは、ウイルスが見つかりやすい傾向もみられた。

 こうした結果から、研究チームは、口内の細胞に新型コロナが直接感染する、と結論づけた。

研究者は口内の細胞が、気づかぬうちに感染し、唾液をのみ込んで気管や肺などにウイルスが侵入したり、他人に飛散させたりする「培養装置」になっているとしている。

 チームの加藤貴史ノースカロライナ大研究員(呼吸器内科)は「考えられていた以上に口腔(こうくう)や唾液が重要な感染経路だとわかった。口腔で増えたウイルスが肺などに侵入し、重症化とどう関わるかも研究を進めていきたい」と話した。

 論文は米科学誌ネイチャー・メディシン(https://doi.org/10.1038/s41591-021-01296-8)に掲載された。

 新型コロナの口内での感染については、日本歯科医学会連合が昨年4月、「口腔は、鼻腔(びくう)とともに咽頭(いんとう)や気道より先んじて感染するのだと推測されます」とウェブサイトで市民に注意喚起するなど、可能性が指摘されてきた。

 国が10月に発表した国内のクラスター(感染者集団)事例の分析資料でも、「発症者とスプーンを共用していた」「大皿料理を共有していた」などの例があったと報告。「唾液で感染することを強調すべき」と注意を呼びかけていた。

 日本歯科医学会連合専務理事の小林隆太郎・日本歯科大附属病院教授(口腔外科)は

 「ウイルスを含む飛沫(ひまつ)は見えないので、マスクを適切に着け、

 唾液の飛沫が口に入る可能性が高まる飲食の場ではさらに注意が必要になる」と話す。

(竹野内崇宏)

 

 

沖縄県、酒提供の店に休業要請へ 緊急事態宣言追加で

国吉美香、福井万穂

2021年5月21日 20時54分 朝日デジタルより抜粋

 政府が新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の対象地域に沖縄県を追加した21日、沖縄県の玉木デニー知事は県庁で会見を開き、酒類を提供する飲食店への休業要請などの対策を発表した。県外からの来県自粛も求める。国の沖縄への緊急事態宣言は昨春以来、2度目。県独自の宣言はこれまでに3回出されている。

 県は、政府の対処方針に沿って同日に開いた対策本部会議で県の具体的な施策を決定した。休業要請の対象は、酒類やカラオケ設備を提供する県内全域の飲食店など。その他の飲食店や大型商業施設、スポーツクラブなどには午後8時までの営業時間の短縮を求める。沖縄美(ちゅ)ら海水族館(本部町)や、首里城公園(那覇市)、県立図書館などは休館。部活動は原則禁止とし、一部は時間制限を設ける。

 玉城知事は会見で「県民には我慢をお願いすることになるが、医療体制に鑑み、安心安全の暮らしを守るために感染を抑え込むことが重要」と語った。また「県外からの来訪は自粛してください」と呼びかけ、やむなく訪れる場合はPCR検査の実施や、県民との会食を控えるよう求めた。

 県はこのほか、現在対象となっている「まん延防止等重点措置」に基づき、時短営業に応じない複数の店名を22日に公表し、時短に応じるよう初の命令を出すことを明らかにした。(国吉美香、福井万穂)


 

  速報  北海道・岡山・広島の緊急事態宣言を決定 計9都道府県

 

政府案はねた「追認機関」 変わった専門家、前夜の決意

2021年5月14日 16時11分

 「基本方針対処分科会」に臨む西村康稔経済再生相(右)と政府の対策分科会の尾身茂会長

 =2021年5月14日午前6時59分、東京都千代田区、内田光撮影

 

 新型コロナウイルスの感染状況が悪化する北海道、岡山県、広島県を、緊急事態宣言の対象とする方針が、政府の当初案を変更して急転直下で決まった。この異例の決定を後押ししたのが、基本的対処方針分科会の専門家たちだ。ある決意を胸に、この日の会議に臨んでいた。

 14日朝の基本的対処方針分科会。予定より30分以上遅い午前9時半ごろに終わると、出席していた専門家らは口をそろえて政府対応を評価した。

画期的だ。首相の決断に敬意を表したい

危機感を共有できた。(意見を)持ち帰ってとなれば(改めての判断まで)1週間かかる

ともかく行動が遅いということだったが非常にいい

 政府はこの日朝、岡山、広島両県には「まん延防止等重点措置」の適用を諮った。だが、分科会の了承を得られなかった。そこで政府は、北海道を加えた3道県への宣言に切り替えて再諮問し、了承された。

 政府は普段から、新しい政策を立案する際に専門家の意見をきくが、最終案の了解を得る段階で意見を採り入れることは極めて異例。分科会も、前身の会議を含めて20回以上開いてコロナ対応について様々な意見を伝えてきたが、結果的には政府案に専門家のお墨付きを与える「追認機関」となっていた。

 専門家はもともと、いまの感染状況に強い危機感を持っていた。前週の7日に開いた分科会、似たメンバーで構成する専門家組織が開いた12日の会合で、新型コロナウイルスの新規感染者が改めて増えてきた北海道などで感染予防策を強化すべきだとの意見を出していた。

 それでも政府の動きは鈍く、専門家の間で不満が募っていた。

この会議は何のためにあるんだ。(政府方針に)ゴム印を押すだけの組織なのか

といった意見もあった。

出席者の一人によると、前回の会合で政府対策分科会の尾身茂会長が

政府に強く提案して、政府案を変えることがあっていいんじゃないか

と予言していたという。

 専門家らは13日夜、非公式の会合をオンラインで開いて対応を協議。

「どうやら北海道に緊急事態宣言を出さないらしい。今の政府方針では感染を抑えられない」

「北海道、広島県、岡山県に宣言を出すのが当然だ」

「単に原案を追認することにならないようにしよう」との意見で一致した。

14日の会合では示し合わせた通り、追加の緊急事態宣言を求める意見を出し合った。

 

北海道・岡山・広島の緊急事態宣言を決定 計9都道府県

新型コロナウイルス

2021年5月14日 19時31分

 新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する菅義偉首相

 =2021年5月14日午後6時23分、首相官邸、上田幸一撮影

 

 政府は14日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象に、北海道、岡山、広島の3道県を追加することを決めた。これにより宣言地域は計9都道府県に拡大する。

 緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」には、群馬、石川、熊本の3県を追加適用することも決め、対象地域は計10県となる。

 

 新たに加わる北海道など3道県への緊急事態宣言の期間は16日から31日まで。

 群馬など3県への重点措置の期間は16日から6月13日まで。

 

 14日夕に開かれた政府の対策本部で、菅義偉首相は「比較的人口規模が大きな北海道、岡山県、広島県においては、新規感染者数が極めて速いスピードで増加しており、今朝の分科会における専門家の議論を踏まえ、緊急事態宣言に追加することにした」と述べた。

 政府がこの日午前、専門家らによる「基本的対処方針分科会」に諮った当初案では、重点措置の対象地域として群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県を加えるにとどめ、緊急事態宣言の追加はなかった。すでに重点措置が適用されながら感染状況が急速に悪化している北海道は、鈴木直道知事が札幌市限定の緊急事態宣言を求めていたが、政府は当初案に含めなかった。

 だが分科会では、北海道や岡山、広島両県への宣言適用を求める意見が出るなど了承が得られず、西村康稔経済再生相が菅首相と相談。その後、北海道を含む3道県への宣言を再諮問し、了承された。分科会で政府が示した案が了承されず、変更となるのは初めて。

 宣言の対象地域では、酒類やカラオケを提供する飲食店のほか、酒の持ち込みを認めている店にも休業要請する。また、インドで広がる変異株について、ゲノム解析やPCR検査を実施して監視体制を強めることを、基本的対処方針に追加した。

 

 

東京の感染者、7割が変異株 発熱相談も増加…募る懸念

2021年5月6日 19時32分

釆沢嘉高

    2021年5月6日午後3時41分 都庁

 

 新型コロナウイルスの東京都内での感染者数が、ゴールデンウィーク(GW)後に再び跳ね上がる懸念を都関係者が募らせている。感染拡大の予兆をつかむ指標の一つ「発熱相談件数」や陽性率の上昇が止まらないからだ。こうした状況は感染が急拡大した昨年末の状況と似ているうえ、感染力の強い変異株の広がりも懸念材料となっている。

 「強力な変異株の感染拡大を抑えこむには人流の抑制、感染防止対策のさらなる徹底が必要」

 6日に開かれた都のモニタリング会議で、小池百合子知事はそう訴えた。

 都の6日の新規感染者数は591人。同日までの週平均は736人と、前週の94・2%に減少した。だが、GW中の休診による検査件数の減少や検査結果の報告遅れが影響しているとみられ、「感染者が減ったと受け取るには注意が必要」というのが都の見方だ。

 今後の感染状況はこのまま減少に転じるのか、それとも再び増加するのか。小池知事が懸念材料の一つとしてあげるのが、コロナの感染が疑われる患者らから都の相談センターに寄せられた「発熱相談件数」の増加だ。

 前回の緊急事態宣言が解除された3月下旬は756~1170件だったが、5月に入って連日2千件を突破。週平均件数でも5日時点で2079件と、昨年12月31日以来の2千件超になった。この7日後の1月7日に感染者数が2500人超まで跳ね上がり、発熱相談件数は感染急拡大の前兆の目安とされる。

 GW中の休診で都への相談が増えているともみられるが、都の担当者は「GW明けの件数を注意深く見ていきたい」と警戒する。

 

 感染者の7割近くが変異株 

 市中感染の広がりを示す検査の陽性率も5日時点で9・2%とここ1週間で3ポイント上昇し、この傾向も昨年末の状況と重なっている。

 感染力が1・3~1・9倍強いとされる変異株の拡大も止まらない。6日の都の会議では、都健康安全研究センターのスクリーニング検査をもとにした推計が報告され、直近1週間の都内感染者のうち67・9%が「N501Y」の変異をもつ変異株への感染だった。前々週(32・8%)、前週(59・6%)と比べ、さらに置き換わりが進んだ。

 東京感染症対策センター(東京iCDC)専門家ボードの賀来満夫座長は会議後、

 

 この変異株が感染拡大に大きく影響しているとしたうえで、

 「『3密』でなくても感染は起こる。

 個人が感染対策を徹底していくことが必要だと警鐘を鳴らした。

 

国立国際医療施インターの大曲貴夫・国際感染症センター長も「大流行の主体が変異株に急速に置き換わりつつあり、今後の動向を注視する必要がある」と指摘した。

 都内ではさらに、インドで急増している「L452R」の変異をもつ変異株もこれまで5例が確認されている。今後スクリーニング検査の体制を強化していくという。(釆沢嘉高)

 

 

「まん延防止等重点措置」と緊急事態宣言、どう違う?

 対象地域は…

朝日新聞 永田大

2021年4月1日 18時12分

 新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大している大阪府と兵庫県、宮城県に対し、政府は「まん延防止等重点措置」を初めて適用する。

緊急事態宣言を出す前段階での仕組みとして位置づけられ、緊急事態宣言の前から私権制限を部分的に行い、違反者に罰則を科せるようにできることが特徴だ。

 新型コロナ対応の特別措置法は、「実効性を高める」(官邸幹部)ねらいでこの2月に改正・施行された。

 

これに伴い、緊急事態宣言下で飲食店が休業や営業時間の短縮の命令に応じない場合、行政罰として30万円以下の過料が設けられた。

また、宣言前でも時短命令を出せる「まん延防止等重点措置」が新設され、命令に応じない場合は20万円以下の過料となる。

 

 緊急事態宣言は、感染状況の指標が最も深刻な「ステージ4(感染爆発段階)」相当を要件とするが、「まん延防止等重点措置」は「ステージ3(感染急増)」相当だ。緊急事態宣言に至る前段階で対策を打つことで、早期の感染収束につなげたい狙いがある。

 「まん延防止等重点措置」は国が都道府県や期間を決めるが、具体的な対象区域や対策は知事が判断する

 

対象地域についても緊急事態宣言とは違いがある。

緊急事態宣言は都道府県単位だが、「まん延防止等重点措置」は市区町村単位や一部地域で指定することができるため、より細かな対策を打つことが可能とされる。

 

 一方、緊急事態宣言は幅広い業種に時短や休業命令が可能だが、「まん延防止等重点措置」では、感染拡大のリスクが高い飲食店などに対象が限定される。「まん延防止等重点措置」は時短の要請と命令だけが可能で、休業要請はできない。

 コロナ対策にあたる政府関係者は「まん延防止等重点措置を適用しても、対策が徹底できなければ効果は上がらない」と話す。

 

今回、「まん延防止等重点措置」が適用される関西は1カ月前に緊急事態宣言を解除したばかり。

「宣言慣れ」や「自粛疲れ」が指摘されるなか、「まん延防止等重点措置」に基づく時短がどこまで効果を上げるか。首相官邸幹部は「やってみないと分からない」との見方を示す。(永田大)

 

 

解除後、再宣言も 研究者推計「リスク管理が重要に」

嘉幡久尊敬

2021年3月5日 6時30分

 首都圏の1都3県で続く緊急事態宣言を政府の方針通り2週間延長後に解除した場合、東京都では変化は比較的緩やかだが、千葉県では6月に再宣言が必要なレベルに達するなど、地域ごとに見通しが大きく異なるとの推計を、東大経済学部の研究者がまとめた。感染を抑えつつ経済損失を減らすには、解除後に時短要請や大規模イベント規制などをどのように緩和していくかが焦点になる。

 試算したのは仲田泰祐准教授と藤井大輔・特任講師。行動制限のほか、人の流れの増減に伴って経済活動が活発になったり落ち込んだりする効果を計算に取り入れた。

 2週間延長後の3月21日に宣言を解除した場合、東京都の1日の感染者数は増え続け、7月に約500人でピークに達した後、ワクチンの普及とともに収束する。

 当初の予定通り3月7日に宣言を解除する場合に比べ、ピーク時の人数は半分になり、累計の死者数も700人少ない2100人に抑えられる。

 一方で、経済損失は約1600億円膨らむ。これは東京都のGDPの約0・16%に相当するという。

 1都3県では、感染者数の増加は東京が最も緩やかで、神奈川、埼玉、千葉の順に増え方が急になる。千葉県では6月に解除時の7倍の約370人に増える。過去の例からみて再宣言が必要なレベルという。

 「気の緩み」による感染拡大効果も取り入れたシナリオでも計算した。

 一人の人間が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が1・25倍になると仮定すると、東京以外の3県は夏にはいずれも再宣言が必要なレベルに達する計算になった。

 解除後のシナリオとして、時短要請などの規制を緩和させる速度の効果も検証した。

 感染が落ち着き、Goto事業が続いていた昨秋の経済活動のレベルに何週間かけて戻すかを指標にして計算した。

 8週間かける場合、解除と同時に戻すのに比べて都の1日あたりの新規感染者数のピークは3割程度に減るが、損失は3100億円ほど膨らむという。

 仲田さんは「『解除か延長か』が焦点となった2月とは異なり、たとえば時短要請に伴う営業終了時刻や大型イベントの観客上限などの規制を緩めつつ、感染者の推移をみながら改めて調整する、といった『リスク管理』が重要な局面に入った」と指摘している。

 仲田さんと藤井さんは分析結果を毎週更新し、ホームページhttps://covid19outputjapan.github.io/JP/ で公表している。嘉幡久敬


 

高齢者向けワクチン接種、4月12日から 首相が表明

2021年2月24日 20時09分

 菅義偉首相は24日夜、新型コロナウイルスの高齢者向けのワクチン接種について、4月12日から始める方針を明らかにした。首相官邸で記者団の取材に語った。

 首相は「4月5日の週に、高齢者向けのワクチンを自治体に発送する。12日から接種する予定だ」と述べた。高齢者向けについて、ワクチンの調整を担う河野太郎行政改革相はこれまで「4月1日以降」と説明し、日付については言及していなかった。

