・マウス症候群 

 

●マウス症候群とは?

 PC作業でマウスを使う事によって起るテクノストレス障害の1つで、アメリカでは、反復性ストレス障害(RSI)と呼ばれ、同じ動作を繰返し行うことによる過負荷が原因で、障害部位によってマウスリストやマウスエルボ、マウスショルダーと呼ばれる事もあります。
また、最近ではマウス以外に携帯電話でのメールやWEB閲覧による親指の反復性ストレス障害の増加が各国で報告されています。

日本では頸肩腕障害(症候群)といわれる障害にあたり、症状は重度の肩こり、首筋から肩・腕にかけての痛み、手首の痛み及び腕・指の痺れなどです。
これらの症状は、頚椎変形性脊椎症や胸郭出口症候群頚椎ヘルニア、手根管症候群などでも見られますが、このようなはっきりとした原因がない場合、頸肩腕症候群と診断されます。


●マウス症候群の対処法
PCの使用を控える。患部を休めるために必要
患部を温める。血液の循環を良くするため(炎症期は除く)
運動(体操)をする。動かすことにより、筋肉の柔軟性を高める
消炎剤や湿布を利用する。痛みの強い炎症期の処置。
反対の手でマウスを使う。理由は①と同じ
サポーター等を利用する。手首の場合はリストラップ、肘の場合は、テニスエルボー用サポーターを使用して動きを制限する。


●マウスのセッティング
人間工学(エルゴノミクス)に基づいたマウスを使う位置はキーボードの10キー上でテーブル上2インチの所で、手首が曲がらないように手前下がりの傾斜があるのが良いとされています。

●マウス症候群の予防法
・簡単に手の届く、キーボード近くに置く。または置けるようにマウスブリッジやマウスレートを用いる。
・ポインターの動作が速すぎると動きすぎによる手首の反復運動が多くなるので、それを防ぐためにマウスのプロパティでポインタの速度を遅くする。
・15~20分ごとに休憩を取ったり、位置を変えて使用時間を制限する。
・手のサイズにあったマウスを使用する。
・マウスを動かす時は手首を振るようにしないで肘から動かす。
・リストレストやアームレストを用いる。
・肩を吊り上げなくて良いように、肘はキーボードの高さになるように、椅子の高さを調節する。
・キーボードのショートカットを使うようにしてマウスを使う頻度を減らす。
・腕の反復運動を少なくするようにする為、トラックボール付マウス、タッチパッド、ペン・タブレットなどのデバイスの使用を考慮する。


 

マウス症候群は、腱鞘炎に準じた症状ですから、痛みは緩和できます。ただし腱鞘炎と同じように、一回ですべての痛みを取るとはいかない場合があります。
しかし、一回で緩和された痛みの程度は、前よりひどくなることはなく、少し緩和された状態が保たれるようになると思いますので、数回続けているうちに痛みは消去されます。

指先にしびれを感じるような場合は、しびれが先に改善し、しびれの再発を予防します。