 一方、新型コロナ対応の特別措置法に基づき3月7日を期限に10都府県に出している緊急事態宣言について、首相は「感染者が大きく減少している。(宣言解除を)繰り上げて、という知事からの要望があったことも事実だ」としたうえで、26日に感染症や経済の専門家らでつくる諮問委員会を開く方針を表明。「先生方からさまざまな意見をうかがうなかで、判断していきたい」と述べた。

 政府は大阪・兵庫・京都の関西3府県、愛知・岐阜の東海2県と福岡県の計6府県は先行して解除できるか検討している。東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県は期限いっぱいまで続ける方針だ。首相は記者団の取材に応じるのに先立ち、加藤勝信官房長官や田村憲久厚労相、西村康稔経済再生相らと対応を協議した。

 

 

 ワクチン接種の流れは 持病があっても子どもは対象外 

新型コロナウイルス

土肥修一 富田洸平、野口憲太

2021年2月15日 21時05分

 

 米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は14日、製造販売を特例承認した。新型コロナのワクチンが承認されるのは、国内では初めて菅義偉首相は15日の衆院予算委員会で医療従事者向けの先行接種について、「17日には開始したい」と述べた。

 

厚労省の審議会は15日、このワクチンを病気の蔓延(まんえん)を防ぐために緊急の必要がある「臨時接種」に位置づけることを了承した。

 

対象は16歳以上で、すでに新型コロナに感染したことがある人も対象とする。費用は国が負担し、無料になる。

 

 対象者には、予防接種法に基づき接種を受けることに努めなければならない「努力義務」が課せられる。努力義務は社会全体を感染症から守るために、ほかの定期接種でも設けられている規定。

 

接種はあくまでも努力で強制ではなく、罰則もない希望した人が受けるのが原則だ。

 

 今回のワクチンでは、妊婦は接種の有益性とリスクを慎重に判断する必要があるため、努力義務の対象とはしない。一方、授乳中の人は欧米で乳児へのリスクがあるとの報告がないことなどから対象とした。

 

ワクチンは筋肉内への接種となり、1回目から3週間後に2回目を接種する。ほかのワクチンとの同時接種は認めず、13日以上の間を空けることとした。

 

ワクチンの副反応への備えとして、接種後15分以上は会場で様子をみるとし、過去に「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー反応を起こした人などは30分待機するとした。(土肥修一)

 

4月めど、高齢者から接種

医療従事者の接種が順調に進めば、4月にまずは、65歳以上の高齢者(約3600万人、2021年度中に65歳に達する人も含む)の接種が始まる予定だ。

その後、厚労省が対象に決めた持病がある人と高齢者施設などの職員、それ以外の住民――の順で進む見込み。ワクチン供給が予定より早く進めば、60~64歳の人を持病がある人と同時期に接種することも政府は検討している。

 

 一方、今回のワクチンは16歳以上が対象で、持病があっても子どもは対象外だ。今後、他のメーカーも含めて子どもが対象になるかは現時点では見通せない。

 

 接種は原則、住民票のある自治体で受ける。

接種券を含む「クーポン」は自治体から郵送で届く。65歳以上の高齢者のみ3月下旬に発送され、それ以外の人には4月以降に一斉に送られる。厚労省は、当面、16歳未満の人に接種券は配らないとしている。

 クーポンは2回分の接種券と、接種後にワクチンのメーカーや製造番号などが書かれたシールが貼られる「接種済証」が一体になっている。ファイザー社製などは2回接種が必要なためで、紛失しないよう保管することが必要だ。

 高齢者の接種以降、持病がある人は、自治体が定める期間に自己申告すれば優先的に接種を受けられる。

厚労省は「持病を証明する書類などの提出は求めない」としている。

持病のない人は、自治体から接種時期の案内があるまでは待つ必要がある。

 

 予約は厚労省が設ける予定のウェブサイトで接種会場を探すか、市町村が設置するコールセンターなどに電話するケースが想定される。

厚労省は、体育館などでの集団接種と、診療所での個別接種を提案しており、自治体が地域の実情に合わせて決める。

 

 接種当日は、接種券と本人確認のための運転免許証などの身分証明書を会場に持参する。

会場では「予防接種で具合が悪くなったことがあるか」といった質問が書かれた予診票を記入。接種後は体調を確認するため、しばらく待機する。

 

 2回目の接種は1回目の接種から一定の期間を空けなければならないため、1回目が終わった後に改めて予約することになる。

 欧州でワクチンの「囲い込み」ともいえる動きが出るなど、ワクチンの供給ペースが見通せないこともあって、4月以降のスケジュールはいまだ不透明な面もある。今後の日程は政府が大まかに示し、自治体が詳細を決めて広報する。自治体によって、対象者の接種時期に違いが出る可能性もある。

 

スムーズな進行が課題に

 実際の接種へ向けて、国も自治体も、直前まで準備に追われそうだ。

 1月末に川崎市であった集団接種を想定した訓練は、市内の短期大学の体育館で行われた。接種を受ける人が順番にブースを回ったが、受付から完了までにかかった時間は、順番が先の人では13分だったが、後ろの人では26分と倍になった。これだと1時間あたり接種を受けられるのは30人ほど。厚労省が事前に開いた自治体への説明会で示した「1時間あたり40人」より少ない。訓練では、参加者が医師に不安や持病を質問して問診で時間がかかる場面があったといい、スムーズな進行が課題だ。

厚労省が新たに打ち出した診療所などでの「個別接種」も、一部自治体が想定していたバイク便でのワクチン輸送が不可となるなど、実現までにクリアすべき課題も少なくない。接種にあたる医師や看護師の確保の難しさも指摘されており、医療関係者からは、供給日程などの情報を国が速やかに開示するよう求める声もあがる。(富田洸平、野口憲太)

 

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは何ですか?

 COVID-19とはcoronavirus disease 2019(2019年に発生した新型コロナウイルス感染症)を略した言葉です。SARS-CoV-2と呼ばれるウイルスが原因で起きる感染症ですが、2019年の終わりごろに発生したのを皮切りに、あっという間に世界中に感染が拡大しました。

新型コロナウイルスに感染すると、発熱や咳、息苦しさ、その他の症状が現れ、感染が肺に及んで肺炎が起きると呼吸困難に陥ります。

 

新型コロナウイルス感染症はどうやって広がるのですか?

 新型コロナウイルス感染症は人から人へと感染して、発症します。感染した人が咳やくしゃみをしたり、他の人に近づいてしゃべったりすることが、感染の主な原因になっています。ウイルスは、感染した人の肺と気道を通って出てくる微細な粒子を介して広がり、この粒子は空気の流れに乗って、そばにいる人に簡単に届きます。同じ空気が循環し続ける屋内などでは、離れたところにいる人にまでウイルスが混ざった粒子が届くことがあります。

このウイルスは一緒に暮らしている人たちの間ですぐに広がりますが、人が集まって近づいてしゃべったり、握手したり、ハグしたり、同じ皿から食べ物を取り分けたり、一緒に歌ったりするだけでも簡単に広がってしまうことがあります。飲食店で食事をすると他の人と近づくことが多く、マスクも外すことから、感染のリスクが高くなります。新型コロナウイルスが付いたものに触れた手で口や鼻や目を触ることでも感染すると、医師の間では考えられています。

また、感染者からペットなど動物にうつる可能性もあるようですが、そうめったにあることではないようです。ペットからの感染については、はっきりとした証拠はありません。

まったく症状がなくても感染していることがあり、人にうつすこともあります。そのため、感染の拡大を遅らせるには、周囲の人と距離をとることが大変有効な手段なのです。

 

新型コロナウイルス感染症にはどんな症状がありますか?

 症状は通常、ウイルスに感染して4、5日後に現れますが、人によっては長ければ2週間たってから症状が出ることもあるようです。一方で、まったく症状が出ない人もいます。

現れる症状には次のようなものがあります。

● 発熱

● 咳

● 息苦しさ

● 体のだるさ

● 悪寒

● 筋肉痛

● 頭痛

● 喉の痛み

● においや味がわからなくなる

 

 

吐き気や下痢といった胃腸の症状が出る人もいます。また、発疹やそれ以外の皮膚症状が起きるという報告もあります。感染した人の手足の指に赤紫色の発疹が出たというのが、その一例です。ただ、その理由やそれがどの程度頻繁に起きるのかはわかっていません。

ほとんどの場合は数週間たつと回復しますが、数が少ないとは言え、病状がとても重くなって思うように息ができなくなる人もいます。ひどい場合は、内臓が機能しなくなって死に至ることすらあります。

新型コロナウイルス感染症にかかると、人によっては症状が何週間あるいは何か月も続くことがあります。入院する必要があるほど病状の重い人ほどこうなりやすいようですが、病状がそれほど重くない人でも症状が長引くことがあるようです。新型コロナウイルス感染症の長期的な影響については、医師の間でいまも調査が続いています。

子どもも新型コロナウイルスに感染しますが、大人に比べれば重症化する可能性は低いようです。

 

新型コロナウイルス感染症にかかったら重症化する危険性はありますか?

 重症化するかどうかは年齢と健康状態によります。人によっては、肺炎、酸素不足、心臓病などの深刻な問題を引き起こし、場合によっては死に至ることもあります。重症化するリスクは高齢者ほど高くなります。また、重い心臓病、慢性腎臓病、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、かま状赤血球症、肥満といった持病のある人も重症化しやすくなっています。他の理由(HIV感染や特定の薬の使用など)で免疫系の働きが弱っている人や、ぜんそく、のう胞性線維症、1型糖尿病、高血圧といった病気のある人も重症化するおそれがあります。

 

新型コロナウイルス感染症の検査はあるのですか?

 あります。医師や看護師が新型コロナウイルス感染症を疑うと、鼻や口の内側を綿棒でぬぐって検査します。場合によっては唾液を取ることもあります。こうして検査することで、新型コロナウイルス感染症なのか他の病気なのかがわかります。

場所によっては、医師や看護師の診察を受けてからでないと検査を受けられないところもあります。一方で、医療系の組織・団体が希望者全員に検査をするところもあります。検査を請け負っている会社にもよりますが、検査結果が出るまで数日かかることもあります。

新型コロナウイルス感染症の診断では、「核酸増幅検査」か「抗原検査」のどちらかを行います。核酸増幅検査ではウイルスの遺伝子の有無を、抗原検査ではウイルスのタンパク質の有無を調べます。抗原検査の方が早く結果がわかりますが、核酸増幅検査なみの正確な結果は得られません。抗原検査では結果が「偽陰性」になる可能性が高くなります。偽陰性というのは、本当は感染しているのに検査結果が陰性になることを言います。

今までに 新型コロナウイルスに感染したかどうかがわかる血液検査もあり、これを「抗体検査」といいます。一般的にこの検査だけをもとに新型コロナウイルス感染症を診断したり、治療方法を決定したりすることはありませんが、専門家はこれを利用して特定の地域で無症状の感染者が何人いたのかを知ることができます。ただ、感染後どのくらいの期間、抗体が検出されるのかは専門家の間でもわかっていません。

 

新型コロナウイルス感染症は予防できますか?

 新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発が専門家の間で進んでいます。ワクチンが広く普及して大勢の人がこの予防接種を受ければ、感染の拡大は収まる可能性があります。

誰もが予防接種を受けられるようになるまでは、他の予防策をとって感染の拡大を防ぎましょう。誰にとっても役立つ方法ですが、感染者の多い地域ではとりわけ有効な手だてになるでしょう。

 

自分自身や周囲の人を感染から守るために、次のことを実行しましょう。

 

「ソーシャルディスタンス」の実行

 まず、具合の悪い人に接触しないことが一番重要です。ソーシャルディスタンスには、同居している家族を除き、 誰のそばにも寄らないという意味もあります。フィジカルディスタンス(物理的距離)と表現することもあります。

人が集まっている場所を避けることが、ソーシャルディスタンスを実践する上で一番重要なことですが、たとえ少人数であっても人が集まると感染する危険性が高くなるので、できるだけ家から出ないのが最善の選択でしょう。どうしても外出する必要があるなら、できるだけ周囲の人から6フィート(約2 m)以上離れるようにしましょう。

 

マスクをする

 外出しなければならないときにはそうしてください。さまざまな国の専門家が外出時にマスクをすることを勧めています。症状はないにしても新型コロナウイルスに感染している人が口と鼻を覆うことで、周囲の人にうつす確率が低くなるからです。それだけでなく、感染しないようにする手だてになるかもしれません。マスクをするときは口 と鼻をしっかりと覆ってください。

布マスクも(医療用以外の)使い捨てマスクも店やネット通販で買えます。専門家はたいていの場合、医療用と手術用のマスクは医療従事者に回すようにと呼びかけています。布マスクは、生地を何枚か重ねると効果が高くなります。マスクを取るときは目や鼻や口に触れないように注意し、その後よく手を洗ってください。布マスクは他の洗濯物と一緒に洗ってかまいません。

 

手を洗う

 せっけんと水で頻繁に洗います。公共の場から帰ってきたり、ドアノブや手すりのように大勢の人が触れる物に触ったりした後は、手を洗うことがとりわけ重要になります。このような物を介した感染リスクはあまり知られておらず、その可能性もあまり高くはないようです。それでも、こまめに手を洗う方がいいでしょう。手洗いはインフルエンザや風邪のような他の感染症の予防にもなります。

手にせっけんをつけて手首、爪、指の間を20秒以上かけてこすり洗いするようにしてください。その後は流水でよく洗い流して、使い捨てのペーパータオルで拭いて乾かします。こうして手を洗えない場合は、ハンドジェルで手を消毒してもかまいません。アルコールの量が60%以上入ったジェルも大変効果がありますが、できればせっけんと水で洗うのが一番です。

 

顔を触らない

 特に口・鼻・目を触らないようにします。

 

旅行しない

 できるだけ遠出しないようにしてください。一部の専門家は、新型コロナウイルスの感染者が多い特定の国や地域への旅行や、そこからの帰国もやめるように推奨しています。どのような移動手段であっても、空港のような混雑した場所にいるだけで感染のリスクが上昇してしまいます。

どうしても旅行しなければならない場合は、目的地での新型コロナウイルス感染症に関する決まりを必ず確認しましょう。米国の場合、ある州から他の州に行くとき(または戻ってきたとき)に、一定期間の「待機」を求められることがあります。ここでいう待機とは、外出せず誰にも会わないということで、新型コロナウイルスの新たな感染者を増やさないようにすることを目的としています。

 

どうしてソーシャルディスタンスをとることが大切なのですか?

 周囲の人と一定の距離をとることは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための最善策です。このウイルスは濃厚接触を介して簡単に感染すること、そして必ずしも感染者を見分けられるわけではないことから、ソーシャルディスタンスが大切になります。これから寒さが増す地域では屋内で過ごすことが多くなり、新型コロナウイルスに感染する人も増えていきます。

 あらゆる施設は閉まったままで、学校は休校に、保育園などは休園に、事業所は休業していて、営業していても中には新しく規則を定めるところもあります。イベントもキャンセルや延期になったりする状況が続いています。ソーシャルディスタンスをとる目的は大勢の人が集まらないようにするだけではありません。たとえ少人数であっても、同居する家族以外の人たちと 集まらないようにすることが一番の安全策なのです。友人や親戚と連絡をとりあうのに電話やインターネットといった方法がとても役に立っていると、多くの人は感じているのではないでしょうか。家に庭があったり、時間のあるときに人通りの少ない所を散歩したりできれば、ちょっとした気晴らしになるでしょう。

ソーシャルディスタンスの日々にうんざりして、人と集まりたくなるのは当然のことです。通常であれば家族や親戚や友人と集うこのクリスマスや新年の時期に、そういうことができないのは特につらいと感じている人も多くいることでしょう。ですが、こうして集まる機会をできるだけ減らすことが重要になります。どうしても家族や親戚や友人と集まるということなら、次のことに注意してください。

屋外にいても屋内にいても新型コロナウイルスに感染する可能性はありますが、屋外の方が多少感染の可能性が低いことを覚えておいてください。

接する人の数と機会が多いほど、感染する(させる)リスクも高くなります

こまめに手を洗う、周囲の人と6フィート(2 m)以上間隔をあける、そして布マスクをすることで、あなただけでなく他の人が感染するリスクを低下させることができます。

 

仮に、新型コロナウイルス感染症の症状が軽かったとしても、他の人にうつしてしまい、その人に重い症状が出るかもしれないことを忘れないでください。ソーシャルディスタンスをやめてしまうと、新型コロナウイルスは拡大し続けます。

 

集団免疫とはどういうことですか?

 「集団免疫」というのは、ある病気に対して多くの人に免疫ができ、その病気が簡単に広がらなくなる状態のことをいいます。「免疫ができる(免疫を獲得する)」というのは、その病気にかからなくなることです。免疫ができる理由は予防接種だったり、一部の感染症の場合は、感染して回復したあと一定の期間だけ得られるものだったりします。

 いずれ新型コロナウイルスのワクチンが広く利用できるようになれば、予防接種を受けた大勢の人に免疫ができて、感染したりさせたりする可能性が低くなります。こうなれば、事情があって予防接種を受けられない人を守れるようにもなります。これが集団免疫の働きです。

予防接種を受けずに集団免疫ができないのかと思う方もいらっしゃるでしょう。それを実現させようとすると、無事に治って免疫ができることを期待しながら大勢の人にわざと感染させなければならなくなりますが、それは むちゃな話としかいいようがありません。新型コロナウイルスに感染しても大半の人は重症化したり亡くなったりせずにすんでいますが、なかには若い健康な人であっても深刻な状態になる人がいます。また、自分自身は重症化しなかったにしても、そうなりやすい人にうつしてしまう可能性もあります。そのことからも、一部の人だけを感染させるというのはかなり危険なことです。その上、治った後どの程度の期間免疫が続くのかは専門家にもわかっていません。だからこそ、ソーシャルディスタンス、マスクの着用、こまめな手洗いを続けるしかありません。ご自身と周囲の人を守るには、今のところこれが最善の方法です。

 

症状が現れたらどうすればいいですか?

 発熱や咳、息苦しさ、その他の新型コロナウイルスの症状が出たら、医師に連絡しましょう。まず症状を聞かれ、最近どこかへ旅行しなかったか、感染しているかもしれない人との接触がなかったか、といったことも聞かれるかもしれません。その後、受診するか、検査を受けに行くかを指示してくれます。

あまり症状が重くないようなら、 医療機関に行く前に電話で確認するようにしましょう。どうしたらいいのか、また実際に診てもらう必要があるのかを教えてくれます。症状が軽いようであれば家から出ないようにして、良くなるまで他の人との接触を避けましょう。医療機関に行かなければならないようであれば、必ずマスクをしてください。こうすることで他の人への感染を防げます。医療機関の職員から、他の人から離れて待つように指示されることもあります。

かなり具合が悪くて、すぐに医療機関に行かなければならないような状況でも、できれば先に電話をしてください。事前に連絡しておけば他の人を感染から守る準備を整えられるだけでなく、あなたにも対応することができます。救急外来に行く必要があると思うほど具合が悪い場合は、 救急車を呼んでください(米国・カナダでは911に電話してください)。

 

具合は悪くないけれど感染しているような気がしたらどうすればいいですか?

 感染者と濃厚接触したことがあるようなら、たとえ症状はなくてもできれば検査を受けるようにしてください。どこに検査を受けに行けばいいのはわからない場合は、医師や看護師に電話をしてください。それから自宅で自己隔離して症状が出てこないか様子をみます。自己隔離というのはできるだけ外出せず、家庭内でも家族から6フィート(2 m)以上離れて過ごすということです。

感染した可能性があるなら2週間自己隔離するのが一番安全な方法です。お勤めの方や学生さん、その他のことでお忙しい方がご自身を隔離するのはとても難しいことだと思います。公衆衛生局もこの点は理解しているので、地域によってはとくに検査結果が陰性だったときは隔離期間の短縮を認めているようです。隔離期間がどのくらいになるのかわからなければ、お住まいの地域の公衆衛生局や医師などにお尋ねください。

ただ、隔離期間が早めに終わったとしても、症状が出てこないか2週間きっちりと様子をみてください。なんらかの症状が出たら、すぐに医療機関に連絡してください。この2週間はマスクをすることとソーシャルディスタンスに、いつも以上に気を配ってください。

 

新型コロナウイルス感染症はどうやって治療するのですか?

 多くの人は回復するまで自宅で過ごせますが、重い症状のある人や持病のある人は病院に行くことが必要になるかもしれません。

 

軽症

発熱や咳のような症状はあっても、息苦しくはない状態です。新型コロナウイルス感染症にかかった人の大半は、良くなるまで自宅で療養できます。2週間ほどで症状は治まりますが、人によって回復する期間は異なります。

療養している間は、医師や看護師からやめてもいいと言われるまで、自宅で「自主隔離」することが重要になります。ここで言う自主隔離とは、同居する家族も含めて誰のそばにも近づかないということです。症状が出てからどれくらいの期間が経っているか、場合によっては検査結果が陰性(ウイルスが体内からなくなること)になっているかによって、自主隔離を解く時期は異なります。

重症

前述よりもっと重い症状があって息苦しさを伴うようなら入院することになり、場合によっては集中治療室(別名ICU)で治療を受ける必要があるかもしれません。入院中は、おそらく特殊な隔離室で治療を受けることになります。ここに入れるのは専任のスタッフだけで、そのスタッフも防護服や手袋、マスクやゴーグルを身につけなければいけません。

医師などが患者さんの呼吸やその他の身体機能をモニタリングして必要に応じたサポートをし、できるだけ快適に過ごせるようにします。呼吸が楽になるように、酸素吸入が必要になることもあります。呼吸困難になっている場合は呼吸がしやすくなるように、気管内チューブが必要になるかもしれません。このチューブは喉を通って肺まで挿入しますが、人工呼吸器という機械につながっていて、楽に息ができるようにします。

多くの医師が、新型コロナウイルス感染症の複数の治療法を調べているところです。医師が重症患者さんに効果のあった薬を使うように勧めることもありますし、治験に参加することを勧めるかもしれません。治験というのは新しい治療薬の効果を調べる科学的研究のことです。医師に相談せずに新しい薬や治療法を試すようなことは 絶対にしないでください。

 

家族が新型コロナウイルス感染症にかかったらどうしたらいいですか?

 ご家族の中に新型コロナウイルスに感染した方がいる場合、ご自身と他の家族を守るためにできることは他にもあります。

●感染者を他の家族から遠ざける-感染者は別室で過ごし、可能ならトイレも別にします。食事も自室で食べるようにします。

また、回復するまでは家の中で飼っているペットとの接触をやめるようにと、専門家は伝えています。

●マスクをしてもらう-感染者が家族と同じ部屋にいるときはマスクをしてもらいます。感染者がマスクをつけられないようなら、ご自身が鼻と口を覆うようにすればいいでしょう。

●手を洗う-せっけんと水で頻繁に手を洗います。

●こまめに掃除・洗浄する-役に立つ具体例を以下にご紹介します。

•掃除の際には使い捨て手袋を着用する。感染者の洗濯物や食器類、ゴミなどを触らなければならないときも手袋をすると良いでしょう。手袋を外した後は手を洗ってください。

•頻繁に触るものを定期的に掃除する。カウンター、ベッドサイドテーブル、ドアノブ、コンピューター、電話機、浴室なども拭いたり掃除したりします。

•家の中の物はせっけんと水で掃除し、使用できる物には消毒薬を使います。除菌効果はあってもウイルスには効果のない洗剤もあるので、必ず表示を確認してください。

 

妊娠していますがどうしたらいいですか?

 妊娠さんが新型コロナウイルス感染症のことで不安に思うことがあれば、かかりつけの医療機関にご相談ください。できる限りことをしてくれるでしょう。

 

ストレスや不安にはどう対処すればいいですか?

 新型コロナウイルス感染症のことで不安になったり、憂うつになったりするのは当然のことです。段どおりの生活ができず、友人や親戚とも会えなくて、ストレスを感じたり寂しくなったりしても不思議ではありません。そんなときは次のようなことを試してみて、ご自身を大切にしてお過ごしください。

●ニュース番組を見るのはほどほどにする

●定期的に運動して栄養バランスのとれた食事を心がける

●家の中で楽しんでできることを探す

●友だちや家族と連絡をとりあう

①家で過ごすこと、②マスクをすること、③集まりには行かないことが地域の人たちを守ることにつながるのを忘れないようにしましょう。

新型コロナウイルス感染症にかかったとして、もしものことを考えて心の準備をしておくのも大事ですが、自分自身が感染しないようにし、感染拡大を遅らせるためにできることをするのはもっと大事です。ただ、パニックに陥らないようにしてください。

 

イギリス、南アフリカの変異種とは

 若年層重症化しやすくなる可能性も指摘

12/29(火) FNNプライムオンライン

 新型コロナウイルスの ワクチンの普及を前に確認された、新たな2種類の変異種

その特徴など、くわしいことは、まだわからないことが多いが、現時点で指摘されていることをまとめた。

 

 まず、「感染力」について。

イギリスで広がっている変異種については、従来のものより、1.7倍感染力が強い可能性があると指摘されている。

南アフリカで広がっているものについては、見方が分かれていて、イギリスの保健相は、イギリスで拡大している変異種よりも感染しやすい可能性があるとしているのに対して、南アフリカの保健相は、そういったデータはないと反論している。

また、どちらの変異種も、子どもや若者が感染しやすくなったり、重症化しやすくなる可能性が指摘されている。

イギリスでは、政府の諮問機関のメンバーが、子どもの方が感染しやすい兆候があると、現地メディアに回答したほか、南アフリカでも保健相が、若者の症状が重くなっていると明らかにしている。

 

「新型コロナ後遺症と今後の課題」(視点・論点)

2020年12月21日 (月)

国立国際医療研究センター 国際感染症センター 医師 森岡 慎一郎

 

はじめに

 新型コロナウイルス感染症罹患後に急性期症状が遷延したり、回復後に症状が出現したりする、いわゆるコロナ後遺症があることがわかってきました。きょうは、後遺症の疫学調査を行うことになったきっかけ、後遺症の種類や持続期間、考えられる原因と治療法、今後の課題をお話しします。

 

後遺症の疫学調査を行うことになったきっかけ

 国立国際医療研究センターでは、2020年1月の武漢帰国便や2月のダイアモンドプリンセス号など、新型コロナウイルス感染症対応の初期段階から、多くの患者さんを受け入れてきました。患者さんの中には、退院後もだるさ、息切れ、においや味がしないなどの症状が続く、毛が抜けると訴える方がみえました。当初、我々は、気持ちの問題ではないかと考えておりました。しかし、このような訴えのある患者さんが一定数みえ、コロナの後遺症ではないかと考えるようになりました。6月頃だったと思います。そのころ、世界中でSNSを通して、このような後遺症で苦しむ患者さんが紹介され、一部には必要以上に不安を煽る内容があったと記憶しております。我々は、後遺症を正しく知り、正しく恐れるため、客観的な疫学情報を得ることを目的に後遺症の調査を行いました。

 

4ヶ月以上続く後遺症

 新型コロナウイルス感染症の後遺症については、7月ごろから海外からの報告が出てきました。イタリアからの報告では、発症後60日の段階で87%の患者が何らかの後遺症を訴えていました。

特にだるさや呼吸苦の頻度が高く、関節痛、胸痛、咳、嗅覚障害、目や口の乾燥、鼻炎、結膜充血、味覚障害、頭痛、痰、食欲不振、のどの痛み、めまい、筋肉痛、下痢など、さまざまな症状がみられました。
我々は7月から8月にかけて、2~6月に当院を退院した患者さんに、電話で後遺症に関する聞き取り調査を行いました。聞き取りができたのは63人で、平均年齢は48歳。約9割が日本人でした。75%が新型コロナウイルス肺炎と診断されましたが、酸素投与を受けた中等症患者が27%、人工呼吸管理を受けた重症患者が8%。大半は軽症患者でした。
結果は、発症から約2か月で48%の方に、
約4ヶ月経っても、27%の方に何らかの後遺症を認めました。

 この図は新型コロナウイルス感染症発症からの日数と、急性期症状を有する患者さんの割合の関係を表したものです。呼吸苦、だるさ、嗅覚障害、せき、味覚障害といった症状が、発症2か月後も5~18%、発症から約4か月後も2~11%続いていました。

 こちらは、新型コロナウイルス感染症発症からの日数と、脱毛を有する患者さんの割合の関係を表したものです。脱毛は全体の24%の方で見られました。発症後約1か月から出現し、症状持続期間は平均76日でした。

 

後遺症の原因
 こうした
後遺症は、いくつかの症状が複合的に絡み合ったものと考えられます。


 1つ目は、集中治療後症候群です。

これは、集中治療室での治療後に生じる身体障害・認知機能障害・精神の障害を指すものです。しかし、新型コロナウイルス感染症の場合は、重症者の多くが高齢者で、ワクチンも特効薬もない感染症で治療が長期化したこと、厳重な感染対策のために家族や友人とも会えず孤独な闘病をよぎなくされたことなどから、いっそう重い症状が現れた可能性があります。


 2つ目は、急性期の症状が遷延しているタイプ」です。

この「持続型」の後遺症で最も多くみられたのは、肺の機能低下と関係する症状です。

肺の細胞で増殖したウイルスが重い肺炎を引き起こした場合、その肺炎が治る際に細胞の壁が硬くなる「線維化」が起こるなどして、長引く呼吸苦やせきの原因になります。
味覚障害・嗅覚障害は、新型コロナウイルス感染症の最も特徴的な症状です。これは、特に若い世代や女性に多く見られます。この症状が長く続く人の話によると、「人生の楽しみを奪われたようでつらい」、「精神的にも落ち込む」と語られています。


 3つ目は、ウイルス後疲労症候群です。

これは急性期ではなく、回復後に出てくる症状です。

発症から約110日後に電話で聞き取った回復者のうち、約3割の人に脱毛、記憶障害、睡眠障害、集中力低下などの症状が見られたというフランスからの報告があります。

日本の報告でも脱毛は同じように発現しています。ウイルスが直接影響した症状ではなく、感染による肉体的精神的ストレスによって起きている可能性が指摘されています。

 

4つ目は、心臓や脳への影響です。

新型コロナは、肺だけでなく、心臓や脳にも感染し深刻な障害を起こす恐れがあるとの報告が相次いでいます。脳では髄膜炎や脳炎、心臓では心筋炎や心房細動などが出る方もいて、後遺症が心配されます。


いま後遺症を引き起こす仕組みにも複合的な要因があることがわかってきています。

 

VTR(サイトカイン・ACE2)

 一つは、肺に侵入したウイルスが増殖すると、そのウイルスを撃退しようとして免疫細胞がサイトカインと呼ばれる生理活性化物質を過剰に放出し、全身の正常な臓器を障害する仕組みです。
もう一つは、新型コロナがもつスパイクと呼ばれる突起が、人間の細胞の表面にあるACE2という受容体と結合することで細胞内にウイルスが直接侵入・増殖し、多臓器を障害する仕組みです。

ACE2は肺や心臓、血管内皮、小腸などの細胞、鼻やのどの粘膜に多く見られ、脳でもACE2が多く見られる部分が確認されています。ACE2は年齢とともに増加するとされていて、このことが、年齢が高いほど重症化するリスクが上がることに関係していると考えられます。

 

治療

 今のところ、これらの後遺症に対する確立した治療法はなく、対症療法が中心となります。

今後の研究において、新型コロナウイルス感染症後遺症の病態を解明していくとともに、有効な治療法を見つけていく必要があります。

 

今後の課題

 今後は、まず新型コロナウイルス感染症後遺症の概念を多くの方に知ってもらうことが大切です。特に、回復後の患者さんが受診するような開業医の先生方には広く認知していただきたいと思います。


 次に、後遺症により、仕事に行けないなど生活に支障をきたした場合の救済問題があります。これは、後遺症をどのように定義するかにかかわる難しい問題です。なぜなら、後遺症の症状は主観的な訴えが多く、検査値など客観的な指標で後遺症を定義づけることが困難だからです。これも今後の課題です。
 臨床研究の面では、今後はさらに多くの患者さんにご協力いただき、後遺症が出現もしくは遷延するリスクを見つける予定です。さらには、病態解明による有効な治療薬開発につなげたいと考えています。

 

コロナに罹患しないことが最大の後遺症予防

 最後に、最近では「コロナはただの風邪」という言葉を耳にします。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症は、後遺症という点だけ見ても風邪やインフルエンザとは異なり、一緒のように考えてはいけません。多様な症状が月単位で長引き、回復者の生活の質を低下させ、美容というデリケートな面でも問題を引き起こしています。

重症者だけでなく、軽症・中等症の患者や若い世代にも一定の割合でつらい後遺症が長く続くという実態を知っていただければ、「若いから感染しても大丈夫」とは決して言えないことをわかっていただけると思います。

 

ウイルスの増殖や細胞へのウイルスの侵入を止める決定的な治療薬が開発されたり、有効性と安全性が確認されたワクチンが広く普及されたりするまでは、できるだけ感染しないように基本の感染対策を続けていくことが大切です。

 

治っても後遺症? 新型コロナの恐ろしさ、新たな闘い

朝日新聞アピタルより抜粋

2020年7月18日

           新型コロナウイルス感染から2カ月後の続く症状

 

 新型コロナウイルスに感染後、治ったはずなのに、疲れや息苦しさなどの症状が続く人がいる。新しいウイルスのため、長期間の影響についてはわからないことが多いが、国内外で「後遺症ではないか」との報告が相次ぐ。厚生労働省は実態調査を、8月から始めることにした。

 

新型コロナウイルスの怖さは、知らない間に感染が広がるだけではなさそうです。治ったはずなのに、多くの人の体と心に症状が出ています。

 

退院後もだるい

 4月上旬に新型コロナウイルスに感染した千葉県の10代の男子学生は、発症から3カ月以上が過ぎた今も、熱や頭痛、だるさ、胸の痛みが残り、湿疹が不定期に出る。

 陽性とわかった後、病院のベッドに空きがなく、自宅で待機した。20日後に入院でき、約2週間後に退院した後はホテルや自宅で療養したが、不調が続き、6月に再入院した。今は退院して自宅にいるが、症状がつらくなると受診する。

 「陰性になったら2週間ぐらいで治るのかと思っていた。この状態がずっと続くのか不安になる」。秋に復学を目指すが、十分に体調が戻っているか、自信はないという。

 

 中国・武漢で原因不明のウイルス性肺炎が広がっていると報告されてから約7カ月。まだ新しい感染症のため長期的な影響は明らかではないが、後遺症の報告が少しずつあがっている。

 

#コロナ後遺症

 ツイッターでは「#コロナ後遺症」とハッシュタグを付け、断続的な熱の上昇やめまい、疲労、味覚や嗅覚(きゅうかく)の障害などを訴える投稿が複数ある。

 

イタリアの病院の医師らは7月、新型コロナのため入院し、その後、回復して退院した143人の9割近くに何らかの症状が続いていることを、米国医師会雑誌に報告した。

 初めに症状が出てから平均2カ月後の状況を聞いたところ、87%は疲れや呼吸困難など一つ以上の症状があった。最も多い症状は疲労で53%、呼吸困難が43%、関節痛が27%、胸痛が22%と続いた。

 

 

新型コロナ感染の後遺症で脳が10歳も老化する?

<新型コロナ感染症にかかった人の脳は、最高で10歳も老化し、高度な思考力が
 目に見えて減退する可能性があるという恐るべき研究結果が発表された>

2020年10月28日(水)17時55分

カシュミラ・ガンダー

 新型コロナウイルス感染症にかかった人は、脳が最高で10年も老化する可能性があるという研究結果が発表された。

この研究はイギリスで行われたもので、新型コロナウイルス感染症(未確認症例含む)から完治した8万4000人以上の元患者に対して、思考能力をテストした。研究結果は専門家の検討前に医学系論文を事前公開するサイト「medRxiv」に掲載されている。学術誌での発表に必要な厳格な査読プロセスを経ていないため、この結果は慎重に受けとめる必要がある。

研究の参加者は、いずれも新型コロナウイルスの感染が確認されたか、あるいは感染が疑われた経験があると答えた人々で、症状が続いた期間、重症度、基礎疾患の有無といった質問に答えた。また、問題解決能力、空間記憶力、注意力、感情の調節能力などを測定するテストを受けた。

思考力テストの結果は、比較対象のため、新型コロナに感染したことのない人々のテスト結果と比較された。すると、新型コロナ感染症の元患者は、非感染者よりも認知力テストの成績が悪いことがわかった

新型コロナと認知力低下の関連性は、重症者のほうが大きかったが、症状が軽かったケースでも関連があることは明らかだった。この研究では、呼吸障害のなかった患者は軽症と定義している。

 

重症者ほど思考力が低下

 この研究で明らかになったのは、高次の認知といわれる能力に、特に目立つ後遺症が見られることだ。

元患者の注意力、論理的思考力、特に口頭で論理的思考力を展開する能力について、研究論文の共同執筆者である英インペリアル・カレッジ・ロンドン脳科学部のアダム・ハンプシャーが本誌に語った。

 

「入院し、呼吸器の症状が深刻化して人工呼吸器をつけた20〜70歳の元患者の思考力は、平均で10歳年上の人のレベルにまで減退していた。認知障害との関連性が高い重要な予測因子は、呼吸器症状の重症度と感染の有無だけだった」とハンプシャーは本誌に語った。既往症の有無といった他の条件は、発見された傾向を説明する要素にならなかった」と、彼は言う。

 

今回の研究データは「新型コロナ感染が慢性的な認知力の低下という後遺症をもたらす可能性があることを示唆している」と、研究チームは述べている。また、新型コロナ感染症から回復した後で、脳卒中や免疫系の過剰反応および炎症などの合併症に起因する神経学的な問題が生じる可能性を示す研究が数多く行われている点も指摘した。

「これらの結果は、新型コロナ感染症を乗り越えた人々に起こりうる認知障害の原因をさらにくわしく研究する必要性を訴えるものだ」と、論文の執筆者らは書いている。

 

専門家からは、この研究結果は、新型コロナウイルスが思考力の問題を引き起こすことを証明していないという批判もある。

英エジンバラ大学のジョアンナ・ウォードロー教授(応用神経イメージング)は、「研究チームが新型コロナに感染する前の被験者の認知機能に関する情報を把握していなかったことから、研究成果は限定的だ」と述べた。「この研究で明らかになった問題も、短期的な現象かもしれない」、と彼女は言う。

英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのデレク・ヒル教授(医学イメージング科学)は、この研究を「興味深いが、結論は出ていない研究」と評した。「新型コロナに感染したかどうかを被験者の自主申告にまかせているので、情報の信頼性が疑われる」、と彼は言い、コロナウイルス検査を受けて陽性が確定していたのは、元患者の「ごく一部」だけだったことを明かした。

ヒルはまた、たとえば脳のスキャンなどでウイルス感染が脳にどんな生物学的に影響を与えたかを調べていない点を指摘した。「アルツハイマー病の認知機能低下は、MRIスキャンによって特定できる脳の収縮に関連していることはよく知られている」と、ヒルは言う。

英エクセター大学の上級臨床講師デービッド・ストレインは、非感染者と比較して10年ほど老化した一部の新型コロナ感染症患者の脳の状態は、他のウイルスによる感染症から回復した患者の脳の状態よりも「はるかに悪かった」と述べている。

今回の研究では、参加者約8万4000人のうち、ウイルス検査で陽性が確定していたのはわずか361人であったため、研究結果は確定的とはいえない。

ハンプシャーによれば、感染が確認された参加者の数が少ないのは、研究が行われた時点で、ウイルス検査を受けたイギリス人がまだ少なかったからだという。「今も研究の参加者を募集している。新型コロナ感染者が参加したら、認知能力が本当に低下するかどうかを確認するため将来にわたって追跡する」

 

イタリアのコロナウイルス後遺症「ポストコビット症候群」

SIphotography-iStock

イタリアの「ポストコビッド症候群グループ」に千人以上が集まった

 コロナウイルスに感染し、長らく入院をして治癒し、陰性になって退院をした人は、その後どんな生活をしているのか。

元コロナウイルス感染患者達は、何ヶ月もたった今でも治癒したとは言えない。世界中の何千人もの人々が、いまだに症状や後遺症に悩まされているという。

 

 コロナウイルスは本当に恐ろしいものである。

3か月以上も症状が続くし、コロナウイルスはとにかく長引く。海外では「Long Covid」または「Long Haulers」(文字通り「長距離輸送業者」) と呼ばれている。
この後遺症の症状についてはまだ研究途中であるが、イタリアでは「ポストコビッド症候群」と呼ばれ始め、Facebookでポストコビッド症候群グループ
が立ち上がった。

コロナウイルスに感染する前の元の生活に戻ることができないでいるという困った状況や身体上起こっている不具合や後遺症などを書き込みあいながら、コロナウイルス「ポストコビッド症候群」についての意見交換と情報収集をしている。

 

 発起人であるミラノ出身のモレナ・コロンビさん(59歳)は、「ポストコビッド症候群グループ」について、

 私と同じように、他の人たちも、気分が悪くなったり、慢性的な疲労や関節の痛みや息切れなどの症状があるのか、また、皆さんは努力でどうにかできる最小限している何か方法があるのかなども知りたかったので、グループを立ち上げてみた。
そうすると、すぐにアクセスがあり、短期間のうちに、誰もが多かれ少なかれ同じ症状を持っていることに気づいた。全く後遺症について知らない多くの人は、元コロナウイルス感染患者の私たちを"うつ病"または"心気症"だとみなし、職場復帰しても解雇しようとします。仮病や怠けでは決してないし、私たちの抱えている問題は、本当に事実、いまだ自分の身に起こっている症状なのです。
ですが、誰も私たちに信用を寄せてくれようとはしないものです。2度のテストが行われ、陰性になり正常になったという確認がなされると、患者は治癒したと宣言されます。しかし、治癒したわけではないのです。

と語った。

 

 現在までに、グループは1,128人のメンバーが集まった。
身体的、医学的、両方面で同じ不快感と症状を示しているという事実は、多くの証言によって説明されている。
苦しむ人々に共通する症状に、
疲労感、脱力感、息切れ、紅斑、記憶喪失、不安および筋肉痛がある。

 

カターニアに在住のガブリエーラ・アリアノさん(51歳)は、3月13日にCovid-19の感染が確認され、39日間入院した。

彼女は検査で2回陰性が確認された後の4月21日に帰宅したが、症状の発症から5か月が経った今でも、治癒したとは感じていないと言う。退院をした後に、両側性間質性肺炎と診断された。

ガブリエーラさんは、「私はとても疲れていて、すぐに横になっています。関節に痛みが残っていて、右脚には発疹があり、光が煩わしく感じ、耳から聞こえる音はノイズが混じっています。髪をとかしたら束になって髪が抜け落ち、失ってしまいました。」と言う。

ガブリエーラさんが困っている最大の問題は、これまで自分が何を話しているのかを覚えていないことだそうだ。つい先ほどした事もすべて、記憶がすぐに削除されてしまうという記憶障害に悩まされている。

退院し、彼女が家に戻った時、既にその記憶障害があることに気づいた。なぜなら、家族に「家具を全部交換したの?ここは私の家なの?」と尋ね、もう自分の家を認識できていなかったからだ。

 

| 疲労と記憶喪失

 ガブリエーラは、病院に入院していたが、多かれ少なかれ深刻な症状であっても入院せずに自宅で隔離療養をしていた人々もいる。その人達も何カ月も続く「Covid後」の問題を抱えている。

バレンティーナさん(45歳)は、3月13日に発熱が出た。その後も1か月以上、熱は続いた。

熱が40度に達した時点で、ミラノの緊急治療室に入った。しかし、彼女はまだ肺炎にはかかっていなかったので、一旦家へ送り帰された。1か月間、一人で高熱の日々を耐えて過ごした。

彼女は、 2度コロナウイルスのPCR検査をし、陰性になった。熱は下がったり上がったりし、夕方になると38度の熱が出る。発熱と皮膚の水疱は7月まで続いたという。

8月になり、ある朝のこと、目覚めて地面を見ると自分の髪の毛の束が、ごっそりとそこに落ちているのが目に入ってきた。

何より、ひどい脱力感に苛まれ、「息子と一緒に休暇を過ごしている時でも、すぐに疲れる」という。

3週間、何もせず、ただ横になっていた。やはりバレンティーナにも記憶障害が起こった。
文字を読んでも、言葉が次から次に逃げていくように、読んだ内容を覚えていない。
バレンティーナは建築家で、「仕事をするには継続的に読み直さなければならないが、記憶することができないので大変な支障が出ているし、混乱している」という。

 

科学的説明

 「ポストコビッド症候群」に関する科学的研究はまだほとんどなく、現在のところ、入院中の人々だけに触れ研究がされている。

 

ローマの「アゴスティーノジェメリ」IRCCS大学ポリクリニック財団の物理療法やリハビリテーションのチーム長フランチェスコ・ランディによると、

「多岐にわたる専門家達と一緒に調査してみたところ、症状の発症から約2か月後に病棟から退院した人々を対象の被験者としてみた場合、退院して2か月後でさえ、酷い疲労、息切れ、関節または胸の痛み、咳、頭痛などの症状が続いた。私たちが言えることは、臓器の損傷はなく、これらの疾患はおそらく、なくなるだろうということで楽観的に見ています。もちろん、2か月間自宅隔離で家に閉じ込められていた人々でさえ、運動と健康的な食事という良好な生活の土台となる二大原則ができなかったのですから。私がソーシャルネットワークで見た共有レシピには、タンパク質ベースの料理はなく、すべてデザート、パスタ、パン、またはピッツァばかりでした。
私は、大体、1年から次の年にかけて、入院した患者さんの臨床検査をチェックしていますが、コレステロール、血糖、そしてとりわけトリグリセリドが増加していて、これが、筋肉量の損失または非アクティブ化し、体の反応性に微弱な感覚引き起こす可能性があるということを発見しました。」

と、7月上旬に世界で一番初めに、JAMAで発表した。

 

魂の傷跡

 イタリアでコロナウイルスの感染が爆発的に拡大し始め、特に酷かった暗黒の震源地であるベルガモ。

ベルガモのジョヴァンニXXIII病院の呼吸器科の責任者であるファビアーノ・ディ・マルコ教授は、「直感的ではないが、筋肉量を取り戻すことができれば呼吸も改善するだろう」と、述べている。

教授はCovidの間に行った業績が讃えられ、イタリア共和国功労勲章騎士(ナイト)の勲章の授与にノミネートされた。現在は入院中またはCovidの緊急治療室からの患者のフォローアッププロセスのマネージャーである。

 

ファビアーノ・ディ・マルコ教授は、

 サルコペニア(筋肉量の減少)は、「筋肉のコンディショニング」と呼ばれる状態を引き起こし、息切れや疲労を引き起こします。体重は元に戻りますが、筋肉量はすぐには回復しません(平均して、患者は10キロを失った)。ケースごとに対象を絞ったリハビリが必要です。今のところ、私たちのフォローアップは退院した1,700人のうち1,200人の患者を対象にしています。最も頻繁に見られる症状は、確かに力不足と息切れです。ただし、結果は予想よりも深刻ではありません。病気は進行せず、時間の経過とともに改善します。肺のほとんどには傷跡が残りますが、それらは肺の機能に影響を与えないことがわかりました。一方、"魂の傷跡"はより目立ちます。多くの人々は以前の状態に戻れてはいませんから。

と語った。

 

 フランチェスコ・ランディ・デル・ジェメリは、心的外傷後ストレス症候群で深刻な結果をもたらす人々について「心理的な側面を過小評価しないように。それは、戦争の退役軍人に完全に同化している」と、話した。

マッシモ・ローダさん(53歳)は、3月10日にコロナウイルスの症状が出て陽性が確認された。病院に入院せず、「自宅隔離で様子を見てください」と言われ、家でコロナウイルスの症状で苦しんだ。

その後に肺超音波検査を受け、両側性間質性肺炎を患っていると診断された。肺に怪我をして、足の爪3枚を失った。

 

5か月後に何が残ったか?
「パニック発作、疲労、胸と背中の痛み、時々頭痛、不安、記憶喪失、信じられないほどのレベルで全て集中してやってくる感じで、
"まるで自分の中に他人がいるように感じる" 覚えていないのか・・・言葉が出てこないので、完全にフリーズしてしまい、うまく話せない」と、マッシモさんは語った。彼は、9月から精神科医にかかる予定だ。

 

注目の喪失

ジャンカルロ・チェルベーリ医師はコドーニョの精神科医は、「記憶喪失は多くの人によく見られるようだが、うつ病ではない」という。

「時々 、ウイルス感染症は炎症性サイトカインの産生が異常に増加し起こる。急性期タンパク質の産生を刺激し、中枢神経系の機能低下につながる可能性のある中枢神経系抑制に寄与する可能性のあるタンパク質分子である。これが注意力の喪失を起こす。日常生活の多くのイベントを記憶する能力が一貫して低下、一日の終わりにはいつも覚えているものの半分だけしか記憶できていないだろう。」

と説明し、体系的な研究はないが、数か月以内に残存症状が自然退行するだろうとも。

 

信じられて、助けられる努力

 「特に朝は手が震えています。起き上がると以前より疲れが残っています。下肢の浮腫、胸部の圧迫感、息切れ、時には痛みがあります。疲労感は常にあり、他の症状が現れたり消えたりします。握力の低下、泡のようなじんましんによる皮膚の発疹、腸の問題。小さなことはたくさんあって、日常生活を送ることはできません。ホームのお年寄り達を抱え上げて連れて行かなければなりませんが、私には力がないため、仕事に戻ることはできません。どうすればよいですか? 」と、クレマ州の老人ホーム(RSA)勤務のローラ・ペリッツァさん(58歳)は言う。
彼女はコロナウイルスに感染し、3月12日に発症した。

 

| 筋肉と呼吸

 リハビリが必要です。

「彼ら全員がうつ病や心気症ではないが、これらの問題を明らかにするものであるため、いくつかのテストを行う必要があります。」と、ヴェルノのIRCCS Maugeriでリハビリテーション肺炎学責任者のブルーノ・バルビ医師は言う。医師は、7月下旬に発表された「European Respiratory Journal」の臨床試験の2番目の署名者。

「ネガティブスワブ(陰性)急性期後の機能的および呼吸器系の問題を監視し、Covid-19 が多くの健康への重大な影響を及ぼし、日常生活の活動に障害をきたす事を確認した。このウイルスは多くのシステムに影響を及ぼし、一部の人では息切れを引き起こし、呼吸を妨げている。呼吸は、神経系と胸の筋肉が関与するプロセスによってできるので、患者にはリハビリが必要なのである。まだ私たちの国民保健サービスではカバーされていないが。」

と、バルビ医師は語った。

「陰性になり回復した人は、もはや考慮されない」

疾患を長い目で見て、対処するには健康診断と専門家の意見が必要である。

Facebookグループの目的は、他の国で行われているように、「ポストコビッド症候群」を広く認識させて、医療費の払い戻しを受けることも目標にしている。病気のため休業を余儀なくされているし医療費を支払う余裕がない。

陰性になったからといって、完全に治癒したというものではないという事をみんなに知ってほしいし、それを宣言することに意義がある。

 

日本のコロナ重症者対応が抱える決定的な弱点

医療崩壊の責任は民間病院でなく厚労省にある

上 昌広 : 医療ガバナンス研究所理事長 

 小池百合子東京都知事は12月21日の会見で、年末年始について「命を優先していただきたい。家族でステイホーム」と述べ、買い物や通院を除いて、できるだけ外出を自粛するよう呼び掛けた。(写真は東京都内で12月19日撮影、ロイター/Issei Kato)

 

 新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染が拡大し、日本の医療は崩壊の瀬戸際にある。

12月21日、日本医師会や日本看護協会など9つの団体は、「このままでは全国で必要な全ての医療提供が立ち行かなくなる」「医療緊急事態宣言」を発表した。

 

 12月25日には、田村憲久・厚生労働相が、病床が逼迫している地域で、重症向け病床がある医療機関に対して、1床あたり1500万円を補助することを表明した。詳細は公表されていないが、実際の患者の受け入れとは関係なく、病床を整備すれば支払われるのだろう。

もちろん対応は不可欠だが、筆者は、このようなやり方に違和感を抱いている。本稿では、日本の重症コロナ対策を海外と比較して論じたい。

 

まずは、下記の表をご覧頂きたい。東アジアおよび欧米の人口当たりのコロナ感染者数、死者数、医師数、病床数を示している。欧米と比較して、日本は感染者も重症患者も少ないことがわかる。12月25日現在、人口1000人あたりの感染者数は1.7人だ。アメリカの33分の1、フランスの24分の1、イギリスの19分の1、ドイツの11分の1だ。


 日本の医師数は、アメリカの96%、フランスの76%、イギリスの89%、ドイツの59%だが、急性期病床数はアメリカの3.2倍、フランスの2.5倍、ドイツの1.3倍もある(イギリスは不明)。慢性期病床も加えた総病床数はさらに多い。

コロナ重症者に対して、欧米諸国が、それなりに対応しているのに、数の面で大きく見劣りするわけではない日本の医療がどうして崩壊してしまうのだろう。

個別の病院や医療関係者に責任があるわけではない。全体を統括する厚生労働省の方針、運営に問題があると言わざるをえない。

 

重症者を集中的に診る病院が整備されていない

 はっきり言えば、日本ではコロナ重症者を集中的に診る病院が整備されていないことだ。

12月26日現在、都内の病院に入院している重症患者は81人だ。東京都は重症者用ベッドとして220床をすでに確保しており、250床まで増やすように医療機関に要請中だ。

では、どのような病院が重症患者を受け入れているのだろうか。実は、このことについて厚生労働相と東京都は情報を開示していない。知人の東京都議に調査を依頼したが、「東京都からは教えることはできない」と回答があったという。

厚労省が「特定感染症指定医療機関」に認定している国立国際医療研究センター病院や、「第一種感染症指定医療機関」に認定している都立駒込病院、都立墨東病院、東京都保健医療公社荏原病院、自衛隊中央病院は受けているだろうが、残りはわからない。大学病院で積極的に受け入れている病院は、東京医科歯科大学などごくわずかだ。

知人の都立病院勤務医に聞くと、「1つの病院で受け入れる重症患者は5人程度」という。

多くの病院が少数の重症患者を受け入れていることになる。

 

中国やアメリカは専門病院で集中的に治療

 実は、このような対応をしている国は少ない。中国の武漢を第1波が襲ったとき、中国政府はコロナ専門病院を建設し、全土から専門家を招聘したことは有名だ。コロナ感染者を専門病院で集中的に治療した。

実は、このような戦略を採ったのは、中国だけではない。下表は、第1波のある時点でのアメリカのマサチューセッツ州における主要病院のコロナ感染者の受け入れ数を示している。トップのマサチューセッツ総合病院は278人で、このうち121人は集中治療室での治療が必要な重症患者だった。

 実はマサチューセッツ総合病院は、ハーバード大学の関連施設で、世界でもっとも有名な病院の1つだ。ハーバード大学には付属病院がないため、マサチューセッツ総合病院が実質的にその役割を担っている。

平素は先進医療に力を注ぎ、世界最高峰の医学誌である『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』には、「マサチューセッツ総合病院の症例記録」という定期連載のコーナーがあるくらいだ。

 病床数は約1000床で、日本の大病院と同規模だが、コロナの流行において、重症患者を一手に引き受けたことになる。受け入れた患者数は、現在の都内の重症患者数の総数よりも多い。

これは東京大学医学部付属病院がコロナ重症者を一手に引き受けたのと同じだ。多くの専門医や看護師を抱えるため、多数の施設に分散して受け入れるより効率的だ。

 

 このような状況はアメリカだけに限らない。イギリスの主たるコロナ引き受け病院を以下の表に示す。マサチューセッツ総合病院ほどではないにしろ、一部の施設で集中的に患者を受け入れているのがわかる。

 このような状況を知れば、日本の医療が欧米の数十分の一の重症患者で崩壊してしまうのもご理解いただけるだろう。やり方が悪いのだ。誰の責任かと言えば厚労省だ。

 

メディアに登場する有識者の中には、「民間病院が協力しないので、政府の権限を強化し、強制的に重症患者を受け入れさせるべきだ」と主張する人もいるが、それは的外れだ。

 

 日本の医療は診療報酬、病床規制、医学部定員規制などを通じて、厚労省が、がんじがらめにしている。小泉政権以降、診療報酬は据え置かれ、開業医と比べて、政治力が弱い病院、特に民間病院は、コロナ感染が拡大したからと言って、病院経営者が柔軟にコロナ重症病床を拡大させる余裕はない5~10人程度のコロナ重症患者を受け入れて、それに対して高額な診療報酬が支払われても、通常の手術などの件数が激減すれば、病院は倒産してしまうし、さらにコロナ重症患者の治療は手がかかり、多くの医師・看護師を要するが、普通の病院にそのような人的リソースはない。

 

やるならば「国公立」か「独立行政法人」しかない

 もし、やるとすれば、多数の医師や看護師を抱え、たとえ赤字が出ても、公費で補填される国公立病院(大学病院を含む)か独立行政法人しかない。この「コロナ禍における診療体制維持」を書いた院長は、コロナ感染症対策専門家分科会の会長を務める尾身茂医師に対して手厳しい。

文中で「多くの民間医療機関は新型コロナの入院診療に対応する事は難しく、中心として働くことは困難と言わざるを得ない。今を憂いているならばぜひとも発信してほしい。自らが属する地域医療機能推進機構(JCHO)所謂第3セクター医療機関や公的医療機関が新型コロナ診療に特化するなど中心的役割を果たす」と述べている。

 

 

コロナ重症患者を適切に治療するには、中核施設を認定して、集中的に資源を投下するしかない。これは現在の厚労省の施策と正反対だ。いまのやり方を押し通せば、多くの施設が疲弊し、PCR検査を抑制している現状では、院内感染の多発が避けられない。まさに現在の日本の状況だ。

コロナ対策の「正解」は誰にもわからない。世界中が試行錯誤を繰り返している。われわれは海外から学び、合理的な対応を採ることが必要だ。コロナ重症者対策は方向転換しなければならない。

 

 

コロナ「脳細胞にまで侵入する」という新事実

遺伝的背景などから脳感染リスクが高い人も 

The New York Times 2020/09/17

 

 一部の感染者で新型コロナが脳細胞に侵入していることがわかった(写真:AP/アフロ)

 

 新型コロナウイルスは主に肺を標的にするが、ほかに腎臓、肝臓、血管も攻撃し、患者の約半数は頭痛、錯乱、せん妄(意識障害の一種)などの神経症状を訴えている。

 

 これは新型コロナが脳をも侵す可能性があることを示唆するものだ。

 

 そしてこのたび、新たな研究で、新型コロナが一部の感染者で脳細胞に侵入してこれを乗っ取り、自己複製している明確な証拠が示された。新型コロナはまた、周囲の酸素を吸い取って、近隣の脳細胞を死に追いやっているとみられる。

 

 どのようにして脳に侵入するのか、あるいはどれくらいの頻度で脳細胞の破壊を引き起こすのかはわかっていない。脳への感染はまれなようだが、一部の人は遺伝的背景、ウイルス量、その他の理由から脳感染リスクが高くなっている可能性がある。

「実際に脳に感染すると、死に至る可能性がある」と、同研究を主導したイエール大学の免疫学者、岩崎明子教授は話す。

 

脳細胞を窒息死させるステルス病原体

 研究成果は、9月9日にオンラインで公開されたばかり。正式な論文発表に向けた専門家の査読はまだ終わっていないが、研究は慎重かつ洗練されたもので、新型コロナが脳細胞に感染しうることがいくつかの手法で示されている、と複数の研究者は述べる。

 

これまで科学者は、脳の画像診断と患者の症状だけを手がかりに脳への影響を推測するほかなかった。「新型コロナが脳に感染する可能性があることはわかっていたが、それを実際に示す証拠は、正直それほど得られていなかった」と、イギリス国立神経学脳神経外科学病院のマイケル・ザンディ神経科医長は語る。「今回のデータによって、実際に脳感染が起こりうることを示す証拠が少し増えた形になる」。

ザンディ氏の研究チームは7月、COVID-19(新型コロナ感染症)患者の一部が重篤な神経学的合併症を発症し、中には神経損傷が起きる例もあるとの研究結果を発表している。

 

 岩崎氏のチームによる新研究では、脳への感染の証拠が3つの方法で積み上げられている。①新型コロナ感染症で死亡した人の脳組織の分析、②マウスモデルによる実験、そして③オルガノイドでの実験だ。オルガノイドとは、シャーレ内で脳の3次元構造を再現した脳細胞の塊である。

ジカウイルスなど、脳細胞に感染することがわかっている病原体はほかにも存在する。こうしたウイルスに感染すると大量の免疫細胞が損傷部位に集まり、感染した細胞を破壊することで脳を浄化しようとする。

新型コロナの動きは、これよりもはるかにつかみどころがない。脳細胞の機構を利用して自己複製するが、細胞を破壊することはしない。かわりに、近接する細胞から酸素を奪い、衰弱死させるのだ。

 

ニューロン間をつなぐシナプスの数が急減

 研究では、これに対し免疫反応が起こっていることを示す証拠を見つけることはできなかった。「静かな感染だ」と岩崎氏。「新型コロナは、回避メカニズムをたくさん持っている」

これらの知見は、新型コロナに感染したオルガノイドのほかの観察結果とも一致する、とカリフォルニア大学サンディエゴ校の神経学者アリソン・ムオトリ教授は述べる。同教授はジカウイルスの研究も行っている。

 

新型コロナは、ニューロン間をつなぐシナプスの数を急激に減少させるようだ。

 

「感染からわずか数日で、シナプスの数が急激に減少しているのを観察できる」とムオトリ氏は言う。「これが元どおりになるものなのかどうかは、まだわからない」。

新型コロナは、細胞表面にあるACE2と呼ばれるタンパク質を利用して細胞に感染する。

このタンパク質は全身に発現するが、とりわけ肺に多い。新型コロナでとくに肺が標的となるのは、このためだ。

 

先行研究では、タンパク質量の指標を根拠に、脳にはほとんどACE2がなく、感染する危険性は少ないと示唆されていた。しかし岩崎氏らがより詳細な研究を行ったところ、新型コロナは実際にこの経路で脳細胞に侵入できることがわかった。

岩崎氏によればACE2がニューロンで発現していること、そして細胞への侵入に必要であることは、かなり明白だ」。

 

 そこで岩崎氏のチームは、2群のマウスで対照実験を行った。片方はACE2受容体が脳だけに発現しているマウス、もう片方はACE2受容体が肺だけに発現しているマウスだ。これらのマウスを新型コロナウイルスにさらすと、脳に感染したマウスは急激に体重が減少して6日以内に死んだが、肺に感染したマウスは違った。

マウスの研究結果である点は割り引かねばならない。が、それでも、これは脳感染が呼吸器感染以上に致命的となる可能性のあることを示している、と岩崎氏は話す。

 

肺の炎症が脳卒中につながるケースも

 新型コロナは、嗅覚を司る嗅球、眼、さらには血流を介して脳に侵入する可能性がある。実際にどの経路で侵入しているかは明らかでなく、また感染者に見られる症状を説明できるほど頻繁に侵入が起こっているのかどうかもわかっていない。

「科学的データが臨床的証拠に先行している事例だと思う」とムオトリ氏。

 

脳感染がどれほどの頻度で起きるのか、そして軽症者や、多くの神経症状を呈することの多い長期患者(「長距離輸送車」と呼ばれる)でも起きるものなのかどうかを推定するには、多くの検視標本を分析する必要がある。

 

新型コロナ患者の40~60%は神経症状や精神症状を経験すると、ジョンズ・ホプキンス大学の神経科医ロバート・スティーブンズ氏は言う。しかし、こうした症状のすべてが、新型コロナウイルスの脳細胞への侵入に由来するとは限らず、全身の広汎な炎症の結果として引き起こされている可能性もある。

 

例えば、肺の炎症によって血液の粘着性を高める分子が遊離され、血管を詰まらせて脳卒中につながることもある。「そうした症状は、脳細胞自体が感染していなくても起きる」とザンディ氏は指摘する。

「しかし、一部の感染者では、感染した脳細胞のために血中酸素濃度が低下することが脳卒中の引き金になっている可能性がある」とザンディ氏は付け加える。

患者のタイプが異なれば、病態も異なる可能性がある。(肺の炎症と脳感染の)両方が組み合わさることも十分に考えられる」。

脳の中に霧が立ちこめたように、頭がぼーっとなるブレインフォグ、せん妄といった一部の認知症状は、鎮静剤を用いたり人工呼吸器を装着したりしている患者では把握しづらくなる。

医師は可能であれば1日に1回鎮静剤の投与量を計画的に減らして患者の状態を評価すべきだと、スティーブンズ氏は話す。

(執筆:Apoorva Mandavilli記者)
(C)2020 The New York Times News Services

疫学者700人がコロナ禍で「絶対にしない行動」

ワクチン接種が始まってもマスクは必須に

 新型コロナウイルスのワクチン配布が近づいているが、専門家の多くは国民の大半の接種が済むまでは、以前の日常が戻るとは考えていない。

 疫学者700人を対象としたニューヨーク・タイムズの非公式調査では、「最低でも人口の7割が接種を済ませるまでは自らがとっている予防的行動を変えるつもりはない」、との回答が約半数を占めた。その一方で3割の専門家は、「自らの接種が済んだ後は行動を多少変える」と回答した。

 

元の生活に戻るには「あと何年もかかる」

 「極めて効果的なワクチンが広く行き渡れば、来年の夏に今より自由な生活様式を安全にスタートさせられるようになる」、と回答した疫学者は少数にとどまった。中には「ワクチンの臨床結果は期待できるものだった。2021年の夏までに、あるいは夏の間に以前の生活に戻れると楽観している」(ミシガン州立大学のケリー・ストラッツ助教授)とする回答もあった。

しかし疫学者の大多数は、「ワクチン接種が始まったとしても多くの行動を安全に再開できるようになるまでには1年かそれ以上かかり、一部の行動については以前の状態には2度と戻らないかもしれない」と、答えている。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校のカリン・ミシェルズ教授は「以前の生活様式をだいたい取り戻す」には、「おそらくあと何年もかかる」と回答した。「私たちはウイルスとともにある生活を受け入れなくてはならない。」

 

疫学者が懸念しているのは、さまざまな不確定要素だ。

ここには免疫の持続期間、ウイルスの変異、ワクチン配布の障壁、ワクチン接種を拒否する人々の動向などが含まれる。

感染悪化が予想される本格的な冬が目前に迫った今、疫学者たちは予防策を徹底し、新たな生活様式を取り入れている。その対策は、一般的なアメリカ人が行っているものよりもはるかに厳しい。

日常生活における23の行動について疫学者に尋ねたところ、「過去1カ月間に行ったことがある」との回答が多数を占めた行動は、3つしかなかった。

屋外で友人と会う予防策を講じることなく郵便物を受け取る食品や医薬品の買い出しなどの雑用に出かける、の3つだ。

 

それ以外の行動については、調査に応じた疫学者はほぼ全面的に避けている。

そうした行動の中には、多くのアメリカ人が現在行っているものもある。

この1カ月間でスポーツ、演劇、コンサートの会場に足を運んだり、よく知らない人と会ったり、結婚式に出席したり葬式に参列したことがある、と回答した専門家は1人もいなかった。

 

「知らない人が近くにいると以前よりも不安を覚える。そうした感覚はこれからも続くだろう」

(カリフォルニア大学サンフランシスコ校でポスドク研究員を務めるエリコット・マセイ博士)

 

冬の休暇に「祝い事」はしない

 クリスマス、ハヌカーといった冬の休暇の予定については、サンクスギビング(感謝祭)と同様、家族だけで過ごすか、祝い事はしないとする回答が4分の3に達した。

 調査票の中で示した一連の行動のうち、どれが最も安全で、どれが最も危険かとの問いに対しても、大方の意見が一致した。屋外での行動や物体の表面に触れることについては、あまり危険視されていない。危険視されているのは、屋内での行動や大規模な集まりだ。ただし危険度のレベルについては、疫学者の間でも見解にばらつきが見られた。

 

 マサチューセッツ大学のリーランド・アッカーソン准教授は「屋内に多くの人が集まるのが、状況としては最も危ない」と回答。「屋外で少人数、かつソーシャルディスタンスを確保して予防策も行えばリスクは最も低くなる」とした。同氏はこの1カ月間で、友人とハイキングに出かけたほか、郵便物を予防策なしに開封し、雑用にも出かけたと答えた。

 半年前に行った同様の調査でニューヨーク・タイムズは疫学者に次のような質問を投げかけた。通常の生活を取り戻せるのはいつになるのか——。これに対して疫学者の多くは、日常生活の多くが通常に戻るのには1年かそれ以上かかると答えていた。あれから感染状況はさらに悪化。その一方で治療法は改善してきているため、今回の調査ではパンデミックの中で疫学者の生活様式がどのようなものとなったかに質問の的を絞った。

 

 今回の調査に対し、ミネソタ大学のレイチェル・ウィドーム准教授はこんなコメントを寄せてくれた。「笑うに笑えない。前回調査を受けたときは、アメリカなら世界の先頭に立って問題に素早く対処するだろうと先行きをものすごく楽観していた。前回は、今頃には状況は良くなっていると思うと回答したが、大間違いだった。状況は劇的に悪くなっている」。

感染の速度を大幅に遅らせるか止めるためには、「集団免疫」を達成する必要があるが、この集団免疫については、人口の7割が免疫を獲得しなければ達成されないとする回答が大半を占めた。従来の生活の多くを安全に再開するには集団免疫が極めて重要で、それを安全かつ最速で達成する方法がワクチンの接種だ。ただし、ワクチンを接種した人がウイルスを拡散し続ける可能性については、科学的な解明がまだ終わっていない。

 

ワクチン接種しても、まだ安心できない

 自らがワクチン接種を済ませた後は、これまでよりも多くの日常行動を安心して再開できるようになる、とする回答は全体の3分の1に迫った。それでも安心して行える行動は、同じくワクチンを接種した人との社交など一定のものに限られる、とする回答も見られた。自身がワクチン接種を済ませ、なおかつアメリカで集団免疫が達成されるまでは、コロナ前の生活様式を復活させない、と答えた専門家も少数ながら存在する。

「変えるのは一部の行動だけ。それ以外は今の状態を維持する」と回答したのは、非営利団体ヘルスパートナーズ・インスティテュートのガブリエラ・ヴァスケス・ベニテス上級研究調査員だ。「自身のワクチン接種が済めば、近場での小旅行に出かけたり、少数の身内と屋内で集まったりするようには多少なると思う。それでもマスク着用やソーシャルディスタンスの確保といった感染対策は続ける」

春の時点と比べて、各種のリスクに対する捉え方が変わり、それに応じて自らの行動を変えた、とする回答は79%に達した。科学は日進月歩する、というのがその理由だ。

リスクの捉え方に関する春からの変化としては、屋外での社交、物の表面に触れること、児童の通学に対する懸念が薄れたとする回答があった。その一方で強まったのが、屋内の空気感染やマスクを着用しないことへの懸念だ。

 

 今回の調査では、アメリカ疫学研究学会の会員と個別の疫学者に電子メールで回答を依頼。調査期間は11月18日〜12月2日で、案内を送付した約8000人の疫学者のうち700人から回答を得た。4分の3が学術機関所属。新型コロナに部分的にでも関連する研究を行っている回答者の割合も、全体の4分の3を占めた。

 一般国民に対する感染対策の呼びかけが十分に効果を上げていないこと、またアメリカ国民の間で科学不信が高まっている現状に失望や怒りを感じていると答えた疫学者は多かった。マスク着用や外出規制といった対策が政治のおもちゃにされてしまったことで、悪影響が長期に及ぶことを疫学者は恐れている。

 「専門家としても、一個人としても、このウイルスには自らの至らなさを思い知らされた」と、スタンフォード大学のミシェル・オッデン准教授はコメントした。「アメリカという国の対応が、ここまでぶざまなものになるとは夢にも思わなかった。課題は山積している」。

 

コロナ後に残る「長期的な影響」とは

 今後の見通しについては、ワクチンのおかげで来年夏にはどこかの段階で以前の生活を部分的に取り戻せるようになる可能性がある、とする回答も見られた。ただ、極めて効果的な治療薬が開発されない限り、現在の予防策は一定程度維持される必要がある、との回答もあった。

大多数の疫学者が今後も必要な措置として言及しているのが、マスクの着用だ。

「公共の場で大人数が密になって集まったり、飛行機などの公共交通を利用したりしたときに(科学者の)私が個人的に安心できるような状態になるまでには、まだ数年かかると思う」(ノースイースタン大学のベス・モルナー准教授)

新型コロナが身体に与える危険性が後退したとしても、ほかの面で長期的な影響が残ると警告する疫学者もいた。

「メンタルヘルス(心の健康)のケアは今後も極めて重要な問題であり続ける」との回答を寄せたのは、ペンシルベニア大学でポスドク研究員を務めるダニエル・ヴェイダー博士だ。「世の中のストレスは高まっている。コロナによって引き起こされた不安や悲しみに、多くの人々が生涯悩まされ続けることになる」という。

(執筆:Margot Sanger-Katz記者、Claire Cain Miller記者、Quoctrung Bui記者)
(C)2020 The New York Times News Services

 

コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点

 10日間救急治療室で患者を診た医師の見解

  

患者が「息苦しさ」を感じて病院を訪れる時には、肺炎がかなり進行している可能性がある。その理由とは

(写真:REUTERS/Giorgos Moutafis )    

 

 私は30年間救急医療に携わっている。1994年には、挿管法を指導する画像システムを考案した。呼吸を助けるための管を挿入するプロセスを指導するものだ。これを契機に私は挿管法のリサーチを行うようになり、その後、過去20年は世界各地の医師たちに向けて気管処置の講座を行っている。

3月末、新型コロナウイルス感染患者がニューヨークの病院にあふれ返るようになり、ベルビュー病院で10日間、ボランティアで支援にあたった。この間私は、このウイルスによって致命的となる肺炎の早期発見ができていないこと、そして患者を、人工呼吸器を使わずに回復させるための方法がもっとあるはずだと考えるようになった。

 

肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない

 ニューハンプシャー州の自宅からニューヨークまでの長距離運転中、友人のニック・カプトに連絡をした。彼はブロンクスに勤務する救急医で、すでに新型コロナ騒ぎの渦中で奮闘していた。私は今後自分が直面するだろう事態、安全を保つ方法、そしてこの疾患に対する彼の見解を知りたかった。

「リック、これはいまだかつて誰も見たことのないものだぞ」と彼は言った。

その通りだった。新型コロナによる肺炎はニューヨーク市内の医療システムに重大な影響を及ぼしている。通常、救急治療室(ER)に運ばれる患者は、 心臓麻痺や脳卒中といった重篤な状態から、軽度の裂傷、中毒症状、整形外科系のケガ、偏頭痛といった軽症までさまざまだ。

ところが、ベルビュー病院で10日間ボランティアをした期間中、 ERの患者はほとんどすべて新型コロナによる肺炎患者だったのだ。私はシフト開始からわずか1時間の間に、2人の患者に挿管していた。

 呼吸器系の症状がない患者でも新型コロナ性の肺炎を患っていた。肩を刺された患者が来て、傷が肺に届いていないかを確認するためにレントゲンを撮った際、彼も肺炎だった。転倒してケガをしたということでCTスキャンを撮った患者たちにも偶然、肺炎が見つかった。原因不明で失神した高齢者、多くの糖尿病患者も新型コロナに感染していた。

そして次の事実が私たちを心底驚かせた。こうした患者たちの胸のレントゲンは、肺炎が進んでいることを示しており、飽和酸素レベルも正常以下であるにもかかわらず、ほとんどが呼吸上の問題を訴えていなかったのだ。

 

いったいこれはどういうことなのだろうか。

 

私たちは、新型コロナ肺炎が、最初に「サイレント(無症候性)低酸素症」という酸素欠乏を引き起こすことを認識し始めた。陰湿で検出しにくい性質から「サイレント」と呼ばれている。

 

肺炎では患者は通常、胸部の不快感や呼吸時の痛みなどの呼吸障害を発症する。

しかし、新型コロナ肺炎の場合、当初患者は酸素量が低下しても、息切れを感じない

しかしその間、驚くほど酸素濃度が低下し、中等度から重度の肺炎(胸部X線写真で見られる)になっていく。

正常な酸素飽和度は94%から100%だが、私が見た患者の中には、酸素飽和度が50%にまで低下していた例もある。

 

来院時点ではすでに重体になっていることも

 驚いたことに、私が見た患者のほとんどは、1週間ほど前から発熱、咳、胃もたれ、倦怠感などの症状が出ていたが、来院するまで息切れは感じていなかった。肺炎は明らかに何日も続いており、来院した時はすでに重体になっていることが多い。

救急科では、さまざまな理由で重症患者に呼吸管を挿入する。しかし、私の30年の経験では、緊急挿管を必要とする患者のほとんどは、ショック状態にあるか、精神的に混乱しているか、あるいは、息をするためにうなり声を上げるかしている。急性低酸素症のために挿管を必要とする患者は、多くの場合、意識を失っていたり、呼吸をするためにあらゆる筋肉を使っている。だが、

 

新型コロナ肺炎の症例は、他の肺炎とまったく違う。

 

 私が診た新型コロナ肺炎患者の大多数は、トリアージ時の酸素飽和度が著しく低く、一見通常生活を送れないような状態なのに、挿管の準備をする時でさえスマホをいじっていた。呼吸は速いし、胸部レントゲンでは危険なほど酸素濃度が低く、ひどい肺炎であったにもかかわらず、見た目には比較的最小限の苦痛を抱えているだけだったのだ。

なぜそうなるのか、私たちはようやく理解し始めたばかりだ。

コロナウイルスは界面活性剤物質(サーファクタント)を産生する肺細胞を攻撃するこの物質のおかげで、肺の中の肺胞は呼吸の合間に膨らんだ状態を維持できる。サーファクタントは、肺が正常に機能する上で重要な物質だ。

 

 新型コロナ肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下する。それでも当初は、肺はこの状態に適応し、硬くなることも、液体を貯めることもない。この状態であれば、患者は二酸化炭素を排出できる。二酸化炭素が蓄積されなければ、患者は息切れを感じない。

患者は血中の酸素が低下するにつれ、より速く、深く呼吸をするようになる。無自覚に、だ。この無症候性低酸素症とそれに対する患者の生理的反応によって、炎症はいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。患者が激しく呼吸することで、いっそう肺を傷つけているわけだ。

 

 患者の2割はその後、より危険性の高い肺損傷段階へと進展する。液体がたまり、肺は硬くなる。二酸化炭素レベルが上昇し、患者は急性呼吸不全を発症する。

目立って呼吸がきつくなり、危険なほどの低酸素レベルで病院にやってきたときにはもう、最終的に人工呼吸器が必要となることが多い。

息切れを感じることなく突然死亡する新型コロナ患者の症例は、無症候性低酸素症が急速に呼吸不全に進展する事態で説明できる(ただし、新型コロナ患者の大半は症状が比較的軽度で、治療なしで、1、2週間で回復しているようだ)。

 

 救急で訪れる患者の肺損傷が驚くほど重篤なため、このパンデミックは医療体制に大きな負荷をかけている。新型コロナによる死亡は、肺機能の悪化によるものが圧倒的に多い。

 

 また、肺炎が十分進行するまで病院に行かない患者があまりに多いため、多くの人が最終的に人工呼吸器につながれ、これが機器不足につながっている。そして、いったん人工呼吸器につながれたら、多くの人が死んでいく。

 

低酸素症を早めに検知するには

 人工呼吸器の使用を避けることは、患者と医療システムの双方にとって非常に有益である。人工呼吸器を装着した患者のためには、膨大な資源を必要とする。通気口をつけた患者に対しては、ベントに抵抗したり、誤って呼吸管を取り外したりしないように、複数の鎮静剤が必要である。

患者は静脈および動脈経路、さらにIV薬およびIVポンプを必要とする。また、気管内チューブに加えて、胃および膀胱にもチューブを挿入する。チームのメンバーは1日2回、各患者の肺機能を改善させるため、腹部を下に、さらに背中を下にして寝かせながら、動かすことが求められる。

新型コロナ肺炎を患う患者をより多く迅速に特定し、それらの患者をより効果的に治療するひとつの方法がある。その方法では、病院または医院でのコロナウイルス検査を待つ必要はない。普及型の医療器具を使って無症候性の低酸素症を早期に発見することが求められる。

その器具とは「パルスオキシメーター」であり、ほとんどの薬局で処方箋なしに購入できる。

パルスオキシメーターは、体温計と同様、複雑なものではない。この小さな機器はボタン1つで起動する。利用者が指先に装着すると数秒で、酸素飽和度と脈拍数を表す2つの数字が表示される。パルスオキシメーターは、酸素化障害および高心拍数を検知する器具として非常に信頼度が高い。

パルスオキシメーターは、私が知る2人の救急医の命を救うのに役立った。早い段階で治療の必要性を警告したのだ。2人とも自分の酸素レベルが下がっていることに気づき、病院に行って症状回復へと至った(1人はより長く、高度な治療が必要だったが)。低酸素症の発見、早期治療、詳細なモニタリングは、イギリスのボリス・ジョンソン首相の治療にも役立ったようだ。

 

自分で機器を使ってチェックするにせよ、クリニックや診療所で測ってもらうにせよ、パルスオキシメーターを活用したスクリーニングが広く普及することにより、新型コロナ肺炎に関連した呼吸障害を早期に発見できるシステムが確立できる。

パルスオキシメーターを自宅で使う人は誤って測定した数値を誤解し、不必要にERに来訪することを避けるために、使用にあたってはかかりつけ医に相談したほうがいいだろう。慢性の肺疾患を患っていることで、新型コロナとは関係なく、数値が比較的低くなる人も一部いるかもしれない。

 

検査で無症状になった人は2週間測るべき

新型コロナウイルスの検査で陽性になったすべての患者は、血中酸素飽和度のチェックを2週間にわたりするべきだ。新型コロナ肺炎は通常、この2週間のうちに発症する。

咳、倦怠感、発熱のある人たちについても、たとえウイルス検査を受けていなくても、あるいは検査結果が陰性だったとしても、血中酸素飽和度のモニタリングを受けるべきだ。PCR検査の精度は約70%しかないからだ。アメリカ人の大部分は、このことを知らない。

挿管や人工呼吸器に頼ることを避けるために私たちができることはほかにもある。患者の体位変換(患者をうつ伏せや横に寝かせること)を行うことにより、新型コロナ肺炎で最も影響を受ける下肺と後肺が開くことができる。

酸素投与と体位変換は患者の呼吸を助け、多くの場合、病気の進行を防ぐように見受けられた。カプトによる予備研究では、新型コロナ肺炎が進行した患者4人のうち3人が、この戦略で対処した直後の24時間内に人工呼吸器を必要としなくなったとのことだ。

 

現在までに、新型コロナによるアメリカ内での死者数は4万600人を超え、ニューヨーク州だけで1万人を超えている。パルスオキシメーターの正確性は100%ではなく、また万能薬でもない。今後も、避けられない死や最悪な結果がなくなることはないだろう。

 

なぜ特定の患者が重症化するのか、なぜ多臓器不全を発症する患者がいるのか、私たちはまだ完全には理解していない。すでに慢性疾患で衰弱している多くの高齢者や基礎的な肺疾患のある人々には、どんなに積極的な治療を行ってもそれが及ばない場合もある。

 

しかし、私たちは現在より上手く対処することができる。現在、多くの緊急治療室がこの病気に圧倒されているか、あるいはその状態に陥るまで秒読みの状況にある。無症候性の低酸素症をスクリーニングすることにより、新型コロナ肺炎の初期段階を早期に特定して治療するためのリソースを提供する必要がある。

ウイルスを追跡するのではなく、ウイルスより先回りするのは今だ。

(筆者のRichard Levitan氏は緊急医療医)

(C)2020 The New York Times News Services

「3つの密」回避でコロナ引き続き抑制できるか-感染拡大で正念場

Lisa Du

2020年11月20日 8:43 JST

  • コロナ感染拡大抑制に寄与も押谷仁教授は懸念-インタビュー
  • 自粛疲れか、東京都含めコロナ新規感染者が最多更新

 

 新型コロナウイルスがどう広がるのかを巡り、東北大学大学院医学系研究科・微生物学分野の押谷仁教授が春の段階で示した「3つの密」の理論には当時、冷ややかな反応があったものだ。だが今では、コロナ感染拡大抑制に密閉・密集・密接を避けるべきだとのアプローチの有効を世界が認識するようになっている。

 

 このアプローチは、高齢者の多い日本がロックダウン(都市封鎖)せずに多数の死者を出さずに済んできた状況に寄与したが、気温が低くなる季節を迎え、その真価が問われている。押谷氏は、感染拡大が急速に広がる事態への対応準備が日本は整っていないのではないかと危惧している。

押谷氏は、ブルームバーグ・ニュースとの英語によるインタビューで、「人々の懸念が薄らいでいる」と述べ、「重症例や死者が急激に増えるかもしれない」と懸念を示していた。

 押谷仁教授

 “コロナ感染がどう広がっていくか”への洞察力のおかげで、押谷氏は「日本モデル」を世界に紹介する大使的存在となった。他国が手洗いや接触回避を重視したり、マスク着用の是非を議論したりする中、押谷氏は春の段階でクラスターの追跡と「3密」回避の徹底に集中した。その結果、日本の感染者および死者の数は米国や多くの欧州諸国を大きく下回っている。

 ただ、ここにきて、新たな感染者数は記録を更新している。19日の全国の新たなコロナ感染者数は過去最多を更新。東京都も同日、534人の感染者が確認されたと発表し、前日の493人に続き2日連続の過去最多となった。

 

 押谷氏は,パンデミック(世界的大流行)という未知の脅威で人々が習慣を変えざるを得なかった春に比べ、今は人々の行動に影響を与えるのが難しくなってきていると不安視する。しかも日本には外出禁止を強制できる法律はなく、あくまで自粛頼みだ。

 押谷氏は「このウイルスが向こう数カ月、恐らくは向こう数年、消えることはないと思うので、向き合っていく最善の方法を見つける必要がある」と発言。「この最適解を見つけることにわれわれは引き続き苦労している」という。

 当初から押谷氏は、新型コロナが重症急性呼吸器症候群(SARS)と違って、撲滅できるものではなく制御することしかできないとの立場を取っていた。

 

政府分科会メンバーで東京大学医科学研究所・公共政策研究分野教授の武藤香織氏は、「2月末に専門家会議から見解を出した際、“3密”の原型に当たる表現を入れたが、それを提案したのは押谷氏だった」と説明。

 

 同氏が「このウイルスをたたきつぶしても仕方がなく、人間の側が現在の文明のあり方を根底から見直す必要性にも言及されていた」と振り返った。

 

 押谷氏は、西浦博北海道大教授(当時)とともに、保健所やクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からのデータを分析し、世界保健機関(WHO)の関係者と協議しながら、新型コロナが感染する経路の可能性を突き詰めていった。また、自身がWHOで感染症研究を行った経験から、コロナも飛沫や接触で通常感染するインフルエンザ同様にウイルスが至近距離なら空気中に漂い感染するのではないかと考えた。こうして、換気の悪い室内ではうつりやすいとして、3密の戦略が生まれた。WHOが空気感染の可能性を排除できないとしたのは7月に入ってからだ。

国立保健医療科学院健康危機管理研究部部長の斎藤智也氏は、「押谷氏の理論は当初、同氏の「想像」や「妄想」と多くの人に受け止められていた」と述べる。

だが今や、押谷氏は公衆衛生の世界で講演者として引っ張りだこだ。先週は200人を超える米国の州・地方当局者を前にウェブ講演で日本のコロナ追跡方法についてのデータを共有した。世界中のメディアからのインタビュー依頼も引き受けている。

そんな押谷氏が真剣に危惧するのは、コントロールできないほどの感染拡大を引き起こしかねないクラスターを見逃すことだ。クラスターは実際、国内の多くの場所で発生しつつあり、感染拡大抑制のため3密を回避するモデルが限界点に達しかねない恐れがある。そうなっても強制措置を発動できない日本では、人々がコロナ疲れを振り切り自粛してくれることに期待するしかない。

「1-2週間で症例数はいつでも急増しかねない」と押谷氏は話し、「ある一定の水準に到達するまで待てば、遅すぎるかもしれない」と語った。

2020.12.27.バンキシャより抜粋

「新型コロナウイルスの感染者数、重症者数、死亡者数が、毎日のように過去最多を更新するような数になっている状況を、皆さんは、このような数字に慣れきってしまったのではないでしょうか。でもこの数は、十分危険域に入っている、いわゆるオーバーシュートと言われる、この後爆発的な数字になっていきそうな数字であろうと思います。全国的に国民の皆さんに自覚して頂く状況だと思います。」

 

イギリスで広がるコロナの変異種が、ついに国内でも相次いで確認されました。

従来のウイルスよりも感染されやすいとされ、政府は、これまでの外国人の入国緩和策を明日(12月28日)から一時停止すると発表しました。食い止めることはできるのでしょうか?

 

昨夜、8時半前に急遽開かれた厚生労働省などによる会見。

「本日、12月26日に英国において報告された、変異した新型コロナ感染症変異株が2例検出されました。」

「今回は国内での発症の症例が2例あった」ということです。そういった症例があったということですから、変異株の症例が今後増えてくる可能性はあると思います。」

イギリスで発見された新型コロナウイルスの“変異種”。

イギリスの調査によると、「最大でも従来のウイルスの1.7倍感染しやすい可能性がある」と言う。

おとといは、イギリスから入国した5人が 空港での検査で“変異種”への感染が確認されていた。

昨日発表されたのは2人。

うち一人は、国内でヒトからヒトへ“変異種”がうつった(感染した)初のケースだ、と言う。

 

 ある感染が確認されたのが、今月16日。イギリスから帰国した30代のパイロット。

パイロットや客室乗務員は、空港での検査は対象外のため、 男性はそのまま帰宅

 

その5日後の21日、せきや頭痛などを発症し、パイロットの感染が判明

そして、渡航歴のない家族(女性)の感染も確認され、2人の感染が“変異種”の感染であることが判ったのだ。家族の女性は、この男性からうつったとみられている。

 

 ついに国内で感染が確認された“変異種”。まだ実態が解明されていない“変異種”。

政府は明日から、新たな措に踏み切る。その内容は、

これまでの海外からの外国人の新規入国について

 ⇒ 原則 来月末(1月31日)まで一時停止すること

さらに、日本人が外国に短期出張し帰国する場合は、

 ⇒ 14日間の待機措置を必要とすることなど。

ただし、中国や韓国など、11の国と地域の企業駐在員など、ビジネス関係者は、

 ⇒ 引き続き入国が認められる、という。

外務省によりますと、イギリスで確認された“変異種”のコロナウイルスの感染者は、イタリヤやドイツなど、19の国と地域で見つかっています。

イギリス、イタリア、ドイツ、カナダ、フランス、アイスランド、スェーデン、ベルギー、デンマーク、オランダ、スペイン、アイルランド、スイス、イスラエル、レバノン、シンガポール、香港、オーストラリア、日本

この“変異種”は、従来のウイルスより1.7倍感染力が強いというような推定がされている。

さらにイギリスのものとは違う“変異種”南アフリカで確認されている。

 

「コロナを甘く見ないで」小池都知事、若者に訴え

 「自身の将来を守るために、日々の行動を見直して」

2020.12.30 14:29

 今年最後のモニタリング会議を終えた東京都の小池知事が会見を開き「事態は大変厳しい」と述べ、若者に向けて「コロナを甘く見ないでください」とメッセージを送った。

 「1週間平均で700人を超え、日々最多を更新している。現在のペースで増加すると2週間後には日々、1000人を超えるペースで新規陽性者が発生していくことになる。

年末年始のここで感染を抑えなければ、私たちはますます厳しい局面に直面し、緊急事態宣言の発出を要請せざるを得なくなる」と述べた小池都知事は、感染拡大防止のポイントに“人流を最大限抑えること”を挙げた。
 そのうえで小池都知事は、若者に向けて
「コロナを甘く見ないでください。夜間の外出もしばらくは無し」とメッセージを送ると、

 

「軽症や無症状、若いから大丈夫だと思われがちだが、若い方でも入院、重症化することもある。長引く後遺症に悩まされている方も多い。実際に体験している方もたくさんいる。軽症、無症状で行動して、結果的に感染が拡大するとコロナの患者さんのために医療がさらにひっ迫する。コロナ以外の救急医療や通常医療が圧迫される。受けられるはずの医療が受けられなくなり、助かるはずの命が助からなくなる。若いから大丈夫では決してない。こんなはずではなかったと思ったときは、もう遅い。皆さん自身の将来を守るために、日々の行動を改めて見直してください」と訴えた。(ABEMA NEWS)

 

「抑えなければ、緊急事態宣言を国に要請も」 小池知事

朝日新聞アピタルより抜粋

2020年12月30日 16時33分

臨時記者会見で、年末年始も人と人との接触を避けるよう訴える小池百合子・東京都知事

                   2020年12月30日午後、東京都庁、荻原千明撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都小池百合子知事は30日、臨時の記者会見を開き、「年末年始のここで感染を抑えなければ、緊急事態宣言の発出を国に要請せざるを得なくなる」と危機感を示した。「徹底して人の流れを抑えていかなければならない。都民一人ひとりの行動が感染動向を左右する」と述べ、不要不急の外出自粛や帰省の取りやめなどの徹底を強く求めた。

 

 30日の都内での感染者は過去2番目に多い944人が確認され、週平均での1日あたりの感染者数は29日時点で787人と過去最多を更新した。

 こうした感染状況を踏まえ、小池知事は30日の会見で「いつ感染爆発が起きてもおかしくない、さらに誰が感染してもおかしくない。この年末年始は、感染拡大を食い止められるか否かの分水嶺(ぶんすいれい)」と訴えた。

 

 都民に求める取り組みとして、「いつもの祝いごと、楽しみ、年末年始はたくさんあるが、今回は諦めてください」と強調。子どもたちを呼んだホームパーティーや親族らが集まっての飲み会を避けるよう求め、「正月のおせちを召し上がる際もいつもの家族にしていただきたい。高齢者や持病のある方と一緒に暮らす家庭では、うちでもマスク着用をお願いする」と呼びかけた。

 また、英国や南アフリカで確認され、感染力がより強いとされる変異ウイルスについて、「未知の課題で、最大級の警戒と備えをする必要がある」との見解を示した。都内での発生状況を把握するため、東京感染症対策センター内に検討チームを立ち上げ、都健康安全研究センターなどで実施した遺伝子解析の結果を分析していることも明らかにした。(荻原千明、岡戸佑樹)

 

小池都知事「夜のカウントダウンなども控えて」

 都の新たな感染者過去最多の1300人超

2020.12.31 15:11

 東京都できょう確認された新型コロナウイルスの新たな感染者が1300人を超えた。一日あたりの人数としては、過去最多となる。

 小池都知事はきょう、「コロナにとって年末も年始もない。特にこの寒い時期、コロナの感染拡大は非常に厳しい状況。今日の数字はこれからまとめるところだが、1000(人)をゆうに超えて1300(人)ぐらいはいくような報告も受けている。入院される方、宿泊療養の方、そしてご自宅での療養に入る方、それぞれ保健所と連携・調整しながら進めるよう指示をしたところ」とコメント。

 その上で、「きょう夜はカウントダウンなどもあるかもしれないが、ぜひお控えいただきたい。そして静かなお正月をご家族で、ステイホームでおくっていただきたい。きょう(年内)最後の買い出しなども家族連れで行っていて、密になっているというところもある。そういったことも含めて、
コロナに年末年始もないということを改めて強く申し上げたいと呼びかけた。(ANNニュース)

 

 

日常生活の注意点

感染リスクが高まる「5つの場面」とは?

 政府の分科会は、感染拡大を防ぐために、感染リスクが高まる「5つの場面」を避けるよう呼び掛けています。

冬の感染対策で気をつけることは?

 気温が低下すると、屋内での換気が不十分になり、感染が広がりやすくなります。密閉した換気の悪い空間では、「30分に1回以上、数分間程度、窓を全開にする」など、冬でもこまめに換気するようにしましょう。

感染した環境が屋内と屋外のどちらが多いのかを複数の研究から解析した結果、新型コロナは屋外での感染は10%未満であり、屋内の方が屋外よりも18.7倍高かった、とする報告があります。

症状がなくても他人に感染させることはある?

 新型コロナで注意すべき点の一つは、自分が感染していることに気づかないうちに他者にウイルスを移してしまう危険性があることです。とくに発症する2日前から1週間が感染力の強い期間と見られているため、自分も感染しているかもしれないという意識を持って行動しましょう。

 

年末年始、もし発熱したら?救急医療体制は厳しい状況、コロナ含め相談先の確認を!

薬師寺泰匡|救急科専門医/薬師寺慈恵病院 副院長より抜粋

12/28(月) 18:00

 2020年もいよいよ残すところわずかとなりました。COVID-19に振り回された一年となりましたが、まだ終息とは程遠い状況にあります。医療の面では各地で病床は逼迫しており、日常診療に制限がかかり、救急医療体制の維持が精一杯という状況が続いています。救急医の立場から、年末年始の過ごし方や、気をつけるべき点について書こうと思います。

 

ポイント

・相談先の確保について

・救急医療の状況について

・感染症予防について

・感染症以外のリスクについて

・遠方へ移動する際の注意

 

年末年始の相談先を確認しよう

 現在、コロナ感染が疑われる場合、かかりつけ医に相談することになっています。

都道府県単位で新型コロナ相談センターなどを立ち上げておりますが、「体調不良の場合は、やはり普段の健康管理をしている主治医に相談するのが適切という考えに基づいていると受け止めています。

 COVID-19は、基礎疾患がある方で重症になりやすいことがわかっており、また発熱したからといって、それがすぐにCOVID-19を意味するわけではありません。普段の健康状態や、生活状況、感染症の流行状況と、その時の症状から、COVID-19を含めた種々の疾患の診断につなげていく必要があります。

しかし、年末年始は多くの病院、診療所が一般診療をしていないはずです。

体がしんどくなった時に、相談先に困る事態が生じるかもしれません。

そもそもかかりつけ医がいない人は尚更です。もしもの時、どこに相談したら良いかは確認しておく必要があります。

 

 新型コロナが心配であれば、都道府県の相談センターに連絡するか、救急診療をやっている病院が近隣にあれば電話で相談をしてみてください。

また、救急相談センター(#7119)を利用可能な都道府県では、急な体調不良の際に積極的に利用いただければと思います。

かかりつけの医療機関を持っている人は、必ず年末年始に体調が悪くなったときにどうしたら良いかを確認しておきましょう。喘息やけいれんなど、発作を起こす疾患を持つ人は特にお願いいたします。

 

救急医療の状況は?

 多くの医療機関で一般診療がお休みになる中、年末年始も救急診療は様々な形で行われます。もともと24時間365日体制で救急医療を提供している救命救急センターやそれに準ずる施設、もしくは当番制で救急診療する医療機関群で、急な疾病や外傷患者さんの診療を担保できるように体制を整えていると思います。しかし、いざと言う時にこれらの医療機関に相談すれば万事解決するかと言ったら、現状それが厳しい話になってきています。

例年この時期はインフルエンザ感染がピークを迎え、重症インフルエンザ感染患者さんがICU(集中治療室)に入っており、インフルエンザからの二次感染や、他の感染症による敗血症患者さん、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞や大動脈解離といった血管性病変の患者さんもICUで対応しております。

今年はインフルエンザが流行していませんが、多くの地域でこれまでの重症インフルエンザ患者さんとは比較にならない数の重症COVID-19患者さんが入院しており、病床のやりくりが困難な状況になっています。

 

 ニュースで出てくるコロナ病床利用率に余裕が見えるところもありますが、あの数字は現場の状況をしっかり反映しているとは言えないものになっています。

 例えば、10床の病床に2床コロナ病床を追加しているのではなく、10床のうちの2床をコロナのために割いているというのが現状です。通常では9床までならある程度ゆとりある対応ができていたものが、7床まで患者さんが入った時点で満床に近い雰囲気が漂い始めます。

 こうして比較的大規模な病院の病棟運用や救急対応が逼迫しはじめると、地域の中小病院や診療所で急病や傷害に対応しなければならないことも増えていきます。実際、救急要請しても搬送先がなかなか決まらず、方々に電話をかけて何軒目かでようやく搬送先決定ということや、遠方への搬送ということも多々起こっています。これまでにもなかったわけではありませんが、現場の肌感覚としては搬送困難例が増加してきています。

年末年始に備えて今からできること

 救急医療体制が崩壊するようなことにはなって欲しくないですし、なんとか乗り切りたいと思っているところなのですが、一丸となって協力していかねば、助かる命も助からない状況が一歩一歩近づいていると感じております。例年、12月と1月は急病も一般負傷も交通外傷も増加する傾向にあります(総務省消防庁:救急救助の現況より)。

 

年末年始を安全に乗り切るために、みなさまに今日からできることを3点お願いします。

COVID-19をはじめとした感染症対策

 耳にタコができるくらい言われていると思うのですが、感染症対策を改めて心に止めてほしいと願っています。今年インフルエンザが流行していないのは、みなさまの感染予防策(手洗いやマスク)が功を奏しているものと考えられます。無防備な状態での多人数への接触をなるべく避けてお過ごしいただければと思います。年越しイベントや初詣、帰省の際の混み合う交通機関は要注意です。

私は帰省をやめろとまでは言いません。やめた方がいいですが、来年まで待てない事情がある人もいるかもしれませんし、行く後悔もあれば行かない後悔もあります。ただ、帰省はできる限り安全にしていただければと思います。ポイントは潜伏期間です。COVID-19の潜伏期間は数日〜14日(多くが5日程度)と考えられています。今日から帰省しようと考えている方も多いかもしれませんが、過去14日間の行動を振り返り、感染の可能性が高い行為をしていなかったか考えてみてください(マスクなしでの会話、会食など)。もしそうであれば、自分は感染者であると思って過ごしていただければ、帰省先の人を守れるかもしれません。家の中でもマスクと手洗いを徹底する様に心がけていただければと思います。

 

冬ならではの事故に改めて注意

 年末年始、例年モチ関連の事故、入浴関連の事故、飲酒関連の事故、慣れないレジャーでの事故の対応をしてきました。実際問題、12月と1月は例年救急搬送が増える傾向にあります。

 高齢者はモチの誤嚥に注意をいただきたいのですが、若者でも、モチを食べすぎて腸が詰まることがあります。どこにも行けないし食べることしかない!となるかもしれませんが、多量のモチを摂取するのは避けましょう。

飲酒については、今更啓発するのもという感じではあるのですが、夜通し年越しイベントに参加してひたすら飲酒して元旦に急性アルコール中毒というパターンや、親戚や家族で朝から飲んでいて午後にはグロッキーというパターンなど、様々な様相を呈しております。必要以上にお酒を勧めあったりせず、楽しめる範囲で飲んでいただければと思います。何事も程よく

 入院関連の事故はピンとこないかもしれませんが、冬になると、脱衣所と浴室の温度変化から体調不良となったり、熱い湯に長く浸かることで熱中症の様になったり、浴槽で意識を失いそのまま溺水するという事故が多発します。酒を飲みながらの入浴や、飲酒後の入浴では脱水気味になるので、特に注意が必要です。長風呂してるな、と思ったら、様子を見に行ってください。

レジャーについては、外傷のハイリスクです。なかなか普段家族で過ごす機会も少なく、みんなで楽しみたい気持ちが大きくなるものですが、慣れないスポーツをしたり、普段いかないところに行ったり(山とか谷とか)ということには慎重になってください。外に出るならば準備運動をしっかり行い、そもそも危険な行為に走らないようによろしくお願いいたします。

 

移動先の医療状況をチェック

 遠方に移動する方は、ぜひ移動先の医療状況を確認しておきましょう。移動後に体調を崩すこともあるかもしれません。そんなとき、どこに相談すれば良いかと言う点を明確にしておいてください。焦らなくて済みます。

 

 COVID-19であれば、行政が相談窓口を開いている場合が多いと思いますが、24時間やっていないかもしれませんので、時間帯もかならずチェックしておいてください。○○県 休日夜間診療」○○県 救急外来」などとネット検索すれば、各地の医療体制が調べられると思います。

 24時間体制でER診療をしている医療機関もあれば、輪番制当番制をしいて日替わりで救急医療を担保している地域もあるので、ぜひ移動前に調査をお願いいたします。

 

 受診先が限られる場合、多数の患者さんがひしめき合っているという状況も想定されますし、距離の離れた医療機関を受診しなくてはならないかもしれない点は注意が必要です。また、病床が逼迫している場合、入院が必要となった場合に思いも寄らない遠方に入院となる場合もあり得ますので、ある程度の覚悟をしておいた方が良いかもしれません。

 検査に関しても、年末年始は検査会社も通常通りの運営ではなく、時短営業をしていたりお休みをしていたりという場合もあります。ですので、「コロナが心配なので今すぐPCR検査して欲しい」という要求には応えられないことも多いと思います。

 

 「明日家に帰るので、念のためにPCR検査をしておいて欲しい」という様な要求は、移動先の医療機関の負担にしかならないので、遠慮していただければ幸いです。

 

 自分の体の状態に素直になっていただき、体調が悪い場合は、それをそのままお伝えいただければ、適切な医療につながると思います。

 移動時は「保険証」のほか、「お薬手帳」や、必要であれば「かかりつけ医の紹介状」などを持ち合わせていただけると、いざと言う時にスムーズな診療につながると思われます

 

最後に

今回の年末年始は、誰も経験したことのない、未曾有の事態の中での出来事となります。感染予防は自分を守ることになるほか、隣人や社会を守ることにつながります。そして、防げる事故を防ぐことも、同様に自分だけでなく、隣人や社会を守ることにつながります。一緒に命を守りましょう。良いお年をお迎えください。

 

コロナ、家族にうつさないポイント 年末年始の対策

朝日新聞アピタルより抜粋 2020年12月29日

杉浦奈実 田村建二 辻外記子 瀬川茂子

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないなか、年末年始を迎えます。感染を防ぐためにどう心がけたらいいのか、感染が疑われたとき、周囲に広げないためにどう過ごすべきか、ポイントをまとめました。

予防で最も気をつけるべきなのは

 例年であれば、年末年始は親しい人と集まって食事することが多い時期だ。しかし、会食は、新型コロナウイルスに感染するリスクが最も高い場面の一つだ。

 マスクを外して食事をしながら会話することで、口からのしぶき(飛沫(ひまつ))に含まれるウイルスが伝わるケースが、代表的なパターンだとわかってきた。

 米疾病対策センターは、ウイルスがついたものを触ることによる「接触感染」よりも、飛沫による感染のほうが重要だという見方を示している。

 政府が年末年始に注意を呼びかける「感染リスクが高まる5つの場面」でも、「飲酒を伴う懇親会」「大人数や長時間の飲食」「マスクなしでの会話」が挙げられている。いずれも、会食に関わる項目だ。

 久留米大学医学部感染制御学講座の渡邊浩主任教授は「今や全国どこでも感染の発生がない所はない。会食は少人数であってもしないほうがいい。なるべく人と会わないことだ」と指摘する。初売りや初詣など、人が集まる場所も避けるべきだという。

 それでももし、会食をするのなら、なるべくリスクを下げるため、細心の注意を払う必要がある。

 政府の新型コロナ対策分科会は、会食について少人数・短時間▽なるべく普段一緒にいる人と▽箸やコップは使い回さない▽席の配置は斜め向かいに▽体調が悪い人は参加しない――などと注意を呼びかける。

 韓国では最近、飲食店内で6・5メートル離れた席にいて互いに交流がなく、滞在時刻も5分間しか重ならなかった人のあいだでウイルスが伝わったとみられるケースが報告された。

 サイズの大きな飛沫の多くは2メートルほど離れれば床に落ちるとされているが、さらに飛沫が小さい粒子になると、しばらく空気中を漂い続ける可能性が指摘されている。店内の換気が不十分ななか、エアコンからの風に乗ってウイルスが運ばれたらしい。このため、換気をしっかりするのも重要だ。

 近畿大学医学部の東賢一准教授(衛生学)は、「換気は夏と同じように継続した方が良いが、室温は18度以上に保つことを心がけてほしい」と話す。

 

 18度以下では、特に高齢者で血圧が上がり、心臓や脳血管の病気を起こす危険性が高まるためだ。感染症に気をつけても、他の病気が増えてしまっては良くない。

 東さんによると、大型商業施設や公共施設では、法律などで決められた換気量を確保できるよう設計されているため「必要以上に窓をあける必要はない」。ただし、集まる人が多くなれば必要な換気量に届かなくなる可能性もある。

 部屋の中の人数にもよるが、窓を開ける場合は、1時間に2回、数分開けるとよい。開ける幅は10センチ程度でもよく、常時1~2センチ開けておくのも効果がある。対角線上を開けるのが望ましいが、難しい場合は一方向でも開けておくとよいという。

 家庭では、室内の換気対策より、ウイルスを外から持ち込まないことがまず大切になる。大きく窓を開けると一気に室温が下がってしまうこともあり、必ずしも窓開けでの換気は、必要はないという。親戚などが集まって過ごすといった場合には、積極的に換気してほしいという。

 湿度にも気をつけたい。空気が乾燥する冬は、飛沫が遠くまで漂いやすい。理化学研究所などのチームがスーパーコンピューター「富岳」を使い、せきのしぶきの広がり方を計算すると、湿度30%の場合は90%に比べて、1・8メートル先の人に到達する飛沫の数は約3倍という結果が出た。

 政府は、寒い場所での換気の注意点として加湿器を使ったり、洗濯物を室内干ししたりすることを挙げ「適度な保湿」を呼びかけている。湿度40%以上が目安だ。(杉浦奈実)